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2020.03.11
海外情報
高校のスポーツ界とニュートリション【米国のスポーツニュートリション事情 #01 ~前編~ 】
Kiyohiro Shimano
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東京五輪が間近に迫り、スポーツ関連のあらゆる分野が盛り上がりを見せている。ニュートリション分野も例外ではない。日本国内でもその重要性が徐々に浸透している一方、スポーツ大国・アメリカではどのようにニュートリションと向き合っているのか気になるところだ。

今回は、前後編の2回に分けて、自身もアスリートとして活躍し、マーケティングの最前線に身を置く協和発酵バイオのジョン・テノリオさんに、米国のスポーツニュートリション事情について話をうかがった。前編は、ジョンさんのアスリート時代を振り返りながら、米国と日本の相違点を探ってみる。

指導者はニュートリションをしっかり受け入れている

すぽとり ジョンさんはスポーツの本場・米ニューヨークで生まれ育ち、選手としても活躍された経験があります。

ジョン・テノリオさん(以下、JT) 小さい頃からスポーツが好きで、いろいろやりました。ニューヨークは、米国4大スポーツのプロチームが勢ぞろいする土地柄で、スポーツは生活の一部にもなっているんですよ。大学での最初の2年間は、アスレチック・トレーニングとスポーツ・メディシンについて学び、その後の2年間はビジネスを学び、インターナショナル・ビジネスの学士号を取得しました。

すぽとり 現在は、スポーツマーケティングに関する仕事をしていますね。

JT Kyowa Hakko USAでは、顧客サービスと売却・サプライチェーンサポートに従事していました。最近になって日本に赴任してきました。日本はとても暮らしやすいですね(笑)。

五輪が近づき、スポーツニュートリションの市場が拡大する日本で、アミノ酸やシトルリンの販売拡大に力に注いでいます。アミノ酸やシトルリンはスポーツと親和性が高いので、主に同分野での市場開拓を行っています。

すぽとり 実際にアスリートとして活躍された経験と、ビジネスマンとして活動している中で、米国のスポーツニュートリション事情や日本との違いを教えてください。

JT 僕が本格的にアメリカンフットボールを始めた高校生時代の話をするとわかりやすいと思います。米国ではアメフトが最も人気で競技人口も多いです。

ボディコンタクトが基本の競技ですから、「体を大きくする」「筋肉の鎧をつける」といったことが求められます。どの競技でも「まずは体を大きく」が米国的な考え方はありますが(笑)。

僕は14歳のころ、体重が55kgしかありませんでしたが、17歳になるころには80kgまで増えました。食事、食品・サプリメント、トレーニングを組み合わせた結果で、競技に耐えうる肉体ができ上がったといえます。特にサプリメントは摂取する機会が多かったと思います。

すぽとり 食事、トレーニングはやはり密接で、加えてサプリもうまく活用するんですね。米国では高校生レベルでもサプリを積極的に活用するようですが。

JT 米国は日本よりもサプリを活用しやすい環境といえるかもしれません。これは、サプリを含めたニュートリションの知識が豊富で理解のある指導者やレーナーが身近な存在であることが影響しています。彼らは本当に詳しいですし、よく勉強していますよ。ニュートリションの知識を持つことで仕事につながることになりますから。

選手自身もサプリや栄養に関する勉強をしたり、新しい知識や情報を先輩やトレーナーから得たりするので、ニュートリションは競技生活において身近といえます。

すぽとり 米国の高校生アスリートの中で、最も摂取されている物は何でしょうか。

JT 米国でもプロテイン、アミノ酸、BCAAが主流です。プロテインに関していえば、アメフトはもちろん、野球、サッカー、ラグビー、レスリングなど競技にかかわらず、みんな摂っています。

さらにいえば、スポーツニュートリションのみならず、全世代で人気ですね。世界で見てもプロテインの人気が高くて、体づくりに直結する食品やサプリは好んで摂取する傾向にあります。

日本でも米国でも人気は同じですが、少し違うのは考え方。米国では、高校生の早い段階からサプリや食品を上手に活用して、チームや個人のパフォーマンスアップやコンディショニングにどのようにつなげるかを指導者らが戦略的に捉えています。

すぽとり 体ができていない時期(中学生以下)にサプリを摂取すべきではないと言われていますが、米国ではどうなんでしょうか。

JT 同じですね。その点は指導者がきちんと意識しています。

すぽとり 高校のチームでは、指導者らはニュートリションとどのように向き合っているのでしょうか。

JT 大変重要視しています。指導者はニュートリションの知識をもっていることが当たり前です。反対に知識がないと指導者にはなれないといっても過言ではありません。

全米トップレベルのチームはスタッフが充実していて、コーチ、トレーナー、ニュートリショニスト(栄養士)の各専門家がそろっています。僕のチームには、ニュートリショニストがいなかったので、コーチやトレーナーから教育をしっかり受けました。食事に関しては正直アバウトなところがあって、好きな物を食べていました。米国にはピザやハンバーガーなどおいしい物がたくさんありますので(笑)。

ニュートリショニストがいるチームは、普段からの食事など細かく教育されていたと思いますが、多くの高校生アスリートは僕と同じだと思います。本格的に食事や栄養の勉強をするのは大学進学後になりますね。

というのも、米国は大学スポーツも盛んで、時にはプロスポーツをしのぐほどの人気といってもいいでしょう。ビジネス的に成功している背景から、大学側がさらにチーム力をアップさせるためにニュートリショニストを雇用しやすいといった、懐事情も関係しています。

結果、“常駐”するニュートリショニストの下、教育や最新の情報を得られる環境になるといった形です。高校と大学では選手を取り巻く環境は劇的に変わってきます。

すぽとり なるほど。大学スポーツがプロ並みにビジネス化されている点で、選手にとって好環境を整えることができるわけですね。

JT そこまで余裕がない大学はトレーナーを雇い、ニュートリショニストは二の次のようなこともあります。ただ、指導者はみな、ニュートリションの重要性を理解しているので、自分で勉強したり情報を得たり、アドバイスを受けたりといった土壌はできあがっていると思います。

<後編に続く>

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