「季節感(旬の食材)」「相乗効果が期待できる好相性の食材を組み合わせる」「目的(強化・予防・対策など)」――3点を踏まえた食を提案する「スポーツ食マッチング」。第24回目は冬の食材を使用した「酸化対策編④」です。

本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、塚中碧泉さん(3回生)が担当しました。

Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。

酸化対策に必要な栄養素は?

【ポイント】
①スポーツ習慣の有無にかかわらず、ストレスのかかる人は酸化対策(活性酸素の除去)必須
②酸化対策を怠ると、炎症、細胞の老化などを促すことになる

ハードなトレーニングを日常的に行っているスポーツ選手は、エネルギー代謝がより活発になることで体内に大量の活性酸素が発生する。活性酸素はよく使われる箇所に発生して酸化、炎症させる。炎症はZ世代(成長期)のスポーツ選手にとって致命的といえるケガにつながる。

また、活性酸素は喫煙や大量の飲酒、生活のリズムが不規則になることで受けるストレスが原因でも発生するため、成人やスポーツをしていない人にも影響を及ぼす。酸化は細胞の老化にも直結する。

日常生活で活性酸素が発生しても酸化をブロックしてくれる抗酸化成分のある物を日ごろから取っておけば、いくらか抑制することができる。

抗酸化作用のある栄養素は、ビタミンCビタミンE、プロビタミンAといわれるカロテンなど。

ビタミンCとビタミンEは一緒に摂るとお互いの働きを高め合う相乗効果が期待できる。カロテンは、体内でビタミンAが不足した時だけビタミンAとして働き、ビタミンAが十分にあるときには抗酸化の働きをするという、ヒトの体にとって都合良く働いてくれる。

相乗効果が見込める食材の組み合わせ

酸化対策のために組み合わせたい食材は、かぼちゃとブロッコリー。

夏から秋にかけて収穫されるかぼちゃは、3カ月ほど置くことで甘味が増しておいしくなる上、ビタミンC・E、カロテンなど抗酸化ビタミンをすべて、しかも多く含んでいる。

11月から3月が旬のブロッコリーは、ビタミンC、カロテンが豊富で、一緒に摂ることでお互いの抗酸化作用を高め合う。アーモンドなどのナッツ類や大豆などの豆類にもビタミンEが豊富。

最適な摂取タイミング

摂取タイミングは特にないが、常に体の中で不足しないように摂りたい栄養素のため、運動前後の補食毎回の食事での摂取を心がける。


料理時間
30

かぼちゃとブロッコリーのミネストローネ(大豆入り)

レシピ

【材料(3~4人分)】
かぼちゃ1/10個(100g)
ブロッコリー1/4個(50g)
大豆(水煮缶)20g
玉ねぎ1/4個(50g)
じゃがいも1/4個(30g)
にんじん1/4個(30g)
マカロニ40g
ウィンナー20g
400cc
トマト缶2/3缶
固形コンソメ2個
オリーブオイル小さじ2
塩コショウ少々
粉チーズ少々

作り方

下準備

・かぼちゃ:皮ごと1cm角に切る。
・じゃがいも:皮をむき1cm角に切った後、水にさらしておく。
・にんじん:皮をむき、1cm角に切る。
・ウインナー:1cm幅に切る。
・玉ねぎ:皮をむき、1cm角に切る。
・大豆:缶から取り出し、水を切っておく。
・ブロッコリー:
(1)房と茎の部分に分ける
(2)茎は1cm角に切る
(3)房は小分けに切る

STEP:01

鍋にオリーブオイルを入れ、玉ねぎ、ウィンナーを炒める。

STEP:02

玉ねぎの表面に透明感が出てきたら、ブロッコリーの茎、じゃがいも、にんじん、かぼちゃを加えて、軽く炒める。

STEP:03

水、コンソメを入れ、野菜が柔らかくなるまで煮込む。

STEP:04

ひと煮立ちさせた後、大豆、マカロニを加える(ゆで時間はパッケージの記載に準ずる)。

STEP:05

ブロッコリーの房、トマト缶を加えて、かき混ぜる。

STEP:06

塩、こしょうで味を調え、火を止める。

STEP:07

器に盛りつけ、粉チーズをふりかける。

栄養量

神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミ