取材の裏側を伝える「サクッと取材・編集メモ」です。編集長が取材を通じて感じたことや思ったことを、3分で読めるボリュームにまとめました。
子どものスポーツ学を専門にする中京大学・中野貴博教授の解説記事も合わせてご覧ください。
運動 #13|中野先生連載記事一覧|取材・編集メモ
運動と学力は「直結」しない。でも、無関係でもない
「運動をすると勉強もできるようになるの?」——本記事は、そんな素朴で切実な疑問に、データをもとに丁寧に向き合った内容でした。
大切なのは、「運動そのものが学力を直接押し上げるという単純な話ではない」という点です。一方で、体力の高い子どもほど、学力面でも良い傾向が見られるという事実は、親御さんにとって無視できない示唆なのではないでしょうか。
カギになるのは「行動様式」と「日常の積み重ね」
本記事で繰り返し示されていたのが、「体力や学力の背景にある行動様式」という考え方です。
決まった時間に取り組む力、最後までやり抜く力、仲間と協力する姿勢。こうした力は、運動の場面だけでなく、日常生活や学校での学びにも共通しています。
つまり、運動を通して身についた非認知的な力が、結果として学習面にも表れている可能性があるということを示していただきました。
目先の成果より、「将来につながる力」を育てる
中学3年生で体力と学力の関係が再び強まるという結果は、「これまでの積み重ねが、いざという時に子どもを支える」ことを示しているようにも感じられます。
運動は、勝ち負けや成績のためだけのものではありません。子どもが自分に自信を持ち、努力する経験を重ねていくための大切な機会です。
中野先生の研究とメッセージは、子どもの運動や学びを短期的な成果だけで判断せず、長い目で成長を支えることの大切さを、親御さんたちに静かに問いかけてくれているように思います。
本記事が、日々の子育ての中で「運動との向き合い方」を見つめ直す、ささやかなきっかけになれば幸いです。























