「季節感(食材の旬)」「好相性の食材を組み合わせて相乗効果を図る」「目的(強化・予防・対策など)」――3点を踏まえたスポーツ食を提案する「スポーツ食マッチング」。第3回目は「貧血予防編 ①」です。

本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、森田紀子さん(3回生)が担当しました。

Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。

貧血予防に必要な栄養素は?

【ポイント】
①鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄がある

②鉄とセットでビタミンCを摂取する

鉄は栄養素の中でもダントツに吸収率が低いといわれている。食べ物に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄がある。

ヘム鉄は、ヒレ肉やモモ肉などの赤身の肉、カツオやマグロなどの赤身の魚、貝、レバーに多く含まれ、比較的吸収率が高い(約20%)。非ヘム鉄は、ほうれん草などの野菜や豆類、ひじきなどの海藻類に多く含まれ、吸収率はそれほど高くない(約5%)。ビタミンCは、非ヘム鉄の吸収を助けてくれる。

血液中の鉄は有酸素運動のエネルギーを作るために必要で、特に有酸素トレーニングの機会が多いスポーツ選手や、集中力が必要な人は、不足しないように日ごろから摂取しておきたい。

相乗効果が見込める食材の組み合わせ

貧血予防のために組み合わせたい食材は、葉物野菜とじゃがいも(今回は菜の花とじゃがいもの組み合わせ)。

菜の花などの葉物野菜には、鉄が多く含まれているものの、吸収率の低い非ヘム鉄。ビタミンCが豊富に含まれているじゃがいもで吸収率の底上げを図る。ビタミンCは一般的に加熱すると働きが失われやすいとされるが、いも類に含まれるビタミンCはでんぷんに守られている分、加熱に強い。

新じゃがはこれからの季節(4~5月)に栄養価も高くなり、買いやすい。菜の花も同様。

組み合わせNGの食材はあぶら(脂、油)の多い物。揚げ物などたくさん油を使う調理方法もアウト。食事中、大量の水分を一緒に摂るのも、鉄の吸収を下げてしまう原因になる。

最適な摂取タイミング

成長ホルモンの分泌が高まる時間帯に摂取したいので、運動後(睡眠前の)夕食がベスト。


料理時間
10

じゃがいもと菜の花の炒め物 アーモンド添え

レシピ

【材料(2人分)】
菜の花60 g
じゃがいも160 g
豚モモ肉60 g
にんにく3g
濃口しょうゆ8g
塩・こしょう少々
アーモンド3.6 g

作り方

下準備

・じゃがいも:皮をよく洗う。水がついた状態で食品用ラップにくるみ、600Wの電子レンジで3分程度加熱。食べやすい大きさに切る。
・菜の花:3㎝長さに切る。
・豚モモ肉:長さを三等分にし、塩・こしょうで下味をつける。

STEP:01

フライパンにゴマ油半分を熱し、にんにくを炒める。

STEP:02

 豚肉を入れて炒める。火が通ったら一度取り出す。

STEP:03

 そのままのフライパンに残りのゴマ油を熱し、じゃがいも・菜の花を炒める。

STEP:04

菜の花がしんなりとしてきたら豚肉を戻し、濃口しょうゆを絡める。

お好みで、素焼きアーモンドを袋に入れて砕いたものを上からかける。

栄養量

神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ