料理家で世界を知るトライアスリートでもある高橋善郎さんのレシピ開発企画「アスリート体感料理」。第7回目は「バイク」「走行中」がテーマ。 日ごろのトレーニングや大会出場時など高橋さんの体感を基に、どんな物が食べたいか、何を食べたらいいかを踏まえて、トライアスロンを構成する3種目、スイム・バイク・ランを愛する人たちに向けて、摂取するタイミングにも言及したスポーツフードを提案します。
寒さが体にしみる時期になってきました。走っている時はちょうどいい心地なので距離も積みやすいですが、その分体への負担も大きくなるので、ウォーミングアップや適度な休憩、そしてクールダウンとそれぞれ特にしっかり行っていきたいところです。
ただ、そのあたりに気をつけていても食べるものがおざなりになってしまっては本末転倒。冬だからこそしっかりとエネルギー摂取をすることで故障防止にもなり、体のコンディションを高めていくことにつながります。
走る前に食事を摂る・摂らないは人によって、また、走る長さや強度によって変わってくるので一概には言えませんが、固形物やジェル状のものにしても基本的には何かしら摂取して走るのが望ましいと思います。エネルギー不足の状態で運動を始めると、体内のたんぱく質を分解することでエネルギーを作り出そうとしてしまうので、体内の筋肉量が減ってしまうことになり、また体も動きづらくなって結果的に故障のリスクも高まってしまうからです。
では、「摂取するタイミングはいつがいいのか?」。短時間かつ、そこまで強度が高くなければ1~2時間前までに摂取するのがオススメ。ここで大切なのは、炭水化物(糖質)は軽めに、そして胃への負担が少ないものを摂ることです。
スポーツドリンクやエネルギージェルなどを過剰に摂ると血糖値が急激に上がり本来のパフォーマンスが出にくくなってしまう欠点があるので、軽めの炭水化物(糖質)を中心に摂ることで走るときにベストな状態に持っていくのが望ましいと思います。
今回は時間がない時でも、料理が苦手な方でも作れる、僕自身も大好きな「スクランブルエッグトースト」レシピを紹介します!
<材料(1人分)>
・パン(お好みの種類):1枚
・ハム:2枚
・豆苗:20g
・マカダミアナッツ:適量
・オリーブオイル:小さじ1
・粗びき黒こしょう:少々
【A】
・溶き卵:2個分
・牛乳:大さじ1
・コンソメ(顆粒):小さじ1/2
・しょうゆ:小さじ1/4
・塩:少々
<作り方>
①豆苗は根もとを切り落として1〜2cm幅に切る。パンをトースターで軽く温めたらハムをのせる。
②ボウルに【A】を混ぜ合わせる。1の豆苗を加え、さらに混ぜ合わせる。
③温めたフライパンにオリーブオイルをひき、2を流し入れる。中火程度で菜箸などを使って手早く混ぜ合わせながら加熱し、半熟状になったら火を止める。パンの上に粗く砕いたマカダミアナッツと一緒にのせ、粗びき黒こしょうをふる(お好みで旬のフルーツなどを添えてもOK)。
<ポイント>
・卵の半熟加減はお好みで調整してください。
・今回は運動前に食べることを念頭においたレシピですが、運動後または運動前でももっと時間が空く場合はお好みでチーズ類をトッピングしてもおいしいです。
シャキシャキ食感が心地いい豆苗を加えたスクランブルエッグをトーストしたパンとハムの上に乗せるだけで極上トーストの完成です。今回はくるみとレーズン入りのパンを使用しているのでトースターで加熱すると香りもさらに良く、卵との相性も◎。
えんどう豆を発芽させた新芽野菜である豆苗は、名前の通り「豆」と「緑黄色野菜」の両方の栄養素をバランスよく含んだ野菜で、ビタミンCやβ-カロテン、ビタミンB群なども豊富なため、手軽に栄養を補給できる嬉しい食材の一つ。
「走る前はごはんなんだよな・・・」という方もご安心ください。ごはんの上にかけてもいけちゃうレシピです。おいしいからといって食べ過ぎにはくれぐれもご注意を(笑)
今回はハムと豆苗をベースに作りましたが、チーズやソーセージ、缶詰などをチョイスしてアレンジも楽しめるので、走る前だけじゃなく毎日の朝食や軽食にもぜひ活用してみてください! <<次回へ続く>>
Yoshiro Takahashi / 1988年 神奈川県生まれ
●得意料理:和食料理 / 魚料理全般 / 和菓子 / アスリート系ごはん
●ジャンル:和食 / 魚料理全般 / おつまみ / 健康・スポーツ / おもてなし / 酒類(日本酒、ビール 、ワイン)
●モットー:「もっと料理を楽しく、身近に」
●趣味:書道 / スポーツ(トライアスロン・バスケットボール)
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高橋さんが経営する和食料理店「凧 HANARE」
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