腸内環境の研究を手掛ける「㈱メタジェン(本社:山形県鶴岡市)」は、健康食品販売「㈱サン・クロレラ(本社:京都市下京区)」と共同研究を行い、緑藻類「クロレラ」摂取時の腸内環境変動の解析から、抗炎症作用や血糖値改善などの健康効果を見出した。

クロレラは淡水に生息する緑藻類の一種で、タンパク質、ビタミンB12、葉酸、鉄分などの栄養素をバランス良く含むプラントベース・ホールフード(植物性自然食品)。クロレラが持つ健康機能に関してはいくつか明らかにされているが、腸内環境に与える影響などの機能性に関するメカニズムは不明だった。

今回の共同研究では独自の腸内環境評価法を用いて、クロレラ摂取による腸内細菌叢(腸内フローラ)と腸内で作り出された成分(代謝物質)を評価。研究の結果、①異なる腸内環境下でも、動物試験で血糖値の改善効果が報告されている「アゼライン酸」などの中鎖ジカルボン酸が増加すること、②「プロビオン酸」量の少ない腸内環境下に限り、抗炎症作用、肥満抑制効果が報告されているプロピオン酸が増加することがわかった。これらの結果から、クロレラ摂取によって腸内で2つの成分が増加し、健康効果が得られる可能性が示唆された。

両社は今後さらに研究を行い、クロレラ摂取がもたらす健康効果を摂取した全員が得られるように腸内環境を事前に整える新たな商品開発、個々人の腸内環境タイプに合わせたクロレラ摂取法の開発などを推進していく考え。

<掲載論文>
The nutritional efficacy of Chlorella supplementation depends on the individual gut environment: a randomized control study
(クロレラサプリメントの栄養学的有効性は個々の腸内環境に依存する:ランダム化比較試験)

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編集部