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2021.06.26
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すぽとり週刊ニュースヘッドライン【2021年6月19日~6月25日】
すぽとり編集部

すぽとりと親和性の高い話題(スポーツ、スポーツニュートリション、食品・栄養、健康、生産分野ほか)について、1週間分の気になるニュース、研究動向などを厳選し、記事にまとめました(2021年6月19日~6月25日)。

 

【マグネシウムが筋肉量増大などに寄与か、マウス実験で可能性を示唆:6月21日】

海洋深層水関連商品の開発・販売を手掛ける「赤穂化成㈱(兵庫県赤穂市)」は、主成分がマグネシウムの「にがり」を用いたマウス実験を行い、代謝(エネルギー産生)と筋肉量の増大に相関がある可能性があることを突き止めた。

実験では、マグネシウムを主成分として構成される深層水由来の「にがり」を用い、細胞を培養する培養液中のマグネシウムを増やした時の筋管細胞から産生されるATPの量を測定した。ATPはエネルギー産生に大きな影響を及ぼし、マグネシウムはATPの産生に不可欠な物質とされている。実験の結果、「にがり」でマグネシウム濃度を増やすと、産生されるATP量が増えたことが確認された。また、筋肉形成の過程で、深層水由来の「にがり」を用いて細胞培養液中のマグネシウムを増やすと、筋管の形成度合いが高まる傾向が認められた。

研究を監修した河村循環器病クリニック 院長で健康スポーツ医の河村剛史氏は「筋肉トレーニングで筋肉(筋細胞・筋線維)が増えることは周知の通りだが、実は筋細胞が無限に増えるメカニズムは比較的最近まで解明されていなかった。今回の研究で、マグネシウム(にがり)が細胞レベルで筋細胞・筋繊維を増やすことが確認されたので、筋トレとマグネシウム摂取を組み合わせることで、より効果的な筋肉の形成が期待される。また、同時にマグネシウムはエネルギー産生も促進するので、運動パフォーマンス向上やダイエット効果も見込めるかもしれない」と、マグネシウムが持つ新たな機能性に期待感を示した。

 

【除毛すると運動パフォーマンス向上? 約6割が「実感」と回答 運動習慣者への体毛に関する意識調査:6月21日】

医療脱毛専門院「リゼクリニック(本部:東京都新宿区)」は、運動習慣のある人などの体毛に関する意識調査を実施。男女とも約6割が毛の処理による「パフォーマンスの向上」を実感していることがわかった。

「日ごろ体毛を処理しているか」の質問に対して、「している」と回答したのは女性で 85.1%(20歳代:84.6%、30歳代:93.6%、40歳代:77.3%)、男性で 47.8%(20歳代:59.1%、30歳代:47.3%、40歳代:37.3%)だったが、運動習慣のある人に限っては女性で90.7%、男性で60.7%に上った。

さらに、運動習慣があり、体毛を処理している人に対象を絞って「体毛の処理をすることで、運動(スポーツ)のパフォーマンスが向上すると思うか」と質問したところ、女性で 66.6%、男性で65.7%と、男女とも約半数以上が実感を得ていた。

なお、除毛と運動能力の向上については科学的に証明されているものではない。今後具体的な研究が進むのかどうか、成果が待たれるところだ。本調査期間は6月1~2日、20~40歳代男女660名が回答。

 

【引き続き右肩上がりに伸長、当分続くプロテイン王朝 乳たんぱく市場予測:6月23日】

市場調査レポートプロバイダー「Report Ocean(レポートオーシャン)」は、2021~2027年のミルクプロテインコンセントレート(MPC:濃縮乳たんぱく)市場が年平均で5.3%の成長率を示すと予測した。2019年におけるMPCの市場規模は30億9000万ドル(約3435億5000万円)で、2027年には39億2360万ドル(4349億6000万円)に達すると見込まれている。

MPC市場伸長は、健康的な食生活へのシフトによるたんぱく質摂取量の増加、栄養食品の需要急増に起因している。中でも、プロテインサプリメント、プロテイン強化食品、RTD(レディトゥドリンク:加工済み飲料)ミルクシェイク、機能性食品など多種多様な商品に採用されることで、堅調な需要を下支えしている。

地域別では、2019年は北米(米国、カナダ、メキシコ)が最も収益貢献度が高く、金額シェアも最も高く、消費量では米国がトップだった。2027年までこの傾向は続くと予想される。一方、アジア太平洋(中国、インド、日本、オーストラリア、その他のアジア太平洋)、LAMEA(ラテンアメリカ、中東、アフリカ)は市場規模こそ発展途上だが、2027年までに年平均6.9%の成長率を示すと予想されている。

 

【乳由来βラクトペプチド摂取で脳血流改善効果を解明、ホエイペプチドでは世界初 キリン中央研究所・東北大学:6月25日】

キリンホールディングス㈱のキリン中央研究所は、東北大学加齢医学研究所教・川島隆太博士指導の下、乳由来の成分「βラクトペプチド」の一つ「GTWYペプチド(グリシン、トレオニン、トリプトファン、チロシンと4つのアミノ酸が配列されたテトラペプチド)」が、加齢に伴い低下する前頭前野の脳血流を改善することを世界で初めて臨床試験で確認した。
これまで日本人を対象とした疫学研究で、牛乳や乳製品の摂取が認知症や認知機能低下のリスクを低減すると報告されており、同社はカマンベールチーズなどの発酵乳製品に多く含まれるβラクトペプチドに認知機能改善効果があることをすでに発見している。また、GTWYペプチドに記憶力および注意力の改善効果があることを臨床試験で確認している。ただ、効果メカニズムについては明らかにされておらず、同社は脳血流に着目して、加齢に伴う認知機能低下は脳血流の量が低下することでひき起こされると考え、GTWYペプチドには脳血流の量を増加させる働きがあると仮説を立て、研究を実施した。

<試験方法>
① 45歳から64歳の健常な男女50名を対象に、GTWYペプチド摂取群とプラセボ摂取群を無作為に割りつけた二重盲検化試験を行い、摂取0週目、6週目に認知機能課題実施中の脳血流量を測定器(光トポグラフィー:写真)で測定。
② 50歳から75歳の健常な男女114名を対象に、GTWYペプチド摂取群とプラセボ摂取群を無作為に割りつけた二重盲検化試験を行い、摂取6週目に認知機能課題実施中の脳血流量を光トポグラフィーで測定。

<試験結果>
① GTWYペプチド摂取群では、摂取6週目の認知機能課題中の背外側前頭前野の脳血流量が摂取0週目からの変化で、プラセボ摂取群と比較して統計学的に有意に高まることを確認した(図1)
② 光トポグラフィーを用いた試験でも、GTWYペプチドの6週間の摂取により、GTWYペプチド摂取群では背外側前頭前野の脳血流量がプラセボ摂取群と比較して
有意に高いことを確認した(図2)

川島博士は研究成果を受け、「脳の血流を改善することは、認知機能を維持していく上で非常に重要な要素の一つ。今回の臨床試験により、βラクトペプチドが脳血流を改善し、記憶力や集中力を高めるメカニズムの一端が明らかになった。超高齢化社会の中で、認知機能維持のために食習慣の果たす役割は、今後ますます大きくなっていくと考えられる」とコメント。研究がさらに進み、脳の健康サポートがより身近な社会となることを期待していると述べた。

キリングループは、気持ちの変化や悩みは脳の働きと密接に結びついていることに着目し、ヘルスサイエンス領域を中心に「脳の健康」を守ることを目的とした「キリン脳研究」を進めている。

【短鎖脂肪酸(酢酸)内包の大腸送達性製剤による便通改善など確認 森下仁丹:6月25日】

医薬品製造「森下仁丹㈱(大阪市)」は、自社で開発した「短鎖脂肪酸(酢酸)を内包した大腸送達性製剤」摂取について、便通改善、食後血糖値抑制作用がヒト試験で認められたことを発表した。

腸内細菌の代謝物の一つである短鎖脂肪酸(酢酸)の健康効果についてはこれまで、腸内環境改善作用、コレステロール合成抑制作用、ミネラルの吸収促進作用など、宿主に対し有益な生理機能があることが報告されている。短鎖脂肪酸は胃や小腸で容易に吸収されるため、経口で摂取しても大腸には到達せず、大腸において期待される有益な作用を宿主が十分に得られないと考えられている。同社では、大腸送達性(作用性がしないまま大腸まで届く)が確認された新たなカプセルに短鎖脂肪酸(酢酸)を内包した大腸送達性製剤(以下、短鎖脂肪酸カプセル)を作製し、その有用性を評価した。

<便通改善>
短鎖脂肪酸カプセル(1日5粒、酢酸約17mg)、プラセボカプセルをそれぞれ2週間摂取し、排便日誌(形、色、臭い、感覚など)を記入してもらったところ、便秘傾向者(12名)において、短鎖脂肪酸カプセル摂取前後で、排便回数の有意な増加が認められた。また、便臭については、便秘傾向者および健常者の両被験者において、短鎖脂肪酸カプセル摂取期間中の方が、プラセボカプセル摂取期間中に比べ「便臭が弱い」と回答した被験者が多くみられた(約75%が「便臭が弱い」傾向)。さらに、便の性状として便が硬めの人も便が柔らかめの人も、バナナ状に近づくことが確認され、便性状の改善も期待できる可能性がある。

<食後血糖値>
健常者8名に対し、短鎖脂肪酸カプセル(1日5粒、酢酸約17mg)、プラセボカプセルをそれぞれ摂取し、摂取1日目、5日目の昼食後の食後血糖値を測定したところ、プラセボカプセル摂取時と比較して、短鎖脂肪酸カプセル摂取時の食後血糖値は低い値を示すことが確認された。

同社は口中清涼剤「仁丹(医薬部外品)」の製造元として知られるが、サプリメントの製造・販売、サプリ原料の開発・研究を手掛けている。さらに、仁丹の製造ノウハウから着想を得て独自開発した「シームレスカプセル(継ぎ目のない真球カプセル)技術」も各業界で高く評価され、活用されている。