「季節感(旬の食材)」「相乗効果が期待できる好相性の食材を組み合わせる」「目的(強化・予防・対策など)」――この3点を踏まえた食を提案する「スポーツ食マッチング」。第2回は「骨強化編 ①」です。
本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、徳田優希さん(3回生)が担当しました。
Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。
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競技スポーツでは、身長が高い方が有利に働くものがあるため、Z世代(成長期)のスポーツ選手が骨を強化する食を意識することで、「身長を伸ばす」可能性を高めることにもなる。ただし、身長を伸ばす確かな方法は存在せず、科学的にも証明されていない。ここでは、一つの可能性として「骨の強化」を提案する。
中学、高校になると、練習量、トレーニングや相手との接触強度が増すため、骨折、疲労骨折の発症リスクが高まる。骨の強化を図ることでケガ予防にもつながる。40歳以上の女性、中高年になると、骨粗しょう症のリスクが高くなるため、日ごろから骨の材料、体内吸収を助ける食品を摂って将来に備えたい。
カルシウムは体内への吸収率が非常に低いため、吸収が高まるビタミンDを一緒に摂ると良い。体の中でカルシウムやたんぱく質を骨に合成する働きのあるビタミンKも不足することなく摂取しよう。
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骨強化のために組み合わせたい食材は、乳製品と小魚(今回はチーズとしらすの組み合わせ)。
乳製品は、小魚や海藻類に比べて体内への吸収率が高く、カルシウムが豊富。しらすやいかなごなどの小魚にはカルシウムの吸収を助けるビタミンDが多く含まれている上、カルシウムも多い。また、乳製品、小魚ともたんぱく質が多く、まさに好相性の組み合わせといえる。
この好相性の組み合わせを台なしにしてしまうNG食材は、生のほうれん草や大豆。ほうれん草にはシュウ酸、大豆にはフィチン酸と、いずれもカルシウムの吸収を阻害する成分が含まれている。シュウ酸、フィチン酸はいわゆる「あく」で、ゆでると取り除かれるため、あくの強い物はゆでて食べると良い。ただし、ゆで汁は調理に使用しないように。
成長ホルモンの分泌が高まる時間帯に摂取したいので、運動後や(睡眠前の)夕食がベスト。