「季節感(食材の旬)」「好相性の食材を組み合わせて相乗効果を図る」「目的(強化・予防・対策など)」――3点を踏まえたスポーツ食を提案する「スポーツ食マッチング」。第19回は秋の食材を使用した「貧血予防編③」です。

本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、檜垣秋帆さん(3回生)が担当しました。

Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。

貧血予防に必要な栄養素は?

【ポイント】
①鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄がある

②鉄とセットでビタミンCを摂取する

鉄は栄養素の中でもダントツに吸収率が低いといわれている。食べ物に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄がある。

ヘム鉄は、ヒレ肉やモモ肉などの赤身の肉、カツオやマグロなどの赤身の魚、貝、レバーに多く含まれ、比較的吸収率が高い(約20%)。非ヘム鉄は、ほうれん草などの野菜や豆類、ひじきなどの海藻類に多く含まれ、吸収率はそれほど高くない(約5%)。ビタミンCは、非ヘム鉄の吸収を助けてくれる。

血液中の鉄は有酸素運動のエネルギーを作るために必要で、特に有酸素トレーニングの機会が多いスポーツ選手や、集中力が必要な人は、不足しないように日ごろから摂取しておきたい。

相乗効果が見込める食材の組み合わせ

貧血予防のために組み合わせたい食材は、カツオとじゃがいも、チンゲン菜。

9~10月に獲れる秋カツオは鉄分が多く、鉄を効率よく血液に変えてくれるビタミンB6も多く含んでいる。9~12月が旬のチンゲン菜はビタミンCが多く、鉄の吸収を助ける。ビタミンCには抗酸化作用もあり、炎症を起こしにくい体を作ることにも役立つ。野菜の中では比較的多く、鉄やカルシウム、ビタミンEを含む。じゃがいもなどのいも類にはビタミンCが多く含まれる。ビタミンCは熱に弱いが、いも類に含まれるビタミンCはでんぷんに守られて存在しているので、加熱にも強い。

組み合わせNGの食材はあぶら(脂、油)の多い物。揚げ物などたくさん油を使う調理方法もアウト。食事中、大量の水分を一緒に摂るのも、鉄の吸収を下げてしまう原因になる。

最適な摂取タイミング

成長ホルモンの分泌が高まる時間帯に摂取したいので、運動後(睡眠前の)夕食がベスト。


料理時間
40

なまりじゃが

レシピ

【材料(2人分)】
じゃがいも200g
なまり節80g
にんじん50g
玉ねぎ100g
チンゲン菜70g
しょうゆ大さじ1と1/2
みりん大さじ1
大さじ1
10g

作り方

下準備

・じゃがいも:
1) 皮をむき、芽を取り除いて、一口サイズに切る。
2) 水に浸けておく。
・にんじん:皮をむき、乱切りにする。
・玉ねぎ:7、8mm幅に切る。
・チンゲン菜:食べやすい大きさに切る。
・なまり節:大きめにほぐしておく。

STEP:01

チンゲン菜を軽く炒める。しんなりしてきたら、別に置いておく。

STEP:02

 じゃがいも、にんじん、玉ねぎを炒める。

STEP:03

 玉ねぎが半透明になる頃合いで、具材が浸るくらいまで水を加える。

STEP:04

沸騰したらふたをして、中火で5分ほど煮る。

STEP:05

なまり節、しょうゆ、みりん、酒を加え、弱火で20分煮込む。

STEP:06

じゃがいもが柔らかくなった頃合いで、チンゲン菜を加える。

STEP:07

鍋底に煮汁がうっすら残っている程度まで煮たら火を止める。

栄養量

神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ