「季節感(食材の旬)」「好相性の食材を組み合わせて相乗効果を図る」「目的(強化・予防・対策など)」――この3点を踏まえたスポーツ食を提案する「スポーツ食マッチング」。第12回目は夏の食材を使用した「酸化対策編②」です。
本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、田村璃音さん(4回生)が担当しました。
Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、スポーツ習慣のある成人の方などにもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立になっています。
関連記事:スポーツと抗酸化
ハードなトレーニングを日常的に行っているスポーツ選手は、エネルギー代謝がより活発になることで体内に大量の活性酸素が発生する。活性酸素はよく使われる箇所に発生して酸化、炎症させる。炎症はZ世代(成長期)のスポーツ選手にとって致命的といえるケガにつながる。
また、活性酸素は喫煙や大量の飲酒、生活のリズムが不規則になることで受けるストレスが原因でも発生するため、成人やスポーツをしていない人にも影響を及ぼす。酸化は細胞の老化にも直結する。日常生活で活性酸素が発生しても酸化をブロックしてくれる抗酸化成分のある物を日ごろから取っておけば、いくらか抑制することができる。
抗酸化作用のある栄養素は、ビタミンCやビタミンE、プロビタミンAといわれるカロテンなど。ビタミンCとビタミンEは一緒に摂るとお互いの働きを高め合う相乗効果が期待できる。カロテンは、体内でビタミンAが不足した時だけビタミンAとして働き、ビタミンAが十分にあるときには抗酸化の働きをするという、ヒトの体にとって都合良く働いてくれる。
酸化対策のために組み合わせたい食材は、パプリカ、ピーマン、モロヘイヤなどの野菜と、たらこ(今回はピーマン&たらこ)。
パプリカ、ピーマン、モロヘイヤには抗酸化作用のあるビタミンCやカロテンが豊富。6~8月に旬を迎えて含有成分も多くなってくる。
たらこにはビタミンEが多く含まれ、ビタミンCが多い夏野菜と好相性。相乗効果で抗酸化作用を高める。さらに、炭水化物をエネルギーに変えやすくしてくれるビタミンB1も多く含んでいる。
摂取タイミングは特にないが、常に体の中で不足しないように摂りたい栄養素のため、運動前後の補食や毎回の食事での摂取を心がける。
<材料(1人分)>※動画は2人分
・じゃがいも:100g
・ピーマン:90g
・たらこ:30g
・有塩バター:10g
・みりん:小さじ1(6g)
・薄口しょうゆ:小さじ1/2(3g)
・油:大さじ1(12g)
<手順>
(下準備)
・じゃがいも:
1)ひと口大に切る
2)鍋に水を張って加熱、柔らかくなるまで煮る
・ピーマン:ヘタと種を取り除き、細切りにする
・たらこ:包丁の背を使って薄皮をはがし、身をほぐす
・有塩バター:常温に戻しておく
①温まったフライパンに油を加え、ピーマンを炒める
②ピーマンに火が通ったら、一度火を止め、キッチンペーパーで余分な油をふき取る
③(じゃがバター)じゃがいもが柔らかくなったら、湯からあげてザルで水切りし、バターを加える
④②に火をつけ、薄口醤油、みりんを加える
⑤少し炒めてからたらこを入れ、たらこの色が変化するまで炒める
⑥じゃがバターを加え、混ぜ合わせていく
⑦全体が混ざったら、火を止めて器に盛りつけて完成