スポーツ・運動と食を結ぶ
ウェブマガジン
お問い合わせ
2020.04.20
特集
トレーニング・栄養の統合を目指した最高のコーチングを【ニュートリションな人々 #01 ~清野隼さん③~】
Kiyohiro Shimano
0
Twitter Facebook

ニュートリション関係者の人物背景や取り組みについて紹介するオープニング企画。記念すべき第1回目は、ストレングス&コンディショニングの資格を保有しており、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士でもある筑波大学・清野隼さんの半生を振り返る。今回はVol.3。

清野さんは、森永製菓株式会社が運営する「トレーニングラボ」で、長くトップアスリートを指導してきた。競技力やコンディショニングのためにトレーニングと栄養の両面を踏まえてコーチングし、現在筑波大学の特任助教として、現場で行われている実践知の体系化に向けて、多くの仕事に就いている。

食事はベースになるものの、栄養補助食品も賢く使いたい

すぽとり 少しスポーツニュートリションに寄った話をしましょう。日本ではスポーツニュートリションの意識が徐々に高まっているのを受けて、ニュートリショニストの方が増えてきました。いろいろな方とお会いしてきましたが、人によって専門性が異なるのかなと感じます。

清野 そうですね。レシピを考えるのが得意な方、集団給食でナレッジを生かす方、指導現場でサポート力を発揮する方、研究者としてエビデンスを作っていく方など・・・。

世代、男女でも分かれてくるでしょうね。スポーツニュートリショニストとしての一定の知識を持ちながら、自らの背景や得意分野にそれぞれ特化していくといった形になると思います。

すぽとり 清野さんはどのタイプになりますか?

清野 僕は競技スポーツ現場でのコーチングが専門になります。営業でたくさんのチームを回っていたときは、現場の方からの依頼でレシピを考案したりもしていましたが、今はやらないようにしています。

長くスポーツニュートリションの領域で仕事をしていますが、メニューを考案する専門性と、トレーニングにおける栄養や栄養補助食品の使い方や必要性を考える専門性は、同じスポーツニュートリションの括りではあるものの、全く別物だと考えています。

それで、最近キーワードになると考えているのがインターフェイス、「専門性と専門性を結びつけ機能させる」こと。運動から派生した食事の考え方に対してどうフィットさせるか。「イノベーション」や「統合-integration-」といったキーワードも今の僕のテーマでもあります。

研究で言えば学際的かつ応用分野になります。これからのスポーツニュートリションが発展するためのカギになると思っています。

すぽとり 東京五輪が近づき、スポーツニュートリション分野の情報も多く発信されるようになり、「食」に対する考え方も多様化してきました。多くの食品や商品が手に届くようになっている中で、栄養補助食品の使い方についてはどのように考えていますか?

清野 パフォーマンスやコンディションにかかわる部分で食事がベースになることは言うまでもありません。ただ、それだけでは難しい部分があることをよく理解しなければならないと思っています。

一般の人でいえば、運動をする人が増えて生活スタイルも変化してきましたので、それぞれの生活を鑑みて栄養補助食品を上手に賢く活用しながら、健やかに毎日を過ごせるようにしていきたい。

より高い目標を掲げているアスリートなら、安全面に考慮しながらも正しく栄養補助食品を使えるかが重要になってきます。ですから、われわれスポーツニュートリショニストはアスリートが安全・安心に栄養補助食品を摂取できるように確実で、洗練された、正しい情報を選別して、賢く、その上で効果的に摂取できるように指導していかなければなりません。

また、スポーツや健康を通じて食事や栄養補助食品、健康食品の在り方や市場の拡大に向けて動いている自治体もあり、僕自身もそういった場に呼ばれてお話をする機会があります。

行政レベルで栄養の大切さを市民のみなさんに還元する中、栄養の専門家のニーズも高まってきます。そういった意味でも、ますます幅広い知識や経験が必要になってくる時代になると思います。

<④に続く>

関連記事