「季節感(食材の旬)」「好相性の食材を組み合わせて相乗効果を図る」「強化目的」――3点を踏まえたスポーツ食を提案する「スポーツ食マッチング」。第9回目は夏の食材を使用した「疲労対策編②」です。

本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、森田紀子さん(4回生)が担当しました。

Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、スポーツ習慣のある成人の方などにもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立になっています。

疲労対策に必要な栄養素は?

【ポイント】
運動後2時間以内に3:1(炭水化物:たんぱく質)で摂取

Z世代(成長期)のスポーツ選手にとって、試合やトレーニングで消費したエネルギーをできるだけ早く補充することが疲労の回復につながってくる。成人やスポーツをしていない人にとっても、日常生活の中でおこる肉体的な疲労や精神的な疲労を蓄積させないことにもなり、心身の健康に保つことになる。

特にスポーツ中の筋活動や、脳のエネルギー源として体内に貯蔵されているグリコーゲンの材料となる炭水化物と、筋肉やそのほか体の修復に使われるたんぱく質はしっかり摂る。

炭水化物とたんぱく質を運動後2時間以内に3:1の割合でとると効率良く、より早くグリコーゲンと体の回復ができるといわれている。さらに、クエン酸を一緒に摂ることでグリコーゲンの回復効率がさらに良くなることが分かっている。

トレーニングをたくさんした人、試合でエネルギーを多く消費するようなスポーツ選手、日常的にハードワークを行っている人、精神的な疲労が蓄積しやすい人は、摂取タイミングも考えて取って炭水化物とたんぱく質を組み合わせて摂取したい。

相乗効果が見込める食材の組み合わせ

疲労対策のために組み合わせたい食材は、ライ麦パンと、イチジク・梅・パイナップルなどの果物(今回はイチジク、パイナップルを採用)。

ライムギパンは炭水化物でありながら、運動で使ったエネルギーと同時に必要量が増えるビタミンB1も多く含んでいるので、とても使い勝手の良い食材。その他、玄米や胚芽米、全粉粒の小麦粉を使用した物も栄養成分の構成は似ているので、自分の体質に合わせて摂るようにしよう。

炭水化物、ビタミンB1と同時にパイナップル・イチジクに含まれるクエン酸をとることで、運動で使用したエネルギー源のグリコーゲンを素早く回復させることができる。

今回使用するチーズに含まれるたんぱく質もグリコーゲンの素早い回復に一役買う。クエン酸やビタミンB群が豊富なイチジクやパイナップルの旬は6~8月で、夏場に買いやすい食材なのでうまく組み合わせたい。

最適な摂取タイミング

運動後やエネルギーをたくさん使ってから2時間以内。この時間帯にグリコーゲンの回復が活発に行われるので、組み合わせとタイミングを考える。


料理時間
10

イチジクとパイナップルの生ハムピザ

レシピ

【材料(1人分)】
ライ麦パン67g(6枚切り1枚)
イチジク40g(イチジク1/2個)
パイナップル缶45g(1枚)
クルミ6g
生ハム10g
ピザ用チーズ25g
はちみつ14g
黒こしょう少々

作り方

下準備

・イチジク、パイナップル:好みの大きさに切る。
・クルミ:適度な大きさになるまで、袋に入れてたたく。

STEP:01

ライムギパンの上に、いちじく・パイナップル・クルミ・生ハム・チーズを乗せる。

STEP:02

トースターでチーズに焼き色がつくまで焼く。

STEP:03

 パンの上にはちみつ、黒こしょうをかける。

栄養量

神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ