料理家で世界を知るトライアスリートでもある高橋善郎さんのレシピ開発企画「二刀流の流儀」。
日ごろのトレーニングや大会出場時など高橋さんの体感を基に、どんな物が食べたいか、何を食べたらいいかを踏まえて、トライアスロンを構成する3種目、スイム・バイク・ランを愛する人たちに向けて、摂取するタイミングにも言及したスポーツフードを提案します。
練習前に準備して、練習後即リカバリ
2月に入り、体に刺さるような厳しい寒さが続いていますね。筋肉がこわばるこの時季は、アスリートにとって厄介な“ケガ”のリスクが高まるため、いつも以上にトレーニングで注意すべきことが多くあります。
トレーニング前の準備運動はもちろん、トレーニング後のダウンやリカバリーなどの時間を多めにとり、体への負担を極力減らしていきたいところ。
例えば私は、高強度のトレーニング後にいつもより長めのジョグを入れて心拍をゆっくりと元に戻したり、体温変化にいつも以上に気を配り、急激に体が冷えないようアウターで温度調節をするなどしています。加えて大切だと思うのは、体の内側からケアする、つまり食事でケアする要素です。
寒さの中でもエネルギー効率を高めたり、筋力アップを図ったりするような栄養の組み合わせを意識することで、体に疲労を残さないだけでなく、次回のトレーニングに向けての筋力の早期回復にもつなげることができます。
とはいえ、皆さんただでさえ忙しい中で時間を捻出してトレーニングに励んでいらっしゃるはず。食事が大切なのは分かるけど料理にそこまで手間をかけられない、そう思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな方にピッタリのレシピをご紹介します。トレーニング前にスイッチを押しておけば、終わる頃には最高の仕上がりになる超簡単&絶品アスリート飯。どのご家庭にもある「炊飯器」を使ったパスタです。
料理時間
35分
ブロッコリーのトマトパスタ
レシピ
【材料(2人分)】 | |
スパゲッティ(太さ1.6mm) | 140g |
むきえび | 10〜14尾 |
あさり(冷凍) | 100g(解凍した状態) |
ブロッコリー | 120g |
玉ねぎ | 1/4個 |
しめじ(カット済のもの) | 60g |
コーン缶(ホール) | 60g(汁気を切った状態) |
粉チーズ/ハーブ(お好みで)/オリーブオイル | 各適量 |
【A】 | |
水 | 200ml |
トマトの水煮(カットタイプ) | 1パック(350g) |
はちみつ/ケチャップ | 各大さじ2 |
チキンコンソメ(顆粒)/薄力粉 | 各大さじ1と1/2 |
おろしにんにく/カレー粉 | 各小さじ1 |
塩/粗びき黒こしょう | 各小さじ1/4 |
作り方
下準備
・ブロッコリー:小房に切り分ける。
・玉ねぎ:5mm幅に切る。
STEP:01
炊飯器の内釜に【A】を入れ、混ぜ合わせる。具材(スパゲッティは半分に折っておく)を加え、全体を混ぜ合わせたら早炊きモードで炊く(早炊きがなければ通常モードで)。
STEP:02
炊き上がったら、混ぜ合わせて器に盛りつける。お好みで粉チーズ、オリーブオイルをかけてハーブを添える。
【ポイント】
・炊飯器で作ることで余分な手間もいらず食材の旨みがぎゅっと染み込んだスパゲッティに。はちみつの優しい甘さは魚介類とも好相性。
・カレー風味にすることで大人はもちろん、子供も食べやすい味付けに。お好みでローズマリーや刻んだバジルなどを入れてハーブ煮にしても◎
・適度な脂質は良質なエネルギー源になるのでオリーブオイルやアマニオイルなどお好きな油を仕上げにかけるのがおすすめ。
・今回は、5.5合炊きマイコンジャー炊飯器を使用いたしました。お手持ちの炊飯器をご確認のうえ、調理をお願いいたします。
このレシピの魅力は、何といっても材料を釜の中に入れてスイッチを押すだけという超簡単なところ。
パスタはカーボローディングにもよく好まれて使われますし、このレシピをベースにお好みで具材を変えたり、スパイスを足してよりエスニックにしてみたりとレパートリーが広がります。
また、今回仕上げにも使用している粉チーズやオリーブオイルに含まれる脂質はエネルギーに変化し、トレーニング中の脂肪燃焼効率を高めるほか、ビタミンの吸収率を高めてくれます。
ダイエッターやアスリートにとって脂質は何かと敬遠されがちですが、摂取する量に注意してうまく使えばむしろ運動効率を高める強い味方です。
寒さで体の抵抗力が下がるこの時期、継続できそうな手軽な方法で食事を通した強い体づくりにも取り組んでいきたいところです。暖かい春に向けて、皆で着実に体のテンションを上げていきましょう!