料理家で世界を知るトライアスリートでもある高橋善郎さんのレシピ開発企画「二刀流の流儀」。

日ごろのトレーニングや大会出場時など高橋さんの体感を基に、どんな物が食べたいか、何を食べたらいいかを踏まえて、トライアスロンを構成する3種目、スイム・バイク・ランを愛する人たちに向けて、摂取するタイミングにも言及したスポーツフードを提案します。

走行(運動)中の補給食をどう考えるか?

2021年の初戦、横浜トライアスロンのレースまであと1カ月半を切りました。トレーニングも追い込み時期で、体も少しずつレース仕様に。

「あと1カ月半先にある大会に向けて、ベストな体の状態を持っていくためにどうするか」を日々考えながら、起床・睡眠・食事・運動・仕事の仕方とさまざまな面で工夫をこらしながら体作りに奮闘している方も多いはず。

前回のコラムでは「ランナーが走る前に食べたい物とは」について書きましたが、今回は「ラン&走行(運動)中の補給食」にフォーカスをあてていきたいと思います。

読者の皆さんも、トレーニングやエネルギーの効率を考えて、鉄板にしている補給食があるのではないでしょうか?

マラソンにしてもトライアスロンにしても、レース当日はジェルタイプの補給食、普段のトレーニングシーンではジェルと固形物をバランスよく活用するなど、使い分けている方も多いですよね。

僕自身がそのような使い分けをしていて、普段のトレーニングシーンではナッツ類を補給食として摂るのが最近お気に入りのルーティン。ナッツ類はもともと糖質が少なくて、中でもクルミは血中の脂質濃度を下げる働きのあるオメガ-3脂肪酸が豊富に含まれています。少ない量でも良質な脂質を摂ることができるナッツ類は、より持続可能なエネルギーに変換しやすいという利点があるので、積極的に摂ることにしています。

今回はその持続性のあるエネルギー源のナッツと、消化の良いバナナを活用した簡単エネルギーバーのレシピをご紹介します!


料理時間
50

ナッツとバナナのエネルギーバー

レシピ

【材料(作りやすい分量)】15cm×15cmの型一つ分
ミックスナッツ150g
【A】
アーモンドプードル80g
ココア(無糖)10g
小さじ1/2
【B】
バナナ中1本(130g)
オリーブオイル60ml
はちみつ60ml

作り方

下準備

・オーブンを180℃に温める。
・型にオリーブオイル(分量外:適量)を塗る。
・ミックスナッツはジッパー付き保存袋に入れ、麺棒などでたたいて粗く砕く。バナナをフォークなどで粗くつぶす。

STEP:01

ボウルに下準備で砕いたミックスナッツ、【A】を入れ、混ぜ合わせる。【B】を加え、だまっぽさがなくなるまでしっかりと混ぜ合わせる。

STEP:02

型にゴムベラを使って【STEP:01】を入れ、高さ2cm程度になるようにまんべんなく敷き詰めて表面をならす。

STEP:03

180℃のオーブンで約30分焼く(竹串を刺して生地がつかなければ焼き上がりのサイン)。粗熱を取り、型から取り出してお好みの大きさにカットする。

【ポイント】

・ミックスナッツは食塩不使用のものを使用しています。お好みでフルーツグラノーラなどで代用すると違った食感が楽しめます。

・今回はオリーブオイルを使用していますが、ココナッツオイルや無塩バターを溶かしたものなど、お好みのオイルで代用することも可能です。

・型がない場合は、オーブン用シートの上に敷き詰めて焼き上げてもOKです。

補給食として大事なことは素早いエネルギー補給と消化の良さ、そこに加えて持続可能なエネルギーがあれば言うことなし!

市販の補給食は当然ながら便利ですが、僕個人の感想としては手作りの補給食はかなりモチベーションが上がります。

糖質を気にしている方も、食材本来の美味しさが生きたエネルギーバーであれば砂糖などの甘味料が少なくても美味しく作れます。

今回のエネルギーバーは比較的一度に多くの量が作れるので、小分けにしてラップに包んで冷凍庫で保存しておければものすごく重宝しますし、一緒にトレーニングしている方にも渡しやすいです。

高橋 善郎(料理家/トライアスロン エイジクラス 日本代表)

1988年 神奈川県生まれ
●得意料理:和食料理 / 魚料理全般 / 和菓子 / アスリート系ごはん
●ジャンル:和食 / 魚料理全般 / おつまみ / 健康・スポーツ / おもてなし / 酒類(日本酒、ビール 、ワイン)
●モットー:「もっと料理を楽しく、身近に」
●趣味:書道 / スポーツ(トライアスロン・バスケットボール)
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●高橋さん経営の和食料理店「凧 HANARE
〒156-0052 東京都世田谷区経堂1-19-10 セントラル経堂 B1F TEL:03-6413-0790