同志社女子大学・今井具子教授らの研究チームは、151ヵ国を対象とした国際比較研究によって和食がSDGs達成に貢献することを明らかにした。研究成果は、Nutrition Journalに掲載されている。

研究チームは、2019年に健康的な和食を表す「和食スコア(Traditional Japanese Diet Score; TJDS)」を開発。和食が肥満、虚血性心疾患、うつ、乳がん発症率や、全死亡率などが抑制し、健康寿命の延伸に貢献する可能性があることをすでに報告している。

※伝統的な和食で多く利用される食品「米」「魚」「大豆」「野菜」「卵」の需給量を国別に多い順に3群に分け、「1」「0」「-1」で評価。和食では利用することの少ない「小麦」「乳製品」「赤肉(畜肉)」は需給量が少ない順に3群に分け、「1」「0」「-1」で評価。合計点を和食スコアとして表す。

今回の研究では、1)食糧供給による土地利用面積、2)温室効果ガス排出量、3)酸性化物質排出量、4)富栄養化物質排出量、5)水ストレスを加味した水利用量(食料生産のための取水による水不足ほか)、6)淡水利用量のSDGsで掲げられる関連項目について、人口100万人以上の世界151ヵ国を比較した。

2010年のデータを使った解析では、和食スコアが高い国ほど、1)~5)は少なく、6)のみ多くなっており、2010~2020年のデータを用いた解析でも同様の傾向がみられた。研究結果から、日本人の伝統的な食事パターンが、6)を除く5項目の環境指標を低減させることが明らかになり、和食が世界規模でSDGs達成に貢献する可能性を示した。

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編集部