「一般社団法人 日本リカバリー協会」とリカバリーをコンセプトにした商品を展開する「株式会社べネクス」は、ジュニア世代のリカバリー(休養・抗疲労)に関する調査結果を発表した。
この調査は、幼稚園児から高校生までの3000人超から集められたデータを分析したもので、中高生の約7割が日常的に疲労を抱えていることがわかった。
平日に十分な睡眠時間が確保できていない高校生世代


幼稚園児から高校生までの疲労状態(図1)は、年齢の上昇に伴い疲労度合が増加し、幼稚園児では69.5%が「元気」な状態を保っているのに対し、中学生では30.8%まで低下している。
また、何らかの疲労を感じている生徒は、幼稚園児では30.5%、中学生になると69.2%と倍増し、全世代で最も高い割合になった。高校生も65.8%が疲労感ありと回答している。
一般的に、疲労の回復と睡眠は相関があるとされているが、この調査から年齢を重ねていくごとに睡眠時間が減少している傾向にあることが示された(図2)。
幼稚園児では9時間以上の睡眠を取る子どもが74.7%を占め、特に10時間以上眠る子どもが40.8%と最も多くなっている。中学生で最も多いのが7~8時間で全体の37.8%、高校生になると6時間以上7時間未満が全体の36.6%を占める結果になった。
高校生では、7時間以上の睡眠を確保できているのが50.2%にとどまり、6時間以上7時間未満の睡眠が13.2%、6時間未満のいわゆる「短時間睡眠」も3.7%存在することから、十分な睡眠時間を確保できていない実態が明らかになった。一方、休日の睡眠時間は大きく改善されており、短時間睡眠の割合は4.4%と大幅に減少し、8~9時間睡眠の割合が35.8%と最も多くなった。
幼稚園児や小学生の睡眠パターンは平日と休日で大きな差は見られず、比較的安定した睡眠時間を確保できている。
中高生の睡眠時間短縮の要因「就寝時刻の後退化」

各年代の就寝時刻に関する調査(図3)では、幼稚園児から小学生の中学年の大半が21時台で就寝しており、十分な睡眠時間を確保できているといえる。
高学年になると21時台と22時台に二分され、中学生の47.4%は22時台の就寝、高校生の41.8%が23時台の就寝と、学年が上がるにつれて、就寝時間が後退している。
また、高校生では24時以降が全体の30.8%を占めており、7時間未満(十分な睡眠が取れていない)の高校生が存在する背景になっている。
休日になると、全体的に就寝時刻が後ろにシフトし、特に中高生では後退化が顕著になる。高校生では24時以降の就寝が39.4%(平日30.8%)まで増加し、特に25時以降の就寝が11.4%(平日6.8%)と大きく増加する。
ただ、起床時刻も遅くなるため、結果的に睡眠時間は平日より長くなり、8時間以上の睡眠を取る生徒が増加している。
〝スマホ時間〟は小学生の高学年から増加傾向

スマートフォン・携帯電話の使用時間(図4)も、学年が上がるにつれて大きく増加しており、幼稚園児でも36.3%が使用をしていることがわかった。
小学生になると、学年が上がるとともに使用時間が増加し、低学年が46.4%だったのに対し、高学年では76.7%まで割合が増加する。
中学生では、3時間以上の使用が19.4%、2時間以上が28.7%と全体の48.1%を占める結果になり、高校生では3時間以上使用する割合が41.4%まで上昇。ネット環境の発展に伴う消費コンテンツの増加により、スマートフォンの長時間利用が一般化している。
