「季節感(食材の旬)」「好相性の食材を組み合わせて相乗効果を図る」「目的(強化・予防・対策など)」――3点を踏まえたスポーツ食を提案する「スポーツ食マッチング」。第23回は秋の食材を使用した「貧血予防編④」です。

本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、藤澤佳穂さん(3回生)が担当しました。

Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。

貧血予防に必要な栄養素は?

【ポイント】
①鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄がある

②鉄とセットでビタミンCを摂取する

鉄は栄養素の中でもダントツに吸収率が低いといわれている。食べ物に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄がある。

ヘム鉄は、ヒレ肉やモモ肉などの赤身の肉、カツオやマグロなどの赤身の魚、貝、レバーに多く含まれ、比較的吸収率が高い(約20%)。非ヘム鉄は、ほうれん草などの野菜や豆類、ひじきなどの海藻類に多く含まれ、吸収率はそれほど高くない(約5%)。ビタミンCは、非ヘム鉄の吸収を助けてくれる。

血液中の鉄は有酸素運動のエネルギーを作るために必要で、特に有酸素トレーニングの機会が多いスポーツ選手や、集中力が必要な人は、不足しないように日ごろから摂取しておきたい。

相乗効果が見込める食材の組み合わせ

貧血予防のために組み合わせたい食材は、レーズンと白菜。

レーズンは比較的吸収率の低い非ヘム鉄ですが、ビタミンCが含まれる白菜と組み合わせることで、体への吸収を助けてくれます。ビタミンCには抗酸化作用もあり、炎症を起こしにくい体を作ることにも役立つ。さらに、チーズなどの動物性たんぱく質食品と一緒に摂ることで、非ヘム鉄の吸収率をグンと高めてくれる。野菜や果物に多く含まれるビタミンCは熱に弱いので、加熱せずに食べられる料理がお勧め。

組み合わせNGの食材はあぶら(脂、油)の多い物。揚げ物などたくさん油を使う調理方法もアウト。食事中、大量の水分を一緒に摂るのも、鉄の吸収を下げてしまう原因になる。

最適な摂取タイミング

成長ホルモンの分泌が高まる時間帯に摂取したいので、運動後(睡眠前の)夕食がベスト。


料理時間
15

レーズンと白菜のクリームチーズ和え

レシピ

【材料(2人分)】
レーズン12g
白菜180g
パプリカ(黄)8g
クリームチーズ40g
食塩(塩もみ用)適量
レモン汁14g
ブラックペッパー適量

作り方

下準備

・白菜:(1)食べやすい大きさに切る、(2)塩もみする、(3)水にさらして塩気を取る、(4)十分に水気を切る
・パプリカ:薄くスライスする

STEP:01

白菜、レーズン、クリームチーズ、レモン汁をボウルに入れて和える。

STEP:02

 和え終わったら器に盛り、ブラックペッパーをかける。

栄養量

神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ