料理家で世界を知るトライアスリートでもある高橋善郎さんのレシピ開発企画「二刀流の流儀」。
日ごろのトレーニングや大会出場時など高橋さんの体感を基に、どんな物が食べたいか、何を食べたらいいかを踏まえて、トライアスロンを構成する3種目、スイム・バイク・ランを愛する人たちに向けて、摂取するタイミングにも言及したスポーツフードを提案します。
スイム後に摂る食事のポイント
地域によっては梅雨も開けて夏もいよいよ本番に近づいてきました! 気温が上がってくるにつれて、外に出るのもおっくうになって運動する機会が減ってきますが、その中でもプールや海で泳ぐという頻度は高くなってくると思います。
泳ぐことで体や気持ちもリフレッシュできますし、高いエネルギー消費も期待できつつ、体への負担も少ないので体造りやダイエットを目的とした方にもおすすめ。
そして、せっかく泳ぐのであれば、泳ぐ機会と一緒にベストなタイミングで食事も摂って、その運動効果を高められたら一石二鳥ですよね。
前回は、泳ぐ前に摂った方がいいものということで簡単エナジー補給スムージーを紹介しましたが、今回は泳いだ後に積極的に摂りたいもの、そして避けた方がいいものにフォーカスを当ててみたいと思います。
では、泳ぐ前と後で摂るべきものがそんなに違うのか? 結論からいうと、何を摂ってもOKです。
なぜなら、この連載コラムでもよく出てくるワードですが、大前提として「目的」やその方の「体質」によって摂るべきものが変わってくるので、そこを明確にして組み立てることが何より大切。そこから栄養素について気にしてみたり、あとは季節に応じた旬の食材を取り入れて料理を楽しんだりする方が、僕個人の経験からも長続きする方法だと感じているからです。
そして、泳ぐことの目的については「疲労回復」「基礎体力や筋力アップ」「脂肪燃焼」などいろいろありますよね。他の運動と違って、水泳の良いところは泳ぐことで消費するエネルギーに加えて、筋肉も同時に鍛えることができるので、基礎代謝も高くなり、リバウンドしづらい体づくりにも最適なんです。
何より、長い距離が泳げなくても水にぷかぷかと浸かるだけでも疲労回復効果は期待できるので、今回は「疲労回復」という目的でそれに合う簡単レシピを紹介します!
料理時間
15分
オクラとほぐし鶏の冷製パスタ
レシピ
【材料(2人分)】 | |
パスタ(細麺タイプ) | 120g |
サラダチキン(プレーン) | 1枚(120g) |
オクラ | 8本 |
モッツァレラチーズ(ひとくちタイプ) | 10個 |
【A】 | |
オリーブオイル | 大さじ3 |
パセリ(粗みじん切り) | 大さじ1 |
レモン汁 / オイスターソース / しょうゆ | 各小さじ1 |
カレー粉 / おろしにんにく | 各小さじ1/2 |
塩 / 粗びき黒こしょう | 各少々 |
作り方
STEP:01
サラダチキンは手で粗くほぐす。ボウルに【A】を入れ、混ぜ合わせる。
STEP:02
鍋にたっぷりの水、塩(分量外:使用する水に対して3%量を目安に)を入れ、沸騰させる。パスタを製品の時間通りゆでる。ゆであがる1分前にオクラを入れ、一緒にゆでたらザルにあけて冷水でしめる。
STEP:03
オクラのがくを切り落とし、乱切りにする。【STEP:01】のボウルにほぐしたチキン、オクラ、水切りしたパスタ、モッツァレラチーズを入れ、しっかり和える。器に盛り付け、お好みでカットレモン(分量外:適量)を添える。
【ポイント】
・夏場は細い麺の方が食べやすいので細麺を使用していますが、太麺で代用いただいても大丈夫です。パセリはドライパセリで代用いただいても作れますが、生のパセリを使用することでより香りよく仕上がります。
・カレー粉と相性のいいオイスターソースを使用すると食べ応えもアップ!サラダチキンの代わりにソーセージやハムなどで代用いただいても美味しく仕上がります。
今回はパスタでも冷たいパスタ。水泳で火照った体を体内から冷やす役割もありますし、麺類なら暑くて食欲がない時でも食べやすいんです。また、鶏むね肉に含まれる「イミダゾールジペプチド」には疲労回復や抗酸化予防の効果が期待できるといわれています。
スーパーやコンビニで売られているサラダチキンは鶏むね肉を使っている場合が多いので、栄養も摂れて時短にもなるので忙しい方にも嬉しいですよね。そして、鶏むね肉のたんぱく質に加えて、良質な脂質も含むチーズも加えれば夏場におすすめのパスタの完成!
逆に泳いだ後に気をつけたいこととしては、上記のようなしっかりと食事でエネルギー補給をすること。水泳後につなぎでプロテインやジェル、スポーツドリンクを飲むのはもちろんOKですが、それだけで終わってしまうと十分な回復が見込めません。また、高カロリーな料理や糖質を多く含むデザート類を食べると、せっかく消費したエネルギー以上のカロリーを摂取してしまうので注意が必要です。
スポーツセンターだけでなく、学校でもプールを開放しているところは調べてみると意外にあったりします。このコロナ渦で運動不足になっている方も少なからずいらっしゃるかと思いますが、まずは「水中で浮かんでみる」くらいの気持ちで気軽に始めて、徐々に自分のやる気スイッチを入れてみてはいかがでしょうか?