お米の適切な保存法

お米は常温で置いておくと室内の湿気を吸い、傷む原因になっておいしさも失われてしまいます。購入したら冷蔵庫の野菜室に入れて保存するのがお勧めです。冷蔵庫に入れる時は、密閉容器や密閉袋、キレイに洗って乾燥させたペットボトルなどに移しましょう。

米袋のまま保存する方もいるかと思いますが、米袋には空気穴がついているので、湿気やにおいを吸ってしまい、おいしく保存できません。また、お米は日が経つにつれて風味が落ちてしまいます。なるべく1カ月くらいで食べ切る量を目安に購入してください。

日本では、900種ほどの数が品種登録され、このうちの約300種が主食(ごはん)用として作られています。最近では、スーパーなどでも日本各地のお米が出回っていますので、いろいろ試し、自分好みの味や食感のお米を見つけてみてはいかがですか?

おいしいご飯を炊く4つのポイント

①お米を量る
はかりを使って量ることができれば誤差がなくベストですが、はかりを持っていない人もいますよね。その場合には、炊飯器専用の計量カップを使ってきっちり量ってください。ポイントは、計量カップにお米を山盛りに入れ、カップの縁が平らになるようお箸などですりきることです。

②お米を洗う
以前は「米を研ぐ」という表現がよく使われ、実際キュッキュと押してお米を洗っていたのではないでしょうか? しかし、最近のお米はキレイに精米してあるので、必要以上に研ぐのはNG。お米を割らないように洗う程度にしましょう。

ここでのポイントは、「最初の1回はたっぷりの水でかき混ぜ、すぐに水を捨てること」。これは、お米が落としたぬかを吸ってしまい、ぬか臭いごはんになってしまうのを防ぐためです。そのあとは、2~3回水を変えながらお米を洗ってください。水が透明になるまで洗う必要はありません。

③水加減
炊飯器で炊く場合には、炊飯器の内釜に記してある目盛のところまで入れればOKです。このときに気をつけなければならないのが、炊飯器専用の計量カップと普段料理に使う計量カップとでは、容量が異なるということ。炊飯器の目盛は炊飯器専用カップに合わせてつけられています。炊飯器用は180mlに対し、料理用は200mlです。炊くときには気をつけてください。

④ほぐし
炊飯器の場合は、蒸らしまで時間に含まれているので、炊き上がったらすぐにごはんをほぐします。このとき、ごはんの粒をつぶさないよう、切るようにしてやさしく混ぜるのがポイントです。土鍋や鍋で炊く場合には、10分程度蒸らしてからほぐしの作業を行います。

土鍋でご飯を炊いてみよう!

<調理時間>
20分(浸水時間は除く)

<分量>
米:2合
水:400~430ml

<作り方>
米は洗ってからザルに上げて水気を切り、土鍋に移して分量の水を入れ、30分~1時間浸水させる。夏場は30分、冬場は1時間、米全体が白くなるまで浸水させてください。

土鍋に米と水を入れて中火にかける。沸騰したら弱火にし、12~15分炊く。時間が経ち、水分がなくなっていれば10秒ほど中火強にして残っている水分を飛ばし、火からおろして10分蒸らす。時間になっても水分が残っている場合は、追加で1分ごとに確認しながら火にかけます。土鍋はじっくり熱が加わるため、ふっくらもっちりと香り良く仕上がるとされています。もちろん鍋でも炊くこともできます。鍋の場合は加熱時間を10~12分と短くしてください。

残ったご飯をおいしく保存する方法

食べきらずに残ったごはんを冷凍保存する人が多いと思いますが、おいしく食べられる方法で保存しているでしょうか? 残ったごはんをまとめて包んだり、冷めてから包むのはNG。冷凍ごはんもおいしく食べるには、「熱いうちにラップで包む」、「少量を平たくして包む」、「粗熱をとってから冷凍庫で一気に冷ます」ことが大切です。

平たくして包んだり、粗熱をとってから冷凍庫に入れている人は多いと思いますが、意外と忘れられがちなのが熱いうちに包むこと。こうすることで冷凍してもごはんの中の水分が保たれ、解凍したあとでもふっくらします。また、包む量はお茶碗1杯分程度(約150g)、冷凍する時に金属製のバットなどに乗せることで、家庭の冷凍庫でも比較的早く冷やすことができ、水分が蒸発するのを減らすことができます。電子レンジで解凍するときにも、小分けの方が均一に熱が加わり、おいしく食べられます。

【米のとき汁活用法】

普段、当たり前のように行なっている米とぎですが、何のために行なうのでしょうか? それはズバリ! 「精米した米の表面についているぬかやゴミを取り除くため」です! 一般的な米(精白米)は玄米から胚芽とぬかを取り除いていますが、表面にはまだ粘着性のある肌ぬかが残っているため、すすぐ程度に軽く洗ってから炊くのです。

「米をとぐ時には優しく」というのをよく耳にしますが、実は米の状態によってとぎ方は変えた方が良いのではないかといわれています。米は精米した時から風味の劣化が始まっていて、収穫後1年以上経ったものは「古米(こまい)」と呼ばれます。大学の研究では、古米は表面が劣化しているため、ギュッギュッとしっかりといで米の表面を落とすと風味が改善されるという結果が報告されています。新米や精米したての鮮度の良い米は優しく、鮮度の落ちた古米はしっかりとぐと覚えておくと良いかもしれませんね。

料理や掃除などさまざまな活用法があるとぎ汁ですが、今回はその一部をご紹介します。とぎ汁は環境汚染の原因の一つともいわれています。今まで何気なく捨てていた方もとぎ汁をうまく活用し、家庭内でリサイクルしてみてはいかがでしょうか?

<煮物の下茹でに!>
大根や人参・里芋などをとぎ汁で下茹ですることで、独特のえぐみや苦味が取り除かれ、素材の甘みやうまみを生かすことができます。料理にとぎ汁を利用する際は、ほこりや汚れが含まれている最初のとぎ汁ではなく、2回目以降のものを使用しましょう。

<新品の陶器に!>
茶碗や湯のみ・土鍋など、おろしたての際には消毒やアク抜きをしますが、このときに熱湯ではなく、お米のとぎ汁を利用すると長持ちします! これは土鍋などの陶器の細かい凹凸部分にとぎ汁に含まれる成分が浸透し、それらがコーティングのような役割をしてくれるためだといわれています。

<拭き掃除に!>
とぎ汁を霧吹きに入れ、床に吹きかけて乾拭きしたり、雑巾をとぎ汁に浸して拭くだけできれいになります! これは、とぎ汁に含まれる「γ-グロブリン」という成分が界面活性剤の役割をするため、ツヤを出しコーティングして傷つけにくくするためです。フローリング以外でも、お風呂や洗面台など拭き掃除をする際に色々な場所で利用できます。

スポトリ

編集部