医薬部外品などの販売大手「㈱バスクリン(本社:東京都千代田区)」は、順天堂大学スポーツ健康科学部・内藤久士教授との共同研究で、高強度運動直後に「メントール配合炭酸ガス入浴剤」を用いた入浴を行うことで、その後に行う高強度運動のパフォーマンスなどを上げる可能性を示した。

試験は20~50歳の男性7人を対象に行われ、体重の7.5%負荷で30秒間全力ペダリングし、30分の休息を挟んで再度実施、ペダリング時の平均パワーおよび最大パワーを測定した(図1)。休息中にメントール配合炭酸ガス入浴剤を用いた40℃10分間の入浴(入浴剤入浴群)、さら湯での40℃10分間の入浴(さら湯入浴群)、無入浴群の3群に分けて効果を検証した。

高強度運動負荷は30分の間隔をあけて2回実施。1回目の測定値を100%として、30分間に行った3つの入浴条件で2回目の運動パフォーマンスを比較したところ、平均パワーは無入浴98.6%、さら湯入浴102.3%、入浴剤入浴103.8%となり、最大パワーでは、無入浴が92.9%、さら湯入浴98.3%、入浴剤入浴99.8%となり、平均パワーおよび最大パワーともに、入浴剤入浴が有意に高い値を示した(図2)。結果、短時間高強度運動直後の10分間の入浴が、2回目の高強度運動時のパフォーマンスの低下を抑制することが確認された。

また、パフォーマンス低下抑制の要因を探るために、4人の被験者に対して、乳酸値を経時的に測定した結果、短時間高強度運動により上昇した血中乳酸値は入浴によって速やかに回復していくことがわかった(図3)。これにより2回目の運動開始時における乳酸値の差が高強度運動パフォーマンスの発揮に影響を及ぼしている一因である可能性が示唆された。

入浴をすることで日常的な疲労回復に効果があることはすでに報告されてるが、運動直後の入浴が、その後の運動パフォーマンスに及ぼす影響について、ほとんど報告されていない。両者は運動の種類や入浴の条件などを今後も精査し、研究を進めていく方針。

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編集部