スポーツコミュニティフィールドの運営などを手がける「株式会社SOLUM(本社:埼玉県吉川市、代表:古川将士)」は8月13~15日、小・中学生のサッカー選手を対象にサマーキャンプを実施した。

キャンプは、古川氏が事業当初から掲げていた「プロサッカー選手の育成プロジェクト」を実現させたもの。同社が展開する遺伝子検査サポートシステム「メンテライフ」で得られた、参加者の「食事の相性(アレルギー因子など)」「身体組成(筋繊維の構成など)」といった多くの情報を保護者と共有し、データを基に適した食生活・トレーニングを模索しながら、キャンプ後も参加者の成長をサポートする。

初日は、食事とトレーニング分野の座学・実技がおこなわれ、食事の講座では基本的な食事の摂り方、効率的に食べられる方法(食材や調味料の選択など)を専門家が説明。保護者が子供たちの食の問題点を質問するなど、関心の高さがうかがわれた。

トレーニング実技では、日本で今後広まっていくであろう「機能神経学」を用いた脳機能の改善・向上による身体・運動能力強化を図る方法を実践した。講座を担当した竹内康弘氏は、ドイツで最先端の知識・情報を取得後、日本の女子プロサッカー選手やレース競技者らに指導し、筋力トレーニングとは異なった概念を持ち込んでいる。

竹内氏は、プレーする(体を動かす)ことを「アウトプット」と定義し、いいプレーをするための脳への刺激を「インプット」と表現。筋肉を動かす指令を出している脳を活性化させることで、可動域の広がりや反応速度など動きに違いが出てくることを参加者に解説した。

足首や股関節、膝など、通常は意識しなければできない動き(ローリング運動など)を参加者に実践してもらい、その後フィールドでシュートの精度や反応速度を検証した。本来、継続的なトレーニング実施で改善・良化されるため、すぐに効果は出ないものの、参加者らは何らかの手ごたえを感じているようだった。

また、竹内氏は「プレーの視野角」をテーマに、手前・中央・奥を順番に凝視する目のトレーニングを参加者らに伝授。「周辺視」の機能が向上し、サッカーをはじめ、ラグビーやバスケットボールなど他競技にも有効としている。脳の活性化は、利き手・足・目ではない方をあえて動かすことで得られるとも竹内氏は話した。

パリ五輪が終わった直後だったため、竹内氏は「客観的に見て、適切に体を動かせていない日本の選手も多かったように思います。筋肉を鍛える以外のトレーニングをすると、もっと動きが良くなるかもしれませんね。今回紹介したトレーニングメニュー以外にもまだまだたくさんありますよ」と、脳神経トレーニングの必要性を訴えた。

2、3日目は、メディアでも活躍する中西哲生氏が登場。中西氏は世界のトッププレーヤーの姿勢やフォームを日本人の体の構造に合わせてアレンジした「N14 NAKANISHI METHOD」を駆使しながら、参加者らに技術指導した。

スポトリ

編集部