「季節感(旬の食材)」「相乗効果が期待できる好相性の食材を組み合わせる」「目的(強化・予防・対策など)」――3点を踏まえた食を提案する「スポーツ食マッチング」。第22回は冬の食材を使用した「骨強化編④」です。
本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、西田優花 さん(3回生)が担当しました。
Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。
骨強化に必要な栄養素は?
【ポイント】
骨の材料になるカルシウムとたんぱく質、ビタミンD、ビタミンKをしっかり摂る
競技スポーツでは、身長が高い方が有利に働くものがあるため、Z世代(成長期)のスポーツ選手が骨を強化する食を意識することで、「身長を伸ばす」可能性を高めることにもなる。ただし、身長を伸ばす確かな方法は存在せず、科学的にも証明されていない。ここでは、一つの可能性として「骨の強化」を提案する。
中学、高校になると、練習量、トレーニングや相手との接触強度が増すため、骨折、疲労骨折の発症リスクが高まる。骨の強化を図ることでケガ予防にもつながる。40歳以上の女性、中高年になると、骨粗しょう症のリスクが高くなるため、日ごろから骨の材料、体内吸収を助ける食品を摂って将来に備えたい。
カルシウムは体内への吸収率が非常に低いため、吸収が高まるビタミンDを一緒に摂ると良い。体の中でカルシウムやたんぱく質を骨に合成する働きのあるビタミンKも不足することなく摂取しよう。
相乗効果が見込める食材の組み合わせ
骨強化のために組み合わせたい食材は、サーモンと小松菜。
12月から2月が旬の小松菜は野菜の中ではカルシウムが比較的多く、1、2月が旬のサーモンに多く含まれるビタミンDと一緒に摂ることで、吸収率の低いカルシウムの吸収を助ける。さらに鮭やサーモンに多い抗酸化物質「アスタキサンチン」は、炎症を起こしにくい体を作る。
この好相性の組み合わせを台なしにしてしまうNG食材は、生のほうれん草や大豆。ほうれん草にはシュウ酸、大豆にはフィチン酸と、いずれもカルシウムの吸収を阻害する成分が含まれている。シュウ酸、フィチン酸はいわゆる「あく」で、ゆでると取り除かれるため、あくの強い物はゆでて食べると良い。ただし、ゆで汁は調理に使用しないように。
最適な摂取タイミング
成長ホルモンの分泌が高まる時間帯に摂取したいので、運動後や(睡眠前の)夕食がベスト。
料理時間
20分
サーモンと小松菜の豆乳スープ
レシピ
【材料(2人分)】 | |
サーモン2切れ | 100g |
小松菜 | 200g |
木綿豆腐 | 150g |
しめじ | 80g |
にんじん | 30g |
無調製豆乳 | 200cc |
顆粒和風だし | 6g |
しょうゆ | 18g |
料理酒 | 15g |
水 | 100cc |
作り方
下準備
・サーモン:3cm幅に切る。
・小松菜:茎を切り、4~5cm幅に切る。
・白菜:3cm幅に切る。
・にんじん:皮をむき、薄い半月切りにする。
・豆腐:ひと口大に切る。
・しめじ:小房に分ける。
STEP:01
鍋に小松菜の葉、豆腐、豆乳以外の食材・調味料を入れる。蓋をして強火にかける。
STEP:02
沸騰したら、中火で5分ほど蒸し煮する。
STEP:03
小松菜の葉、豆腐、豆乳を加え、蓋をして中火で3分ほど煮込む。