料理家で世界を知るトライアスリートでもある高橋善郎さんのレシピ開発企画「二刀流の流儀」。
日ごろのトレーニングや大会出場時など高橋さんの体感を基に、どんな物が食べたいか、何を食べたらいいかを踏まえて、トライアスロンを構成する3種目、スイム・バイク・ランを愛する人たちに向けて、摂取するタイミングにも言及したスポーツフードを提案します。
ジュニアのプロテイン、使い方を考える
管理栄養士の資格取得のため、4月から専門学校に入学してはや1カ月。30歳代半ばを迎えての入学のため、当初は馴染めるか、勉強についていけるかなど不安はありましたが、お陰様で生徒のみなさんや先生方との関係も良好。
一般教養も学びつつのため、専門的な勉強は少し先になりますが、基本のキも確認しながら学んでおり、刺激的な毎日を過ごしています。また、学業の傍ら、家族の時間や店舗経営、料理研究家の仕事、そして自分自身のトレーニングも疎かにしないように取り組んでいきたいと公私ともにますます燃えています。
さて、今回のコラムもジュニア向けの食事を絡めた内容をご紹介します。具体的には「運動前」を意識してどのような飲み物、食べ物を摂るべきかを私なりに書いてみました。
そもそもジュニアの定義も考え方次第ですが、ここでは「6〜15歳」と少し幅広く括っていきます。身長が伸びたり体重が増えたりする成長期にはバランスの良い食事が必要なのは言うまでもありませんが、親としてはしっかり毎日のご飯を用意してあげたい一方、子育てや仕事、周囲の環境によってそれが難しいのもまた事実。
そういった時、運動前であれば「ジュニア向けプロテイン」をうまく活用するのも一つの手かもしれません。プロテインは大人が飲む物と思われがちですが、今はたくさんのメーカーがジュニア向けプロテインを発売しており、なかなかのラインナップが揃っています。
プロテインといえば、タンパク質が豊富というイメージですが、タンパク質をはじめ成長期に欠かせないカルシウムやビタミン類、マグネシウムなどバランスよく含まれているものも多いのが特徴で、食事のバランスを整える、また補うのにはぴったり。
そして、飲むタイミングについては「運動する1時間前あたり」がおすすめ。合わせて気をつけたいこととしては「食事とプロテインを摂るタイミングを分ける」こと。合わせても問題ないといえば問題ないのですが、一度に摂取できる栄養素も限られているので別々に分けて摂取することで吸収率を高めることができ、またパフォーマンスも上がりやすくなります。例えばですが、可能であれば運動する2時間前くらいに食事を済ませ、1時間前くらいにプロテインで補給(もしくはその逆もあり)というイメージでしょうか。
また、プロテインを飲む際、より美味しく飲むため牛乳が推奨されることが多いですが、牛乳が合わない、少しお腹を下しやすい子にはソイプロテインという手もありです。主原料が大豆で乳糖を含んでいないため、前述のリスクも軽減できますし、そもそもプロテインを飲むことで運動前の脱水状態を回避できて運動後の回復が早まり、けいれんなどのリスクを抑えられるという良い効果も。
ですので、お子さまの年齢に合わせて必要としている1日の栄養バランスを理解し、さらにホエイなのかソイなのか、またフレーバーをどうするかを検討してみるのが良いかもしれません。そうすることで、本来食事で摂るべき栄養素とのバランスも取りやすくなり、食事を作る負担軽減につながるかと思います。
今回は運動前のタイミングにおすすめのアスリート飯「エビと新じゃがいもの塩レモン炒め」をご紹介します。
料理時間
20分
エビと新じゃがいもの塩レモン炒め
レシピ
【材料(4人分)】 | |
むきエビ(背わたなど処理済みのもの) | 解凍した状態で150g |
新じゃがいも | 小2個(150g) |
スナップエンドウ | 8本 |
パセリ(みじん切り) | 約小さじ1〜小さじ2 |
オリーブオイル | 小さじ1 |
【A】 | |
玉ねぎ(みじん切り):1/8個 | むいた状態で50g分 |
レモン汁 | 大さじ1 |
マヨネーズ | 小さじ2 |
すりおろしにんにく/顆粒チキンコンソメ/しょうゆ/オリーブオイル | 各小さじ1 |
片栗粉 | 小さじ1/2 |
塩こしょう | 少々 |
作り方
STEP:01
ボウルにむきエビ、【A】を入れる。軽くもみ込んだら冷蔵庫で10分ほど置く。
STEP:02
新じゃがいもは乱切りにする(あれば芽の部分を取り除く)。耐熱皿に入れ、ラップをかけ、600Wの電子レンジで3分ほど加熱する。スナップエンドウは筋を取り除く。
STEP:03
温めたフライパンにオリーブオイルをひき、新じゃがいもを入れ、中火前後で1〜2分炒める。1、スナップエンドウを加え、中火〜強火で2〜3分炒める。器に盛り付け、パセリをちらす。
【ポイント】
・エビは調味料とからめて短時間でも置くことで調味料全体にエビの風味も行き渡り、味全体もまとまった仕上がりになります。
・エビをメインに活用しましたが、サーモンやホタテなど他の魚介類で代用しても美味しいです。
・新じゃがいもがない時期は普通のじゃがいもで代用しても美味しいです。その場合、電子レンジで加熱する時間を1〜2分伸ばしていただくと火の通りも良くなります。
子どもから大人まで人気の高いエビ。エビは良質な動物性タンパク質が豊富な食材です。食感も良く食べ応えがあるので、食べ過ぎ防止にもなります。
また、低脂肪のため、食べた後に極端に胃がもたれるなどの心配もなく、鉄やカルシウム、亜鉛などのミネラル類も豊富なので体の機能の調整にも一役買ってくれるんです。
今回はさっぱりと香る塩レモン味に仕上げたことで、塩分控えめでも美味しく、レモンのクエン酸効果でつり予防にも繋がるので運動前に食べれば気分も上がる一品に。
今日ご紹介した飲み物、食べ物の組み合わせはほんの一例に過ぎませんが、アスリート、そして取り巻く環境などを考慮した上で自分なりのベストを見つけていただければと思います。