「うちの子、野菜を全然食べない」「好きな物ばかり食べたがる」――このような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか? 

食べる物が偏っていると「栄養が偏るのでは」と心配になりますよね。苦手な食べ物の栄養素を他の食品で補うこともできるとはいえ、できるだけたくさんの食材を食べられるようになってほしいと願わずにはいられません。

そこで今回は、子どもの偏食の原因と、それにどう向き合えばよいのかをお伝えします。

子どもが偏食をする理由

「食べたこともないのに、見ただけでイヤがるのはなぜ?」と思ったことはないでしょうか。実は、子どもが特定の食べ物を避けるのにはいくつかの理由があり、子どもによってその理由は異なります。

①食経験の少なさ
もしみなさんが海外旅行へ行って、虫やカエルを使った料理が出てきたらどう思うでしょうか。食経験の少ない子どもにとっては食べたことのない食材や料理がたくさんあり、新しい食べ物を口にするのはとても勇気のいることなのです。

②味覚が敏感
子どもは大人よりも味覚が敏感で、特に苦味や酸味を強く感じるといわれています。これは「苦味や酸味=毒かもしれない」と本能的に警戒するためです。例えば、ピーマンやゴーヤなどの苦味がある野菜を嫌がるのは、こうした理由が関係しています。

③食感の違和感
味や食感が好まれないという原因もあります。例えば、トマトのグニャッとした食感や、ナスのトロトロした舌触りが苦手な子もいれば、ザクザクした食感が好きではない、パサパサした魚や鶏肉などは飲み込みにくいなど、苦手な食感も子どもによって異なります。

④嫌な記憶や体験がある
体調が悪いときに食べた料理や、食後に気分が悪くなったり怒られたりしたときに食べたものは、「あのとき気持ち悪くなったから嫌い」「なんとなくイヤな感じがする」と避けられることもあります。

偏食克服のカギとは?

苦手な食べ物は、ずっと苦手なままなのでしょうか?

結論からいうと、偏食は成長や環境によって克服できることが多いです。しかし、克服するためには、まず偏食の理由や原因を見つけることが大切です。

食材の何が苦手なのか、特に乳幼児期の子どもは、自分の言葉ではっきりと伝えることができません。子どもとの食事の時間を通して、食べている様子や苦手な食材の傾向を考えてみることで、克服のヒントが見つかるかもしれません。

そのうえで、以下のポイントなども参考に、どのような方法が偏食克服に有効なのか、試してみましょう。

①調理方法を工夫する
食べやすい調理法に変えるだけで、苦手な物も克服できることがあります。例えば、野菜の色や見た目が苦手な場合には、細かく切ってカレーやハンバーグなどに混ぜることで食べやすくなります。

また、加熱した野菜が好き、生の野菜が好きなど、好きな調理方法を見つけてみましょう。

②盛り付け方法を工夫する
調理方法だけでなく、野菜の切り方や盛り付け方を少し変えるだけでも、食事を見たときの子どものモチベーションがあがります。

お皿に盛り過ぎないということも大切なポイントです。食べてほしい量ではなく、子どもが食べきれる量を意識して、苦手な物は「小さなひとかけらだけ」を盛り付けるのも方法の一つです。その「ひとかけらを食べきれた」ということが、子どもにとっての大きな自信につながるのです。

この他にも、子どもと一緒に調理をしたり、買い物に行ったりするなども有効といわれています。さまざまな方法があるので、子どもに合った対応を心がけましょう。

偏食とどう向き合う?大人の心構え

子どもが好き嫌いをすると、つい「少しでも食べさせたい」と思ってしまいますよね。しかし、無理に食べさせることが逆効果になることもあります。

逆に、大人が子どもの食べやすい物ばかりを用意してしまうと、子どもも苦手な物に接する機会が減ってしまい、食べられないままになってしまいます。

偏食と向き合うために、「うちの子は〇〇が嫌いだから…」と決めつけるのではなく、「今は苦手でも、いつか食べられるかも」と長い目で見守り、好きな物だけでなく苦手な食材も毎日の食卓に自然に出すようにして、いろいろな食材に触れられるようにしていきましょう。

そして、大人はおだやかな気持ちで食事を見守りましょう。「食べてほしい」という気持ちから、食べられないことを責めたり、大人の表情が強張ったり、焦る気持ちが子どもに伝わってはいませんか?

大人がゆったりとした気持ちで食事を見守り、おいしそうに食べることで、子どもも食べてみようかなという気持ちが生まれます。

まとめ

子どもは味覚が敏感で、初めて食べるものも多くあり、偏食があるのは仕方のないことです。しかし、苦手だからといって好きな物ばかりを食べていると体や心の健全な成長を妨げてしまうかもしれません。

大切なのは、食事を楽しめる環境を作ること。無理強いせず、「ちょっと試してみようかな」と思える機会を増やしていきましょう。

㈱ミールケア 食育開発部

子どもは味覚が敏感で、初めて食べるものも多くあり、偏食があるのは仕方のないことです。しかし、苦手だからといって好きな物ばかりを食べていると体や心の健全な成長を妨げてしまうかもしれません。大切なのは、食事を楽しめる環境を作ること。無理強いせず、「ちょっと試してみようかな」と思える機会を増やしていきましょう。

子どもは味覚が敏感で、初めて食べるものも多くあり、偏食があるのは仕方のないことです。しかし、苦手だからといって好きな物ばかりを食べていると体や心の健全な成長を妨げてしまうかもしれません。大切なのは、食事を楽しめる環境を作ること。無理強いせず、「ちょっと試してみようかな」と思える機会を増やしていきましょう。