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2021.03.25
食事・栄養学
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好相性の食材を組み合わせて貧血予防①(@Spring ver.) ~じゃがいも×菜の花~【スポーツ食マッチング #03】
神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ

「季節感(食材の旬)」「好相性の食材を組み合わせて相乗効果を図る」「目的(強化・予防・対策など)」――この3点を踏まえたスポーツ食を提案する「スポーツ食マッチング」。第3回目は「貧血予防編 ①」です。

本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、森田紀子さん(3回生)が担当しました。

Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。

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★貧血予防に必要な栄養素は?

*Point*
①鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄がある ②鉄とセットでビタミンCを摂取する

鉄は栄養素の中でもダントツに吸収率が低いといわれている。食べ物に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄がある。

ヘム鉄は、ヒレ肉やモモ肉などの赤身の肉、カツオやマグロなどの赤身の魚、貝、レバーに多く含まれ、比較的吸収率が高い(約20%)。非ヘム鉄は、ほうれん草などの野菜や豆類、ひじきなどの海藻類に多く含まれ、吸収率はそれほど高くない(約5%)。ビタミンCは、非ヘム鉄の吸収を助けてくれる。

血液中の鉄は有酸素運動のエネルギーを作るために必要で、特に有酸素トレーニングの機会が多いスポーツ選手や、集中力が必要な人は、不足しないように日ごろから摂取しておきたい。

★相乗効果が見込める食材の組み合わせ

貧血予防のために組み合わせたい食材は、葉物野菜とじゃがいも(今回は菜の花とじゃがいもの組み合わせ)。

菜の花などの葉物野菜には、鉄が多く含まれているものの、吸収率の低い非ヘム鉄。ビタミンCが豊富に含まれているじゃがいもで吸収率の底上げを図る。ビタミンCは一般的に加熱すると働きが失われやすいとされるが、いも類に含まれるビタミンCはでんぷんに守られている分、加熱に強い。

新じゃがはこれからの季節(4~5月)に栄養価も高くなり、買いやすい。菜の花も同様。

組み合わせNGの食材はあぶら(脂、油)の多い物。揚げ物などたくさん油を使う調理方法もアウト。食事中、大量の水分を一緒に摂るのも、鉄の吸収を下げてしまう原因になる。

★最適な摂取タイミング

就寝中に体の修復や血液の合成が高まるので、運動後や(睡眠前の)夕食がベスト。


◎じゃがいもと菜の花の炒め物 アーモンド添え

<材料(2人分)>
菜の花:60 g
じゃがいも:160 g
豚モモ肉:60 g
にんにく:3g
ゴマ油:12 g
濃口しょうゆ:8g
塩・こしょう:少々
アーモンド:3.6 g

<手順>
① じゃがいもは皮をよく洗う。水がついた状態で食品用ラップにくるみ、600Wの電子レンジで3分程度加熱する
② 菜の花:3㎝長さに切る 豚モモ肉:長さを三等分にし、塩・こしょうで下味をつける じゃがいも:食べやすい大きさに切る
③ フライパンにゴマ油半分を熱し、にんにくを炒める
④ 豚肉を入れて炒める。火が通ったら一度取り出す
⑤ そのままのフライパンに残りのゴマ油を熱し、じゃがいも・菜の花を炒める
⑥ 菜の花がしんなりとしてきたら豚肉を戻し、濃口しょうゆを絡めたら完成
※お好みで、素焼きアーモンドを袋に入れて砕いたものを上からかける

<レシピ作成&調理担当:森田 紀子 / Noriko Morita>

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神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ

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