「季節感(食材の旬)」「好相性の食材を組み合わせて相乗効果を図る」「強化目的」――3点を踏まえたスポーツ食を提案する「スポーツ食マッチング」。第25回目は冬の食材を使用した「疲労対策編④」です。

本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、由谷絢奈さん(3回生)が担当しました。

Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、スポーツ習慣のある成人の方などにもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立になっています。

疲労対策に必要な栄養素は?

【ポイント】
運動後2時間以内に3:1(炭水化物:たんぱく質)で摂取

Z世代(成長期)のスポーツ選手にとって、試合やトレーニングで消費したエネルギーをできるだけ早く補充することが疲労の回復につながってくる。成人やスポーツをしていない人にとっても、日常生活の中でおこる肉体的な疲労や精神的な疲労を蓄積させないことにもなり、心身の健康に保つことになる。

特にスポーツ中の筋活動や、脳のエネルギー源として体内に貯蔵されているグリコーゲンの材料となる炭水化物と、筋肉やそのほか体の修復に使われるたんぱく質はしっかり摂る。

炭水化物とたんぱく質を運動後2時間以内に3:1の割合でとると効率良く、より早くグリコーゲンと体の回復ができるといわれている。さらに、クエン酸を一緒に摂ることでグリコーゲンの回復効率がさらに良くなることが分かっている。

トレーニングをたくさんした人、試合でエネルギーを多く消費するようなスポーツ選手、日常的にハードワークを行っている人、精神的な疲労が蓄積しやすい人は、摂取タイミングも考えて取って炭水化物とたんぱく質を組み合わせて摂取したい。

相乗効果が見込める食材の組み合わせ

疲労対策のために組み合わせたい食材は、長いもと梅干し、豚肉。

秋掘りの長いもは12月から1月が旬。炭水化物とともに、炭水化物をエネルギーに変えるビタミンB1を比較的多く含む。さらに、筋肉の収縮に働くカリウムを摂ることができる。

ビタミンB1がダントツに多い豚肉はたんぱく質も一緒に取れるので、梅干しに含まれるクエン酸と一緒に摂ることで、よりグリコーゲンの素早い回復と筋肉の修復に役立つ。

最適な摂取タイミング

運動後やエネルギーをたくさん使ってから2時間以内。この時間帯にグリコーゲンの回復が活発に行われるので、組み合わせとタイミングを考える。


料理時間
15

梅と長いもの豚肉巻き

レシピ

【材料(1人分)】
長いも100g
豚バラ薄切り肉100g
塩・こしょう少々
サラダ油大さじ1(12g)
小麦粉適量
しょうゆ小さじ2(12g)
大さじ1(15g)
みりん小さじ2(12g)
少々
適量
【梅ペースト】
梅干し2個
小さじ1(5g)
砂糖小さじ1(3g)

作り方

下準備

・豚肉:片面に小麦粉をまぶして、もう片面に塩・こしょうをふる。
・たまねぎ:薄切りにする。
・梅ペースト:
(1)種を除いて梅肉をほぐした後、叩く。
(2)酒と砂糖を加えて、よく混ぜ合わせる。
・長いも:
(1)皮を剥いて、棒状に切る
(2)5分ほど酢水につける

STEP:01

豚肉に梅ペーストをのせて伸ばし、長いもに巻く。

STEP:02

サラダ油をひき、熱したフライパンに並べる。転がしながら、全体に焼き色をつける。

STEP:03

 余分な油をキッチンペーパーなどで拭き取る。しょうゆ、酒、みりんを加えてよく絡め、皿に盛りつける。

栄養量

神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ