㈱ユーグレナ(本社:東京都港区)と㈱デンソー(愛知県刈谷市)は日本大学歯学部・田村宗明准教授の協力の下、微細藻類「コッコミクサKJ」が、歯周病の原因菌であるジンジバリス菌の増加を抑制し、歯周病の進行を抑えることを示唆する研究データを確認した。
歯周病に関しては近年、糖尿病や動脈硬化症、心筋梗塞などの生活習慣病と関係があることが明らかになっており、ジンジバリス菌の増加を抑制することで歯周病の予防・進行抑制を介し、さまざまな病気のリスクを下げることが期待されている。コッコミクサKJはこれまでの研究によって、免疫力向上効果、ウイルスの感染力低下効果が確認されている。
今回の研究では、7週齢マウスの歯に絹糸を巻き付けて固定し、歯ぐきにジンジバリス菌を塗布、3週間後にマウスの口腔内のジンジバリス菌数と、歯周病が進行し、歯の根を支える歯槽骨が溶ける症状(歯槽骨吸収)を測定した。
使用したマウスは以下の通り。
(a) 無処置(コントロール群):ジンジバリス菌の塗布をしないマウス
(b) 歯周病+プラセボ塗布:口腔内にプラセボを塗布したマウス
(c) 歯周病+口腔内塗布:口腔内にコッコミクサKJの乾燥粉末を塗布したマウス
(d) 歯周病+胃内給与(経口摂取による影響を調べるため):コッコミクサKJを胃内投与したマウス
(b)は(a)と比べて口腔内のジンジバリス菌数が増加し、(c)と(d)を比較したところ、(c)の方がジンジバリス菌数の増加が抑えられた(表)。歯周病の進行を観察するため、歯槽骨吸収を測定した(図1)。また、(c)は(b)と比較して、歯周病の進行による歯槽骨吸収が抑えられた(図2)。これにより、コッコミクサKJが、口腔内のジンジバリス菌数の増加を抑制し、口腔内の患部に直接作用して、歯周病の進行を抑える可能性が示唆された。