料理家で世界を知るトライアスリートでもある高橋善郎さんのレシピ開発企画「二刀流の流儀」。
日ごろのトレーニングや大会出場時など高橋さんの体感を基に、どんな物が食べたいか、何を食べたらいいかを踏まえて、トライアスロンを構成する3種目、スイム・バイク・ランを愛する人たちに向けて、摂取するタイミングにも言及したスポーツフードを提案します。
パリでの熱狂が過ぎた季節に
熱狂冷めやらぬ中、スポーツの祭典・パリオリンピック・パリパラリンピックが幕を閉じました。選手の活躍に胸を打たれ、また、熱狂された方も多いのでないでしょうか?
無類のスポーツ好きの私もと言うと、リアルタイムで観ることができる時は応援し、追いきれない時は録画したものを見てと、寝不足続きで仕事が手につきませんでした…。4年に一度の祭典はそれ以上に価値があって、心にぐっとくるものがあり、気が早いですが次のオリンピックが早くも楽しみでなりません。
どの種目を観ても楽しいのでオリンピック・パラリンピックの中でこれが一番と甲乙つけがたいですが、個人的にはパラリンピックの選手一人ひとりの個性あふれるプレーの数々、体の使い方には驚かされる部分が多く、また可能性って本当に無限大だなあ…と感じました。
実は私自身、2020年東京パラリンピックで、パラ卓球のナショナルチームのフードコーチをさせていただいたことがあります。ですが、知識と経験が浅く、もっと寄り添えた部分があったのでは、選手の障害に合わせてもっと良い提案ができたのではないかと悔しい思いもたくさん経験しました。
そのことがきっかけで、より多くのアスリートに向けて、より質の高い栄養指導や食回りの環境を提供したいと思い、管理栄養士の学校に通い始めたので、今回のオリンピック・パラリンピックは自分の中でも感慨深いものがありました。特に、パラリンピック選手の場合、年代も幅広くその方の人生を感じさせるプレーは何度観ても感動します。選手のみなさま、本当に本当にお疲れ様でした!
前回の連載ではジュニア向けの食事について書かせていただきました。種目によっても変わるため、大人とジュニア向けの食事の線引きは難しいですが、やはり食べ盛りのジュニア世代の要となるのはエネルギー源の大元になる炭水化物。
だいぶ涼しくなりましたが、暑い時期は食べる量が勝手に落ちてしまうので、その点も意識して摂取する必要がありますし、秋冬と寒さが厳しくなる時期でも炭水化物はアスリートとしては必須です。
さらに一度に食べる量やタイミングを意識して摂ると、パフォーマンスの向上につながりやすくなります。この辺りは以前のコラムでも触れているので参考にしていただけるとうれしいです。
料理時間
60分
ジャンバラヤ風W肉飯
レシピ
【材料(2人分)】 | |
米 | 2合 |
牛こま切れ肉 | 200g |
鶏もも肉(唐揚げ用ぶつ切り) | 200g |
にんじん | 50g |
ホールコーン缶 | 50g |
玉ねぎ | 1/4個 |
パプリカ | 1/4個 |
目玉焼き | 2個分 |
塩/粗挽き黒こしょう/パセリ(みじん切り) | 各適量 |
【A】 | |
水 | 200ml |
カットトマト | 100g |
ケチャップ | 大さじ3 |
みりん/しょうゆ | 各大さじ1 |
顆粒チキンコンソメ | 小さじ2 |
カレー粉/オリーブオイル/おろししょうが/おろしにんにく | 各小さじ1 |
塩/粗挽き黒こしょう/一味唐辛子(七味でも可) | 各小さじ1/4 |
作り方
STEP:01
米は研いで20〜30分浸水させて水気を切る。ホールコーン缶は水気を切り、にんじん・へたとわたを取ったパプリカは5mm幅の角切り、玉ねぎはみじん切りにする。牛こま切れ肉と鶏もも肉全体に塩、粗挽き黒こしょうをふる。
STEP:02
炊飯釜に混ぜ合わせた【A】と米を入れてならす。にんじん、ホールコーン缶を入れたら、牛こま切れ肉と鶏もも肉をのせて炊く(60分)。
STEP:03
炊き上がったら一度肉類を取り出す。玉ねぎ、パプリカを加え、混ぜ合わせたら肉類、目玉焼きと一緒にバランスよく器に盛り付ける。お好みでパセリをちらす。
【ポイント】
・炊飯器一つで作れるのでラクラク。今回は牛肉と鶏肉を使用しましたが、お好きなお肉全量で作っていただいたり、豚肉で代用いただいたりとアレンジの幅も広いので、ぜひいろいろな食材で楽しんでください。
・辛味が苦手な方は一味唐辛子はなしで作っていただいても美味しいです。あればチリペッパーを使用していただくとよりジャンバラヤに近い香りと味わいに。
・玉ねぎと赤パプリカは食感とフレッシュ感を残すため、炊き上がってから入れていただく方がおすすめです。
・早炊きモードだとご飯がかたく仕上がってしまう可能性があるので普通の炊飯モードで炊いてください。
ジャンバラヤと聞くとスパイスをたくさん使うイメージがあると思いますが、少ない調味料でも素材の味わいを足すことで本格的なジャンバラヤに近い味わいに仕上がります。暑さはだいぶ和らいでもアスリートにとって運動後はどうしても暑くなり、こういったスパイスが効いた料理は食べやすくリカバリー飯にはぴったり! お子さまが好きな食材を加えるなどアレンジも楽しんでください!