「季節感(旬の食材)」「相乗効果が期待できる好相性の食材を組み合わせる」「目的(強化・予防・対策など)」――3点を踏まえた食を提案する「スポーツ食マッチング」。第16回は秋の食材を使用した「エネルギー補給編 ③」です(今回は玄米を使用しているため、特集に組み込みました)。
本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、西田優花さん(3回生)が担当しました。
Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、運動習慣のある成人の方にもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立で、スポーツや運動シーンでお役立てください。
エネルギー補給に必要な栄養素は?
【ポイント】
①筋肉や脳のエネルギー源になるのは炭水化物
②炭水化物をエネルギーに変えるのはビタミンB1&硫化アリル
成長期のスポーツ選手には、心も身体も成長するには、まずエネルギーが必要になる。スポーツ選手として成長できるように、効率よくエネルギーを摂りたい。成人やスポーツをしていない人にとっても、エネルギーを効率良く使えるようにすることで、バテにくく、太りにくい身体にすることができる。
摂りたい栄養素は、筋肉や脳のエネルギー源になる炭水化物、炭水化物をエネルギーに変える役割のあるビタミンB群の中でも特にビタミンB1、そして硫化アリル。硫化アリルは栄養素ではないものの、吸収率を上げるなど体の中で何かとビタミンB1を働きやすくサポートしてくれる成分。
たくさんエネルギーを使う持久系のスポーツ選手や有酸素のトレーニングを行う人、体脂肪を減らすために有酸素の運動をしている人にとって、ビタミンB1×硫化アリルは抜群の組み合わせだ。
相乗効果が見込める食材の組み合わせ
エネルギー補給のために組み合わせたい食材は、玄米とうなぎ(蒲焼)、ニラ。
10~11月が旬のうなぎは、炭水化物をエネルギーに変えるビタミンB1や皮膚や粘膜を健康に保つビタミンAが豊富だ。玄米はエネルギー源になる炭水化物だが、炭水化物をエネルギーに変えるビタミンB1を白米の約5倍(炊飯後は約7倍)多く含んでいる。
ビタミンB1の吸収を良くし、体の中で働きやすくしてくれるのが硫化アリルで、ニラ・にんにく・たまねぎ・ねぎ・らっきょうなどに多く含まれている。
最適な摂取タイミング
頭を使う前、運動をする前、試合前などがベスト。朝ご飯が最適か。消化・吸収の時間を考え、行動の4時間前には食べ終えておく。
料理時間
15分
うな玉丼
レシピ
【材料(1人分)】 | |
ごはん(玄米) | 250g |
うなぎの蒲焼 | 50g |
卵(2個) | 100g |
玉ねぎ | 50g |
にら | 25g |
サラダ油 | 2g |
煮汁 | |
水 | 75ml |
酒 | 15g |
砂糖 | 4.5g |
みりん | 18g |
しょうゆ | 18g |
作り方
下準備
・玉ねぎ:繊維に沿って薄切りにする。
・ニラ:1~2cm幅に切る。
・卵:溶きほぐす。
・うなぎの蒲焼:
(1) 沸騰した湯にくぐらせて、表面のタレを落とす。
(2)ひと口大に切る。
STEP:01
玉ねぎを中火で炒める。
STEP:02
玉ねぎがしんなりするまで炒めたら、煮汁の材料(水、酒、砂糖、みりん、しょうゆ)を加える。
STEP:03
煮汁が沸騰したら、うなぎの蒲焼とニラを加える。火を弱めて蓋をし1分煮る。
STEP:04
1分煮たら強火にして溶き卵の半量を流し入れ、菜箸で軽く混ぜる。
STEP:05
卵白が固まってきたら残りの半量を流し入れ、好みの固さまで加熱して火を止める。
STEP:06
丼に玄米ごはんをよそい、盛りつける。