すぽとりと親和性の高い話題(スポーツ、スポーツニュートリション、食品・栄養、健康、生産分野ほか)について、1週間分の気になるニュース、研究動向などを厳選し、記事にまとめました(2021年6月5日~6月11日)。
【長年介助犬を支援する巨人・菅野、関連協会がジャイアンツ球場で普及活動:6月8日】
手足の不自由な人の手助けをする介助犬の育成普及活動をする「(社福)日本介助犬協会」は6月19~20日、プロ野球・読売巨人軍のジャイアンツ球場でブースを出展する。これは、巨人・菅野智之が2015年から同協会を支援し、介助犬サポート大使にも就任していることもあって実現したもの。これまで東京ドームでのブース出展などを行い、普及活動に一役買っている。
ブースでは、菅野×介助犬のコラボTシャツ・トートバッグなどのグッズ販売や募金箱の設置などを行う。また、グッズ購入者には巨人軍選手直筆サイングッズなどが当たる豪華抽選会も開催される予定。コラボグッズの売上の一部は介助犬育成普及活動として当てられ、同協会は「ジャイアンツ球場でのブース展開により、多くの方に介助犬を知っていただくきっかけになれば」と期待感を示している。
<出展概要>
日時:6月19日(土)10時半~13時、6月20日(日)10時~12時半
場所:読売ジャイアンツ球場 一塁側内野スタンド後方スペース
内容:菅野投手×介助犬コラボグッズ販売、募金箱設置 等
※当日の天候などにより急遽出展中止となる可能性あり
【水なしプラセンタ塗布による肌への効果を確認 フラコラ:6月8日】
エイジングケアブランド「fracora(フラコラ)」は、「水なしプラセンタエキス」の肌への塗布による有用性を確認した。水なしプラセンタエキスは、核酸、ムコ多糖類、脂肪酸、アミノ酸、成長因子など活性成分が多く含まれている「水抽出プラセンタエキス」に、脂溶性のレシチン、レチノール(ビタミンA)、トコフェロール(ビタミンE)を加えたもので、肌への効果が期待されている。
試験は32~58歳の健常な日本人女性14名を対象に行われ、1日2回(朝・夜)の洗顔後、顔の決められた側の半顔全体に「水抽出プラセンタエキス」を、もう片側に「水なしプラセンタエキス」塗布してもらい、使用前と使用4週間後の計2回、半顔の状態を計測。2つのエキスによる肌改善比較、塗布4週後のヒト細胞を調査した。
試験の結果、水なしプラセンタエキスは水抽出プラセンタエキスよりも、うるおい、明るさ、つや、小じわ、くすみなどがさらに改善されることがわかった。また、水なしプラセンタエキスの添加濃度に準じて細胞の数が増殖していることから、細胞賦活効果が認められた。さらに、添加濃度に準じてI型コラーゲンの産生効果が期待できること、水なしプラセンタエキスを老化物質AGEs(終末糖化産物)に添加すると減少することから、抗糖化作用の可能性も示された。
プラセンタは、主に馬、豚、羊、ヒトなど動物の胎盤から抽出された物。動物性のため無臭化や機能性の担保が課題で加工が難しい原料の一つだったが、加工法の進化や技術革新によって多くのサプリメントや美容品に採用されている。
【欧州を中心に流行の兆し!? ポテトプロテインの市場予測:6月9日】
市場調査レポートプロバイダー「Report Ocean(レポートオーシャン)」によると、2021から2027年までのポテトプロテイン市場の規模は2019年の3億8830万ドル(約425億円)から2027年には6億8300万ドル(約748億円)に達すると予測している。
ポテトプロテインは、ジャガイモからデンプンを抽出し、デンプンからたんぱく質を多く含むジュースが生成され、それを沈殿させることによって抽出される。乳化性、起泡性、ゲル化性に優れています。アミノ酸の含有量が多く、動物性タンパク質やアレルゲンを含まないプラントベースプロテイン(植物性たんぱく質)で、米、トウモロコシ、エンドウ豆などと同様、優れた機能性、高栄養性、低アレルゲン性を兼ね備えている。
ポテトプロテインの市場動向によると、2019年にはヨーロッパが世界シェアの約半分を占めており、2021年以降もこの傾向を維持すると予想される。ヨーロッパの市場が大きい理由は、ポテトプロテインメーカーの数が最も多いことに起因している。さらに、ヨーロッパ諸国では、特にベーカリー食品における植物性食材の需要が極めて高く、消費者もグルテンフリーやアレルゲンフリーの食品を好む傾向にあることも影響している。
ポテトプロテインはたんぱく質濃度が高く、色や風味、機能性の面でも優れているため、飲料、乳児用食品、子供用ミルク食品、テクスチャー・プロテイン製品(食感のあるプロテイン製品)、ある種の特殊食品の理想的な原材料と考えられている。
【運動直後の炭酸ガス入浴剤使用で疲労回復促進などの可能性を示唆 バスクリン・順天堂大学の共同研究:6月9日】
医薬部外品などの販売大手「㈱バスクリン(本社:東京都千代田区)」は、順天堂大学スポーツ健康科学部・内藤久士教授との共同研究で、高強度運動直後に「メントール配合炭酸ガス入浴剤」を用いた入浴を行うことで、その後に行う高強度運動のパフォーマンスなどを上げる可能性を示した。
試験は20~50歳の男性7人を対象に行われ、体重の7.5%負荷で30秒間全力ペダリングし、30分の休息を挟んで再度実施、ペダリング時の平均パワーおよび最大パワーを測定した(図1)。休息中にメントール配合炭酸ガス入浴剤を用いた40℃10分間の入浴(入浴剤入浴群)、さら湯での40℃10分間の入浴(さら湯入浴群)、無入浴群の3群に分けて効果を検証した。
高強度運動負荷は30分の間隔をあけて2回実施。1回目の測定値を100%として、30分間に行った3つの入浴条件で2回目の運動パフォーマンスを比較したところ、平均パワーは無入浴98.6%、さら湯入浴102.3%、入浴剤入浴103.8%となり、最大パワーでは、無入浴が92.9%、さら湯入浴98.3%、入浴剤入浴99.8%となり、平均パワーおよび最大パワーともに、入浴剤入浴が有意に高い値を示した(図2)。結果、短時間高強度運動直後の10分間の入浴が、2回目の高強度運動時のパフォーマンスの低下を抑制することが確認された。
また、パフォーマンス低下抑制の要因を探るために、4人の被験者に対して、乳酸値を経時的に測定した結果、短時間高強度運動により上昇した血中乳酸値は入浴によって速やかに回復していくことがわかった(図3)。これにより2回目の運動開始時における乳酸値の差が高強度運動パフォーマンスの発揮に影響を及ぼしている一因である可能性が示唆された。
入浴をすることで日常的な疲労回復に効果があることはすでに報告されてるが、運動直後の入浴が、その後の運動パフォーマンスに及ぼす影響について、ほとんど報告されていない。両者は運動の種類や入浴の条件などを今後も精査し、研究を進めていく方針。