「季節感(旬の食材)」「相乗効果が期待できる好相性の食材を組み合わせる」「目的(強化・予防・対策など)」――3点を踏まえた食を提案する「スポーツ食マッチング」。第21 回目は秋の食材を使用した「酸化対策編 ③」です。

本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、塚中碧泉さん(3回生)が担当しました。

Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。

酸化対策に必要な栄養素は?

【ポイント】
①スポーツ習慣の有無にかかわらず、ストレスのかかる人は酸化対策(活性酸素の除去)必須
②酸化対策を怠ると、炎症、細胞の老化などを促すことになる

ハードなトレーニングを日常的に行っているスポーツ選手は、エネルギー代謝がより活発になることで体内に大量の活性酸素が発生する。活性酸素はよく使われる箇所に発生して酸化、炎症させる。炎症はZ世代(成長期)のスポーツ選手にとって致命的といえるケガにつながる。

また、活性酸素は喫煙や大量の飲酒、生活のリズムが不規則になることで受けるストレスが原因でも発生するため、成人やスポーツをしていない人にも影響を及ぼす。酸化は細胞の老化にも直結する。

日常生活で活性酸素が発生しても酸化をブロックしてくれる抗酸化成分のある物を日ごろから取っておけば、いくらか抑制することができる。

抗酸化作用のある栄養素は、ビタミンCビタミンE、プロビタミンAといわれるカロテンなど。

ビタミンCとビタミンEは一緒に摂るとお互いの働きを高め合う相乗効果が期待できる。カロテンは、体内でビタミンAが不足した時だけビタミンAとして働き、ビタミンAが十分にあるときには抗酸化の働きをするという、ヒトの体にとって都合良く働いてくれる。

相乗効果が見込める食材の組み合わせ

酸化対策のために組み合わせたい食材は、柿と銀杏。

柿にはビタミンC、銀杏にはビタミンEが豊富に含まれており、一緒に摂ることでお互いの抗酸化作用を高め合う。旬がともに10月から11月ごろなので同時に買いやすく、まさに相乗効果が見込める好相性の食材といえる。

銀杏にはビタミンEのほか、カリウムやマグネシウムなど筋肉の収縮や神経伝達に働くミネラルも多い。柿など果物に多く含まれるビタミンCは熱に弱いので、加熱せずに食べる調理方法がお勧め。

最適な摂取タイミング

摂取タイミングは特にないが、常に体の中で不足しないように摂りたい栄養素のため、運動前後の補食毎回の食事での摂取を心がける。


料理時間
20

柿と銀杏の白和え

レシピ

【材料(1人分)】
甘柿1個(105g)
銀杏(ゆで)3~4粒(9g)
木綿豆腐100g
ほうれん草15g
練りごま5g
甘酒5g
食塩0.5g

作り方

下準備

・柿:
1)ヘタの部分を切り落とし、実をくり抜く。
2)食べやすい大きさに切る。
※ヘタ部分は器の蓋にするため、捨てずにとっておく。

・ほうれん草:
1)でよく洗い、水を沸騰させた鍋に3%程度の塩を入れる。
2)茎から茹で始める(1~2分)。
3)鮮やかな緑色になったら湯から上げ、すぐに冷水で締める。
4)冷めたら強く絞り、4cmの長さに切り、さらに水気を絞る。

・木綿豆腐:
1)キッチンペーパーでくるみ、耐熱皿に乗せる。
2)電子レンジ(500W)で1分~1分30秒加熱し、水気を飛ばす。
3)粗熱をとった豆腐をざるに乗せ、ゴムベラで裏ごしする。

・銀杏:
1) 麺棒などで叩き、殻にヒビを入れる。
2) 銀杏を紙袋に入れて口をしっかりと折る。
3)電子レンジ(500W)で40秒ほど加熱。
4)「ボンッ」と爆ぜる音がしたら加熱をやめる。
5)殻の中から実を取り出す。
6)実を4等分に切る。

STEP:01

ボウルに裏ごしした豆腐、銀杏、ほうれん草、くりぬいた柿の中身を混ぜる。

STEP:02

練りごま、甘酒、食塩を加え、よく和える。

STEP:03

柿の器に盛り、蓋を添える

栄養量

神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ