料理家で世界を知るトライアスリートでもある高橋善郎さんのレシピ開発企画「二刀流の流儀」。
日ごろのトレーニングや大会出場時など高橋さんの体感を基に、どんな物が食べたいか、何を食べたらいいかを踏まえて、トライアスロンを構成する3種目、スイム・バイク・ランを愛する人たちに向けて、摂取するタイミングにも言及したスポーツフードを提案します。
米の魅力を引き出す調味料
日本の食卓に欠かせない食材といえば「米」。最近ではパンやパスタなどの小麦文化も家庭では増えていますが、それでも米文化は当たり前のように日本の食卓に根付いていますよね。僕自身、料理家、そして飲食店経営者としていろいろな料理を作りますが、圧倒的に米を使った料理が多いですし、トライアスリートの立場からしても体づくりに米は欠かせないと思っています。
米は炭水化物なのでエネルギーの源になるだけでなく、さまざまな栄養素とつながりを作る良質な体づくりのための潤滑油ともいえます。白米であればビタミンB1、B2、カルシウムやナトリウムなど栄養も豊富ですし、玄米や麦ご飯など種類によってさらに栄養価が高いものもあるので自分に合ったお米を選ぶ楽しさも忘れてはいけません。
そして、人それぞれ食べる量は違ってきますが、自分のお腹がちょうど良く満たされるくらいを目安に食べる方が多いと思います。スポーツシーンにおいても概ね考え方は一緒で、自分が満足するくらいで良いと思うのですが、パフォーマンスを求める方にとっては量だけでなく、その摂取タイミングも重要になってきますよね。
トレーニングの強度や競技の種目によっても変わってくるので一概にいえませんが、広義の意味で米を摂取する際のポイントは「過度に、1度に摂取しすぎないこと」がポイントになってきます。「当たり前」と思うかもしれませんが、おいしい米を目の前にしたらついつい食べ過ぎてしまったという経験がある方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
米は炭水化物なので過剰摂取した場合、中性脂肪として体内に蓄積してしまいます。アスリートの皆さんは結構勝負飯を決めている方が多いと思いますが、米に限らず、パスタやパンなど炭水化物においては同じようなことがいえるので、おかずや副菜などのバランスをとって「少しずつ、過剰摂取しすぎない」が一つの鍵に。
普段から何気なく食べ慣れている米ですが、いつもの米を自宅で簡単に、そしてよりおいしく炊く方法があるんです。それは、米を炊く時に「塩麹」を入れるだけ! もちろん普通の炊飯器でも鍋で炊く場合でも共通です。塩麹を入れるだけで米につやが出て、炊き上がりの香りとコクが普通に炊くより断然ふくよかになるんです。昔から塩むすびがあるように塩自体、実は米の魅力を引き出すキー調味料。
今回はその塩麹を使った体も喜ぶ栄養満点な簡単レシピをご紹介します。もちろん、塩麹を使ったつやつや塩ごはんの炊き方も!
料理時間
15分
海老と小松菜の塩あんかけ丼
レシピ
【材料(2人分)】 | |
米 | 2合 |
冷凍むきえび | 120g |
小松菜 | 100g |
長ねぎ | 1/2本 |
きくらげ(規定通り戻した状態) | 20g |
液体塩麹 | 大さじ2 |
ごま油 | 大さじ1 |
溶き卵 | 1個分 |
水溶き片栗粉 | 適量 |
【A】 | |
水:1カップ | 80g |
液体塩麹 | 大さじ2 |
しょうゆ | 大さじ1 |
おろししょうが | 小さじ1 |
こしょう | 少々 |
作り方
つやつや塩ごはんの炊き方(2合分)
米(2合)は研いで、20〜30分浸水させて水気を切る。炊飯器の内釜に米と液体塩麹大さじ2を入れ、2合の目盛りに達するまで水(分量外)を入れて普通に炊飯する。
※ 米の浸水時間、炊飯器の機種によって水の量などは変わりますが、基本的には米2合に対して液体塩麹 大さじ2を入れると美味しく炊き上がります。
STEP:01
冷凍むきえびは流水で解凍する。乾燥きくらげは製品の規定通り戻し食べやすい大きさに切る。どちらもキッチンペーパーで水分をふき取る。小松菜は3〜4cm幅に切り、長ねぎは十字に切り込みを入れて粗みじん切りにする。
STEP:02
温めたフライパンにごま油をひき、えび、小松菜の芯に近い部分を入れ、中火〜強火でえびの色が変わるまで炒める。残りの小松菜、長ねぎ、きくらげを加え、1分ほど炒めたら【A】を加え、ひと煮立ちさせる。
STEP:03
水溶き片栗粉でとろみをつけたら溶き卵を回し入れ、全体をよく混ぜ合わせて火を止める。器に塩ごはんを盛り、その上にかける。
【ポイント】
・水溶き片栗粉でとろみをつける時は火が弱いと沈んでしまうので、しっかりと煮立っている状態でとろみをつけてください。また、今回使用した水溶き片栗粉の水と片栗粉の割合は1対1です。
・むきえびはシーフードミックスや豚肉などで代用いただいても美味しく仕上がります。
自分で作っておいておかしいんですが(笑)、写真を見るだけでもお腹が減ります・・・!塩麹はみなさんご存知かもしれないが腸の調子を整える効果が期待できる調味料のひとつ。善玉菌の餌となるオリゴ糖を生成する酵素をもっているため、摂取することで腸内環境を整えることができると言われています。数年前から注目されていますが、今なおその人気は続いているように感じます。
今回は「米」について色々と書きましたが、米本来が持つポテンシャルの引き出し方を少しでも多くの方に知っていただくきっかけになれば嬉しいです。一手間加えるだけで「米」の可能性は無限に広がりますので、ぜひ、レシピも参考にしてみてください!