これまで、たんぱく質、ビタミンDと丈夫な体や骨をつくるための栄養についてお伝えしてきました。
今回はビタミンDと並んで、子どもも大人も不足しがちな「鉄」についてのお話です。
成長期の子どもにとっての鉄の重要性や、効率よく摂るコツについて、一緒に見ていきましょう。
鉄ってどんな栄養素?

鉄はミネラルの一種で、赤血球の中にあるヘモグロビンや、筋肉の中のミオグロビンというたんぱく質をつくる材料になります。
ヘモグロビンは体のすみずみまで酸素を届け、ミオグロビンは筋肉や心臓を動かす際に酸素を届ける働きをします。
特に子どもは、成長に伴って血液量が増加することや、激しい運動によって汗と一緒に鉄が流れ出たり、体にかかる衝撃によって体内の赤血球が壊れてしまったりすることから、鉄を多く必要とします。
鉄が足りなくなると貧血になるおそれがあり、症状としてはめまい、立ちくらみ、動機、やる気や食欲の低下、頭痛などが起こります。
これらを予防するために毎日の食事の中でしっかり摂りたいですね。
<鉄不足!? こんな症状には要注意>
・疲れやすい
・顔色が悪い
・集中力が続かない
・食欲がない
・風邪をひきやすい
子どもの元気がない様子が続いたり、体調をくずしやすいと感じたりする場合は、鉄不足が関係していることもあります。鉄は血液をつくる大切な栄養素です。特に、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの材料になります。
また、鉄は免疫機能にも関わっており、不足すると風邪をひきやすくなることもあります。体の内側から元気を支える大切な栄養素です。日々の食事を見直し、鉄を多く含む食材を少しずつ取り入れてみましょう。
鉄を多く含む食品とは?

食品に含まれる鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。
「ヘム鉄」は肉や魚などの動物性食品に含まれ、「非ヘム鉄」は野菜や大豆製品などの植物性食品に含まれます。
食品の中にはどれくらいの鉄が含まれているのでしょうか。鉄を多く含む主な食品をまとめました。
| 食品 | 一般的な量 | 鉄含有量 |
| 豚レバー | 25g | 3.3mg |
| しじみ | 約10粒(35g) | 2.8mg |
| カツオ | 50g | 1.0mg |
| 牛赤身肉 | 50g | 0.8~1.4mg |
| 卵 | 1個(約50g) | 0.8mg |
| 食品 | 一般的な量 | 鉄含有量 |
| 小松菜 | 1/2株(50g) | 1.4mg |
| 納豆 | 1パック(40g) | 1.3mg |
| 豆乳 | 100ml | 1.2mg |
| 青のり | ひとつまみ(1g) | 0.8㎎ |
| 枝豆 | 10鞘(25g) | 0.7mg |
| 炒りごま | 小さじ1(3g) | 0.3mg |
| きな粉 | 小さじ2(4.5g) | 0.3mg |
| レーズン | 約20粒(10g) | 0.3mg |
| しめじ | 1/2パック(約50g) | 0.2mg |
<鉄を効率よく摂るためのコツ>
鉄の体への吸収率は、ヘム鉄のほうが高く、非ヘム鉄の約5倍といわれています。
ですが、吸収率の高いヘム鉄でも摂取量の10~20%程度しか体に吸収されません。鉄を効率よく体に取り入れるためには、吸収を助ける工夫が必要です。
ポイント① 動物性のたんぱく質や、ビタミンC・クエン酸・リンゴ酸などの果実酸を含む食品と組み合わせましょう。
特に、小松菜やほうれん草などの非ヘム鉄を含む食品には、卵や肉、魚などを一緒に組み合わせたり、ドレッシングに柑橘類やりんごを使用したり、デザートに果物を添えてみるのもいいでしょう。
ポイント② 吸収を阻害する「タンニン」を避けましょう。
緑茶や紅茶、コーヒーに含まれるタンニンは、特に非ヘム鉄の吸収を阻害するといわれています。そのため、食事の時間は麦茶や水を飲むようにし、紅茶やコーヒーは食事と時間をずらして飲むとよいでしょう。
一日に必要な鉄の量は?
厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、幼児期・学童期の子どもの一日の鉄の摂取目安量は以下のとおりです。

日本人の食事摂取基準(2025年版)
成長期のからだは筋肉や血液をつくるために鉄が多く必要になるので、できれば毎食一品、鉄を含む食品を献立に取り入れたいところです。
毎食そろえるのが難しい場合は、「朝食の牛乳に豆乳をプラスする」「いつもの食事に納豆や卵を一品プラスする」など、できることから取り入れてみましょう。
また、「朝のヨーグルトにきな粉を混ぜる」「ごはんにごまや青のりをふりかける」「サラダなどに使うのはごまドレッシングにする」など、今ある食事に少し足すだけでも鉄は補えます。
まとめ

鉄を多く含む食材は香りが強いものや食べにくいものもあり、子どもにとっては苦手な食材であることが多いかもしれません。
無理にたくさん食べさせようとせず、少しずつ美味しく楽しく食べられるよう、食材に触れる機会をつくることが大切です。
子どもたちの健やかな成長を願い、いろいろな食材をバランスよく組み合わせていきましょう。
























