子どもの成長にはバランスの取れた食事が大切ですが、その中でも「たんぱく質」は、骨や筋肉を成長させるのに重要な役割を果たす栄養素の一つです。
特に幼児期や学童期は、体も心も大きく成長する時期。しっかり運動や勉強を行うためにも、毎日の食事で十分なたんぱく質を摂ることが必要です。
今回は、子どもの成長とたんぱく質の関係や日々の食事にどう取り入れるかについてお話しします。
たんぱく質ってどうして必要なの?

たんぱく質は、筋肉・骨・血液・皮膚・髪の毛など、体をつくるために欠かせない栄養素です。食べ物から摂ったたんぱく質は、消化されてアミノ酸に分解され、小腸から体内に吸収されます。そして、血液によって全身に運ばれ、体をつくる材料になるほか、ホルモンや免疫細胞の材料としても使われます。
学童期は、幼児期に比べて骨密度が増加し、筋肉量も徐々に増えていく時期です。特に小学校高学年になると、1年間で5〜7cmほど身長が伸びることもあり、体の成長が活発になります。また、筋肉も発達し、運動能力が向上しやすくなるため、スポーツや体を動かす遊びに積極的に取り組む子どもも増えてきます。そんな時期にたんぱく質が足りていないと、成長に必要な材料が足りず、発育に影響が出ることもあります。
また、たんぱく質が不足すると体の機能が低下して、転びやすくなり、骨折につながる可能性も高くなります。疲れやすくなり、学校での勉強やスポーツのパフォーマンスが落ちてしまうこともあるので、日々の食事からたんぱく質をしっかりと摂りましょう。
どんな食材に含まれているの?

たんぱく質は「動物性」と「植物性」の大きく2つに分けられます。それぞれに異なる特徴があるので、どちらかに偏ることなくバランスよく取り入れたいですね。
① 動物性たんぱく質
・肉類(鶏、豚、牛、ハムなどの加工品)
・魚介類(魚、小魚、貝、ねり製品など)
・卵類(鶏卵、うずら卵など)
・牛乳・乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)
植物性のたんぱく質よりも体に吸収されやすいという特徴があります。また、筋肉の成長に欠かせない必須アミノ酸が豊富に含まれているのが動物性のたんぱく質です。必須アミノ酸は体内でつくることができないため、日々の食事に取り入れて摂取したい栄養素です。
また、肉や魚にはビタミンB6が多く含まれており、たんぱく質を効率よくエネルギーや筋肉の材料に変える手助けをしてくれます。さらに、青魚(いわし、あじ、さばなど)にはDHA・EPAなどが含まれていて、脳の発達にも良いので、勉強に集中したい子どもにもおすすめです。
②植物性たんぱく質
・大豆、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳、味噌など)
植物性の食材は、食物繊維やビタミンを多く含んでいるのが特徴です。植物性のたんぱく質に代表される大豆は「畑の肉」とも呼ばれるほど良質なたんぱく質を含んでいます。
そのまま飲むことができる豆乳だけでなく、大豆製品の納豆や豆腐はそのまま食べたり野菜に和えたり、納豆巻きや豆腐ドーナツなど、朝食やおやつにも取り入れやすいですよ。
動物性と植物性の両方のいいところを取り入れられるように、どちらかに偏るのではなく、1:1のバランスで摂れるのが理想的です。
一日に必要なたんぱく質はどれくらい?
子どもが一日に必要なたんぱく質の量は、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で示されています。表は、それぞれの年齢において摂ってほしいたんぱく質の量を示したものです。

日本人の食事摂取基準(2025年版)
それでは、食品の中にはどのくらいのたんぱく質が含まれているのでしょうか。身近な食材でみてみましょう。
・納豆:40g(1パック) → 6.6g
・豆腐:50g(1/3丁) → 3.3g
・紅鮭:50g(1/2切れ) → 11g
・牛乳:100ml(一般的なコップ3/4程度) → 3.5g
・卵:50g(1個) → 6g
・皮付き鶏もも肉:50g → 13g
これらを一日にすべて食べると、たんぱく質量が43gほどになります。例えば、朝食に納豆と卵、昼食に鶏肉、間食で牛乳、夕食に鮭と豆腐、というように一日の食事に分けて食べることで、無理なくたんぱく質を摂取することができます。毎食、たんぱく質が含まれた食品を1品、食事に取り入れられると良いですね。
摂り過ぎには気をつけましょう。
成長に欠かせないたんぱく質ですが、摂り過ぎは注意が必要です。過剰に摂取すると腎臓に負担をかけたり、水分不足を招いたりすることがあります。
また、肉や魚などの動物性たんぱく質に偏ると、脂質や塩分の摂り過ぎから、肥満などを引き起こす可能性も高くなります。さらに、たんぱく質は食物アレルギーの原因となることも多く、卵・乳・大豆・魚など、日常的に使う食材でも体質によっては反応が出ることがあるため、食材に偏ることなく、適量を心がけましょう。
まとめ

子どもにとって、たんぱく質は成長に欠かせない栄養素の一つで、身近な食材から簡単に摂ることができます。
肉や魚だけではなく、大豆製品や牛乳、乳製品などいろいろな種類をバランスよく上手に取り入れて、健体で元気な体をつくるサポートしましょう。























