料理家で世界を知るトライアスリートでもある高橋善郎さんのレシピ開発企画「二刀流の流儀」。
日ごろのトレーニングや大会出場時など高橋さんの体感を基に、どんな物が食べたいか、何を食べたらいいかを踏まえて、トライアスロンを構成する3種目、スイム・バイク・ランを愛する人たちに向けて、摂取するタイミングにも言及したスポーツフードを提案します。
今季2戦目のレース、直前にアクシデント…
あっという間に2023年も半分が過ぎてしまいましたね。経営している店もお盆休みの前後は家族連れが多く、そんなところからも夏だな〜と感じます。
天気によっては朝晩涼しさも感じられますが、まだまだ日中は暑く、熱中症にも気をつけたいところ。その暑さからついついエアコンが効いた部屋にいることが多くなりなりますが、その原因もあってか高橋家では順番に夏風邪をひいてしまいました…。熱中症以外でも体調を崩すこともあるのでこの時期の体調管理は意外にナイーブだったりしますよね。
そして、先月おこなわれた今季2戦目のトライアスロンレース「第2回 東京・海の森トライアスロン」が無事に終了しました。結果は総合54位、タイムは「2:30:26」と個人的には不甲斐ない結果に終わってしまいました。
結果に関係なく毎回感じることですが、大会運営に関わってくださっているみなさま、ボランティアのみなさまなど、多くの方々のおかげで開催できているので、いつも感謝しかありません。
今回の会場はお台場付近とアクセスが非常に良好だったため、応援に来られた方も多く、みなさまにかけていただいた大きな声援が本当に力になりました。ものすごく暑かったですから・・・。
レース自体は無事に終わったのですが、実は今回コンディションが万全ではありませんでした。レースの2日前に、店でスタッフとの連携ミスによってふくらはぎに火傷を負ってしまったんです。にぎり拳くらいの大きさで、翌日に病院に行き薬をもらったのですが、2日、ではなくほぼ1日しか中日がない状況。
当日は防水対策、テーピングを巻きましたが、やはり痛くて痛くて、なかなか本来のパフォーマンスが発揮できず。残念ではある一方、危機管理能力も向上したので、また次回以降に向けてトレーニングに励みます!
食事管理については1週間前からのカーボローディングを中心に、水分も毎日2リットル以上飲むように心がけていたので、そこに関しては概ね順調だったかと思います。ただ、水分を多く取っていたとはいえ、いつもより少し足がつりやすい印象だったのでレモンや梅干しなどクエン酸を多く含む食材を摂りました。
30歳半ばになってくると前までのルーティンを実践するだけでなく、体の状態に合わせて柔軟に変えていくことがパフォーマンス向上にもつながるんだと感じています。
そこで、今回は自分の経験も踏まえて、夏バテ防止効果もあり、トレーニングやレース後でもしっかりとリカバリーしてくれるアスリート飯をご紹介します。
料理時間
20分
焼きつくねとアボカドの梅照り焼き
レシピ
【材料(2人分)】 | |
豚ひき肉 | 200g |
アボカド | 1個 |
エリンギ | 中2本 |
ごま油 | 大さじ2 |
マヨネーズ/七味 | 各適量 |
【A】 | |
卵 | 1個 |
玉ねぎ(みじん切り) | 1/4個 |
しょうが(みじん切り) | 20g |
にんにく(みじん切り) | 10g |
大葉(みじん切り) | 10枚 |
片栗粉 | 大さじ1 |
塩、こしょう | 少々 |
【B】 | |
しょうゆ/みりん/酒 | 大さじ2 |
砂糖 | 大さじ1と1/2 |
梅肉 | 小さじ1 |
作り方
下準備
・アボカド:種と皮を取り除き、ひと口大に切る。
・エリンギ:石づきを切り落とし、ひと口大に切る。
STEP:01
ボウルに豚ひき肉と【A】を入れてこね、肉だねを作ったら、8等分にして小判型に成形する。
別のボウルに【B】を入れ、混ぜ合わせて、たれを作る。
STEP:02
温めたフライパンにごま油をひき、肉だねを入れ、両面に焼き色がつくまで中火前後で加熱する。
エリンギ、アボカドを加えて1分ほど炒めたら、たれを流し入れ、軽くとろみがつくまで煮からめる。
器に盛り付け、マヨネーズと七味を添える。
【ポイント】
・つくねにはコリコリした軟骨部分が入ることもありますが、今回は刻んだ野菜の食感を軟骨代わりに。
・梅肉入りの照り焼きたれは甘辛さに程よい酸味が加わって、がっつりさと、さっぱりさの両方が楽しめる仕上がりに。程よい酸味があることでお肉や野菜の香りがより楽しめます。
豚肉は疲労回復効果もあるビタミンB1・B2が豊富で、アスリートにとって欠かせないたんぱく質もたくさん含まれています。部位によって硬さや脂の多さは異なりますが、一般的な豚ひき肉は焼く・煮る・揚げる・蒸すなどどんな調理にも活用できる利便性があります。
また、くせもなく基本的には細びきのため、暑さが厳しく食欲がない時でも食べやすいので夏バテ防止の料理には積極的に活用してほしいところ。
アボカドは「美容・ダイエットに効果的」という印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、アスリートにとっては注目したい食材の一つ。こちらも豚肉同様、ビタミンB群が豊富で、さらに食物繊維と良質な脂質を含むため、アスリートにとって重要なエネルギー源にもなるんです。もちろんアボカドは生で食べられるため調理工程的には仕上げパートで入れるだけでOK。
梅肉は前述した通りクエン酸が豊富のため、つり防止にもなるだけでなく疲労物質である乳酸を分解してくれる役割もあるのでこちらもアスリート必見です。
そんな夏バテの時でも食べやすく、かつリカバリー要素のあるアスリート飯を食べることで体の調子が少しでもよくなってくれれば嬉しいなと思います。
次回は9月24日に開催される「2023千葉シティトライアスロン」にエントリーしています。今年最後のレースのため、この大会を目標にトレーニングだけでなく、食べるトレーニング(食べトレ)も合わせて頑張ります!