「季節感(旬の食材)」「相乗効果が期待できる好相性の食材を組み合わせる」「目的(強化・予防・対策など)」――3点を踏まえた食を提案する「スポーツ食マッチング」。第18回は秋の食材を使用した「骨強化編③」です。

本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、由谷絢奈 さん(3回生)が担当しました。

Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。

骨強化に必要な栄養素は?

【ポイント】
骨の材料になるカルシウムとたんぱく質、ビタミンD、ビタミンKをしっかり摂る

競技スポーツでは、身長が高い方が有利に働くものがあるため、Z世代(成長期)のスポーツ選手が骨を強化する食を意識することで、「身長を伸ばす」可能性を高めることにもなる。ただし、身長を伸ばす確かな方法は存在せず、科学的にも証明されていない。ここでは、一つの可能性として「骨の強化」を提案する。

中学、高校になると、練習量、トレーニングや相手との接触強度が増すため、骨折、疲労骨折の発症リスクが高まる。骨の強化を図ることでケガ予防にもつながる。40歳以上の女性、中高年になると、骨粗しょう症のリスクが高くなるため、日ごろから骨の材料、体内吸収を助ける食品を摂って将来に備えたい。

カルシウムは体内への吸収率が非常に低いため、吸収が高まるビタミンDを一緒に摂ると良い。体の中でカルシウムやたんぱく質を骨に合成する働きのあるビタミンKも不足することなく摂取しよう。

相乗効果が見込める食材の組み合わせ

骨強化のために組み合わせたい食材は、鮭と牛乳やチーズなどの乳製品。

9~11月が旬の鮭に豊富に含まれるビタミンDは、牛乳やチーズに多く含まれるカルシウムの吸収を助ける。鮭1/3切れで1日に必要なビタミンDが摂れるといわれている。鮭には抗酸化物質「アスタキサンチン」が多く、炎症が起こりにくい体を作ってくれる。乳製品や鮭からは、骨の材料になるたんぱく質もしっかり摂ることができる。

この好相性の組み合わせを台なしにしてしまうNG食材は、生のほうれん草や大豆。ほうれん草にはシュウ酸、大豆にはフィチン酸と、いずれもカルシウムの吸収を阻害する成分が含まれている。シュウ酸、フィチン酸はいわゆる「あく」で、ゆでると取り除かれるため、あくの強い物はゆでて食べると良い。ただし、ゆで汁は調理に使用しないように。

最適な摂取タイミング

成長ホルモンの分泌が高まる時間帯に摂取したいので、運動後(睡眠前の)夕食がベスト。


料理時間
15

鮭ときのことアスパラのクリームリゾット

レシピ

【材料(1人分)】
ご飯100g
30g
舞茸30g
アスパラガス1本
玉ねぎ1/4玉
牛乳100cc
50cc
コンソメ(顆粒、固形どちらでもOK)2g
溶けるチーズ(ピザ用)15g
バター5g
片栗粉適量
適量
ブラックペッパーお好みで

作り方

下準備

・玉ねぎ:みじん切りにする。
・舞茸:石づきを切り落とし、細かくほぐす。
・アスパラガス:根元を切り落とし、斜め切りにする。
・鮭:一口大に切って塩を振った後、片栗粉をつける。袋に片栗粉を入れてまぶすと全体になじみやすい。

STEP:01

鍋に火をつけ、温まったらバターを入れる。

STEP:02

玉ねぎを透明になるまで炒める。

STEP:03

アスパラガスを1分炒める。

STEP:04

水と牛乳を加える。

STEP:05

 軽く煮立ったらご飯を加える。

STEP:06

フツフツしてきたらコンソメ(顆粒)を加える。

STEP:07

コンソメが全体に混ざったら、チーズを加える。

STEP:08

チーズが溶けたら、鮭を加える(火が通る目安:弱火で5~6分)。

STEP:09

舞茸を加えて混ぜる。

STEP:10

皿に盛りつけて、お好みでブラックペッパーをかける。

栄養量

神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ