皆さんは「食」に興味はありますか?また、どのくらい関心をお持ちでしょうか。

「食」の漢字は、「人」を「良」くすると書きます。つまり、「食」は心身にとっていいものであるべきなのです。食べ物を食べ、栄養を摂るということは生きていく上で欠かせないものですが、「食」に関することをどのように選択するのかで私たちの身体は変化していきます。ですが、赤ちゃんから高齢者まで同じ食事内容で良いとはいえません。

では、食とどのようにつき合っていけばいいのか。今回は乳児期~学童期の子どもについて解説していきます。

食育って何を指す?

「食育」という言葉を耳にしたことがあるという方は多いと思います。

食育を示すものに「食育基本法」がありますが、その中にもこれといった定義はありません。食事をすることによって栄養やエネルギーを得て生きている私たちが、心身ともにより健やかに生きていくために学んでいくことが「食育」とされています。何かに限定せず、広い視野で「食」を考えることが、これからの私たちを豊かにしてくれる大切な要素となります。

身の回りにある食育

では、食育を具体的に考えていきましょう。

「栄養に関する知識を身につける」「料理をする」はもちろんですが、「みんなで食事を楽しむ」「野菜の栽培や家畜の飼育について知る」「食材が家庭に届くまでの流通を学ぶ」「食べ物を無駄にしない」――これらすべてが「食育」です。輸出入まで考えれば、さらに範囲は広がります。

また、マナーやさまざまな食文化を学び、気持ち良く楽しく食事をすることも食育には欠かせません。さらに、近年は異常気象が多く、食材の生産なども安定しないといった情報も多く耳にするようになりました。私たちが暮らす地球の環境を考えることも、「食」にとっては大きな課題であり、社会で取り組まなければならない食育の一つです。

年代ごとに異なる食育(乳幼児期)

「心身ともに健やかに生きていくための食育」とお伝えしましたが、身体の変化とともに意識や食べるものが変わるため、どのように健やかさを保つかは年代ごとに異なります。では、どのような食育を意識するといいのかをみていきましょう。

乳幼児期のさまざまな食事にかかわる経験が一生涯の基礎になる、非常に重要な時期です。そして、スキンシップが欠かせません。

生後0~4カ月頃は、体重が生まれた時の2倍になるなど、一生の中で最も成長スピードが速い時期です。この時期はお腹が空き、母乳やミルクを飲みたいときに飲みたいだけ、ゆったりと飲ませてあげましょう。

生後5~6カ月頃になると離乳食が始まり、母乳やミルク以外の食べものを少しずつ経験していく時期です。赤ちゃんの様子を見ながら、無理のないように離乳食をステップアップしましょう。

幼児期は心身ともに発育・発達が進み、言葉も理解できるようになってきます。自我も芽生えるため、食べ物の「好き嫌い」が表れたり、遊び食べで苦労されたりする方も多いのではないでしょうか。

この頃は心の発達も非常に重要であるため、目をしっかりと見て、できないことを叱るのではなく、できたことを精一杯褒めて、食事に対するいいイメージを作ることが大切です。

年代ごとに異なる食育(学童期)

小学校低学年では、大人の言うことを守る中で、善悪についての理解と判断ができるようになります。食事マナーや約束事をしっかりと身につけることが集団や社会のルールを守ることにつながります。

また、言語能力や認識力も高まり、自然等への関心が増える時期でもあるため、積極的に自然の中で過ごす経験をすることで、感受性豊かな心が育まれます。

小学校高学年では、発達の個人差が顕著になってくるため、自他を尊重することや周りの人への思いやりを育みたい時期です。食事の時間を通してコミュニケーションをとるようにしましょう。

インターネットなど体験できるプラットフォームが増えてくる時期でもあるため、栽培・流通などを通して体験活動や社会への興味・関心を持つきっかけを作りましょう。

学童期は、乳幼児期に比べて自分で判断してできることが増えてくるため、朝食の欠食も次第に増えていきます。健やかに成長するためにも、1日3食の習慣を確立しましょう。

まとめ

「食育」は、心と体を育むために幼児期からおこなうことが必須となってきます。強要したり、神経質になったりする必要はなく、子どもと楽しく食事をすることが大切です。

親御さんから教わった「食育」は、子どもの代から孫の代へと語り継がれていくことでしょう。ご自身やお子さん、そして自分の周りの方の健康にも繋げていけたらいいですね。

今回は乳幼児期~学童期間での食育を紹介しました。次回は、青年期~高齢期の大人編についてお送りいたします。

㈱ミールケア 食育開発部