料理家で世界を知るトライアスリートでもある高橋善郎さんのレシピ開発企画「二刀流の流儀」。

日ごろのトレーニングや大会出場時など高橋さんの体感を基に、どんな物が食べたいか、何を食べたらいいかを踏まえて、トライアスロンを構成する3種目、スイム・バイク・ランを愛する人たちに向けて、摂取するタイミングにも言及したスポーツフードを提案します。

今季初戦に向けて! 体作りの基礎は「ラン×体幹トレ」

今季初戦のレースが6月に迫ってきました。今年はここ2年のうっぷんを晴らすかのごとく、複数レースにエントリーしようかと思っていましたが、仕事や家庭の兼ね合いもあってレース選択を絞らざるを得なくなり…。だからこそ、結果以上に「一戦一戦、久々のレースを楽しむ!」という意気込みで臨みたいと思います。

久々のレースで自分の納得できる内容・結果にするべく、トレーニングをする日々が続いています。トレーニング方法は十人十色ではありますが、僕の場合はウエイトトレーニングはほとんどせず「ランニング×体幹トレーニング」で体の基礎を作っています。

普段はコンクリートの上をランニングすることが多く、春とはいえ気温が低い日もまだまだありますよね。そういった時は膝に負担がかかるので、駒澤公園のクロスカントリーコースを走るようにしています。同じところばかり走っているとマンネリ化して強度に変化をつけづらかったりするので、飽き防止にもなってけっこうおすすめですよ。

もうひとつの工夫としては、体幹に刺激がいくように工夫をしています。例えば、5:00/kmで10km走るというのも週の中でもちろんあってOKですが、それだとなかなか体の筋肉全体に刺激がいかないので、2:00/kmペースで400m×10本をおこなうなど、総距離が短くても普段走るペースより少し強度が高いくらいの方が体幹に刺激が入りますし、心肺機能も同時に鍛えられます。「普段走るペースより少し強度を高い練習を盛り込む」というのは時間がない時にもおすすめなので参考にしていただければ嬉しいです。

体幹トレーニングはけっこうシンプルで、一番よくやるのは腹筋ローラー。「体を鍛える!」となったら一度は経験した方が多いのではないかと思います。やはり、腹筋ローラーは効率よく全体の筋肉、体幹を鍛えることができますし、天候も関係なし、そして短時間でできるというところで最も続けやすい体幹トレだと個人的には思っています。

ただ、腰を痛めやすいので、ランニングやバイクトレーニング、水泳などと組み合わせつつポイントで活用する方が体に優しいかもしれません。最初は数回しかできなくても、徐々に確実に回数をこなせるようになりますし、見た目の変化もわかりやすいので、続けるモチベーションにもなります。

そして、トレーニングだけでなく、やはり食べる物も重要。ここがけっこうおざなりになりがちですが、トレーニング前後はしっかり栄養補給をしたい所です。僕も昔は「肉、肉、肉!」とやはり肉が多かったですが、30歳代半ばに近づいてくると、肉ばかりだとけっこう胃が疲れて受けつけない時もあります。

そこで今回は、さっぱりとした要素がありつつも、栄養もたっぷり、そして食べた後も胃が重たくなりづらい、春らしいどんぶり飯を用意してみました。しらす丼自体定番ではありますが、旬の新玉ねぎや菜の花を入れて、ご飯が進むにんにく醤油味のたれをかけて仕上げました。


料理時間
10

にんにく醤油香る「新玉ねぎとしらす丼」

レシピ

【材料(2人分)】
温かいごはんどんぶり2杯分
しらす100g
菜の花25g
新玉ねぎ1/4個
うずらの卵(生)2個
とびこ/刻みのり各適量
【A】
しょうゆ大さじ1と1/2
ごま油大さじ1
みりん小さじ1
おろしにんにく小さじ1/2

作り方

下準備

・新玉ねぎ:粗みじん切りにする。
・菜の花:
(1) 沸騰した湯で1分弱茹でて、冷水にさらし粗熱をとる。
(2) ペーパータオルで水分をふきとり、1cm幅に切る。

STEP:01

小さめのボウルに【A】を入れ、混ぜ合わせる。

STEP:02

器に温かいごはんをよそい、刻みのりをのせる。しらす、新玉ねぎ、菜の花、うずらの卵(生)をのせ、とびこを添えたらたれをかける。

【ポイント】

・旬のみずみずしい新玉ねぎはしらすと好相性。水にさらさず生で食べてもおいしいので、今回は食感のアクセントとして使用しています。

・うずらの卵の代わりに温泉卵、卵黄をトッピングしてもおいしいです。また、キムチや刻んだたくわんなどの漬物類をのせてもおいしく仕上がります。

簡単に作れますし、これくらい軽いどんぶり飯が最近のマイブームです。ぜひトレーニング前後はもちろん、普段食べるご飯としても参考にしていただければ嬉しいです。

最後にトレーニングの話に戻りますが、やっぱりなんのためにトレーニングするのか、体を鍛えるのかを考えながら取り組むのはすごく重要だと思います。

今回はレースに向けたランニング×体幹トレーニングについて触れましたが、トライアスロンでいえば、レースごとにコースも変わってきますよね。フラットなコースもあればアップダウンの激しいコースもあるのでそういったさまざまなコースをどう攻略していくか、タイムを上げていくかというのが僕でいえば目標に当たります。

ですので、ただ闇雲に取り組むのではなく、小さいことでもいいので目標などを設定して取り組むことが長く続けるコツでもあるのかなと個人的には思います。

私事ですが、2月には子どもも産まれ、新米パパは子育て勉強真っ最中。最近では天気のいい日に一緒に散歩するのも楽しみの一つ。コロナ情勢が落ち着いて、トライアスロンのレースで家族そろって遠征するのが待ち遠しいです。

高橋 善郎(料理家/トライアスロン エイジクラス 日本代表)

1988年 神奈川県生まれ
●得意料理:和食料理 / 魚料理全般 / 和菓子 / アスリート系ごはん
●ジャンル:和食 / 魚料理全般 / おつまみ / 健康・スポーツ / おもてなし / 酒類(日本酒、ビール 、ワイン)
●モットー:「もっと料理を楽しく、身近に」
●趣味:書道 / スポーツ(トライアスロン・バスケットボール)
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●高橋さん経営の和食料理店「凧 HANARE
〒156-0052 東京都世田谷区経堂1-19-10 セントラル経堂 B1F TEL:03-6413-0790