「季節感(食材の旬)」「好相性の食材を組み合わせて相乗効果を図る」「目的(強化・予防・対策など)」――3点を踏まえたスポーツ食を提案する「スポーツ食マッチング」。第8回目は夏の食材を使用した「貧血予防編②」です。
本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、明石苑子さん(4回生)が担当しました。
Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。
貧血予防に必要な栄養素は?
【ポイント】
①鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄がある
②鉄とセットでビタミンCを摂取する
鉄は栄養素の中でもダントツに吸収率が低いといわれている。食べ物に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄がある。
ヘム鉄は、ヒレ肉やモモ肉などの赤身の肉、カツオやマグロなどの赤身の魚、貝、レバーに多く含まれ、比較的吸収率が高い(約20%)。非ヘム鉄は、ほうれん草などの野菜や豆類、ひじきなどの海藻類に多く含まれ、吸収率はそれほど高くない(約5%)。ビタミンCは、非ヘム鉄の吸収を助けてくれる。
血液中の鉄は有酸素運動のエネルギーを作るために必要で、特に有酸素トレーニングの機会が多いスポーツ選手や、集中力が必要な人は、不足しないように日ごろから摂取しておきたい。
相乗効果が見込める食材の組み合わせ
貧血予防のために組み合わせたい食材は、ピーマン・パプリカ、ゴーヤ、しじみの佃煮。
もともと鉄分が多いしじみの佃煮には、鉄を血液に変えてくれるビタミンB12が多く含まれており、ピーマン・パプリカ、ゴーヤには鉄の吸収を助けるビタミンCが多く含まれているので、貧血予防には打ってつけの組み合わせ。ビタミンCには抗酸化作用も期待できるので、炎症を起こしにくい(ケガにつながりにくい)体を作ることにも役立つ。これらの野菜は7~8月の夏が旬で、最もおいしく食べられる。
組み合わせNGの食材はあぶら(脂、油)の多い物。揚げ物などたくさん油を使う調理方法もアウト。食事中、大量の水分を一緒に摂るのも、鉄の吸収を下げてしまう原因になる。
最適な摂取タイミング
成長ホルモンの分泌が高まる時間帯に摂取したいので、運動後や(睡眠前の)夕食がベスト。
料理時間
15分
夏野菜としじみの佃煮のチャンプルー
レシピ
【材料(2人分)】 | |
ゴーヤ | 50g |
塩 | 適量 |
しじみの佃煮 | 20g |
ピーマン | 30g |
赤パプリカ | 20g |
木綿豆腐 | 50g |
豚もも肉 | 30g |
卵 | 1個 |
顆粒和風だし | 2g |
酒 | 7g |
しょうゆ | 4g |
砂糖 | 1g |
ごま油 | 6g |
かつお節 | 少々 |
菜の花 | 60 g |
作り方
下準備
・ゴーヤ:
(1) ヘタを切り縦半分にする。
(2) ワタをスプーンで取り除く。
(3) 5cm幅に切る。
(4) ボウルにゴーヤと塩と砂糖を入れて揉み込み、5分置く。
・ピーマン・パプリカ:半分に切り、ヘタをとって細切りにする。
・木綿豆腐:キッチンペーパーで水切りをして、ひと口大にちぎる。
・豚もも肉:5cm幅に切る。
STEP:01
中火で熱したフライパンにごま油を少し入れる。
STEP:02
豆腐に少し焼き目がつくくらいに焼き、フライパンから出す。
STEP:03
フライパンに残りのごま油を入れ、熱したら、豚もも肉に火が通るまで炒める。
STEP:04
ピーマン、パプリカ、ゴーヤ、木綿豆腐、しじみの佃煮を入れて炒める。
STEP:05
酒、しょうゆ、顆粒和風だしを加えて炒める。
STEP:06
溶き卵を入れ、少しかき混ぜたら蓋をして1〜2分ほどおく。
STEP:07
卵が固まったら盛りつけ、かつお節をかける。