公益財団法人 日本オリンピック委員会(JOC)は29日、2月4日から開催される第24回オリンピック冬季競技大会(2022/北京)TEAM JAPANの結団式を行った。新型コロナウイルス感染症対策のため、秋篠宮皇嗣同妃両殿下をはじめ、主将・髙木美帆(日本体育大学)、旗手・郷亜里砂(イヨテツスピードクラブ)、伊東秀仁団長、原田雅彦総監督と出席者は限られた。

伊藤団長はメダルの獲得目標について、「コロナ禍により海外で戦う機会が少なかったので、今まで通りの尺度では測れないが、気持ちとしては前回大会(13個)以上」と意気込んだ。また、原田総監督は「気持ちの盛り上がりは現役時代と変わらない。総監督として選手たちを精一杯サポートしたい」と話した。なお、今大会に出場する日本選手は過去最多の124人に上る。

髙木 美帆

(出場予定種目:スピードスケート 500m / 1000m / 1500m / 3000m / チームパシュート)

<結団式決意表明>
名誉あるチームジャパンに選ばれたことを誇りに思って大会に臨みます。この2年間のコロナ渦により、多くの難しい状況が続いてきましたが、周囲、そして社会の多くの方に支えていただき、この日を迎えることができました。本大会では感謝の気持ちを込め、選手それぞれがベストなパフォーマンスを発揮できるよう、全力を尽くしてまいります。

また、日の丸の誇りを胸に、「人間力なくして競技力向上なし」のスローガンを遵守し、参加各国・地域からの選手団との友好と国際親善にも努めてまいります。昨年開催された東京五輪の選手の活躍には同じアスリートとして、また、声援を送る側としても多くの刺激を受けました。

今回は我々、冬季競技の活躍が日本中へ勇気と明るさを届け、社会の未来への希望となれるよう、スポーツの力を信じてTEAM JAPAN一丸となって全力を尽くすことを誓います(全文ママ)。

<記者会見>
15歳の時に初めて五輪に出場し、12年経って今回は主将として北京五輪に臨むことができることを誇りに思う。12年前はたくさんの先輩の背中をひたすら追っていた。今度は自分が若手を引っ張って行けるように頑張りたい。コロナ禍での五輪なので、何があるかわからない。困難なことがあってもみんなでフォローし合いながら乗り越えていきたい。(個人的には)自分が集中すべきことに目を向けて一つ一つ取り組んでいく。

Q. 今大会の目標は?
A. 金メダル獲得。長い戦いになるが、最後まで戦い抜きたい。

Q. 現在のコンディションは?
A. 五輪が近づき、普段とは違う緊張感や気持ちの高まりを感じている。最後の最後までコンディションを詰めていく競技なので、今よりもいい状態へ持って行けるようにトライしていく。

Q. 秋篠宮皇嗣同妃両殿下と話し込んでいたが
A. 「コロナ禍で練習に制限はありましたか」とお聞きになられた。私自身、練習量などに変化があるとは感じなかったが、(海外派遣選手の制限の関係で)しわ寄せがいく選手もいたと思う。だから、他の選手たちの思いも背負って戦いたいと申し上げた。

Q. 東京五輪からどんな刺激を受けたか?
A. 自分と同世代の選手たちがたくさん出場していて、地元開催で活躍できた選手、思いが届かなかった選手とさまざまだった。夏季競技の選手と交流する中で、彼らの背景(努力やプレッシャー)を思うといろいろな感情が込み上げてきたし、自分にとって五輪やスポーツの価値を考える機会にもなった。彼らの活躍を見て刺激や感動をもらったので、応援する人たちの気持ちもわかった。テレビ画面を通じて、私たちの活躍で何か一つでも伝えられるように頑張りたい。

【Profile】
平昌五輪のチームパシュートで姉・菜那とともに日本人女子スケーター初の金メダルを獲得。同一大会で金・銀・銅をそろえた日本史上初めての選手。今季はW杯で1000、1500mを制しており、3000mでも自己ベスト更新と絶好調。個人競技での世界一を目指す。サッカー選手としても有望で代表候補にも選出された経験を持つ。趣味はジグソーパズル。

郷 亜里砂

(出場予定種目:スピードスケート 500m)

<記者会見>
旗手の打診を受けた時に不安な気持ちだったが、数多くいる選手団の中から選んでもらったので、しっかり役目を果たしてきたい。

Q. 旗手として開会式に臨むイメージは持っているか?
A. 自分が思っている以上に団旗が重く、大役の重みも感じた。開会式では笑顔で選手たちの先頭に立ってしっかり歩いていきたい。

Q. 五輪の舞台に戻ってきたが
A. 2回目の五輪なので、ここまでしっかり準備できたと思う。落ち着いてレースに臨み、笑顔で終われるようにしたい。たくさんの人に支えてもらって今がある。恩返しの気持ちを込めて、1本500mにすべてを乗せてレースをする。

【Profile】
前回大会で500m入賞を果たしたものの、現役を引退。ジュニア日本代表のコーチに就任した。後進の指導をするうちに新たなモチベーションが生まれ、北京大会出場を目指して現役復帰し、今大会の出場権を得た。

スポトリ

編集部