株式会社asken1)、株式会社ポケモン2)、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)3)は、食事管理と睡眠の関係性に関する合同調査をおこない、栄養と睡眠に関する知見を発表した。

1) AI食事管理アプリ「あすけん」の開発・運営 2)睡眠ゲーム「Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)」を開発 3)基礎から臨床まで睡眠医科学に関する研究拠点

食事と睡眠の相関性については、すでに研究がおこなわれている。たんぱく質の摂取量が多いと睡眠に良い影響を与える傾向があり、トリプトファンなどたんぱく質由来のアミノ酸は、セロトニンやメラトニンなどの神経伝達物質の合成材料として役立っていることが示唆されている。

調査は、あすけん・ポケモンスリープを最低でも7日間利用した4825人のデータを基に、栄養素の最低摂取群を基準として4つのグループに区分け。主要栄養素(たんぱく質:P、炭水化物:C、飽和脂肪、一価不飽和脂肪、多価不飽和脂肪を含む総脂肪)、食事成分(ナトリウム、カリウム、食物繊維、ナトリウム対カリウム比)、睡眠変数(総睡眠時間:TST、睡眠潜時:SL、入眠後覚醒率:%WASO)を統計的に解析した。調査結果は以下の通り。

・総摂取エネルギーに対するたんぱく質比率が約19%以上のグループの方が、最も摂取比率が少ないグループと比べて、総睡眠時間が約10分長かった。

・総摂取エネルギーに対する炭水化物比率が約52%以上のグループの方が、最も摂取比率が少ないグループと比べて、中途覚醒が最大約0.8%減少した。

・食物繊維を13g以上摂取しているグループは、最も摂取が少ないグループと比べて、総睡眠時間は最大約10分長くなり、中途覚醒は約1.1%減少、寝つき(入眠)は約2分早くなった。

・Na/K比が高い※)グループに、睡眠時間が短くなり、寝つき(入眠)までの時間が長くなり、中途覚醒が増加するといった睡眠の悪化が認められた。※ナトリウム(塩分)の摂取が多く、カリウム(野菜など)の摂取が少ない。

・Na/K比が1.8以上のグループは、Na/K比の値が最も低いグループと比べて、総睡眠時間が約11分短く、寝つき(入眠)が約1分以上遅くなり、中途覚醒が0.7%増加した。

食事と睡眠に関するアプリケーションツールから毎日のデータを収集し、それらの相互作用を解析・分析する研究は数少ない。今後も、三者合同の研究によってもたらされる成果が注目される。

スポトリ

編集部