飽食の時代と言われる現代の生活では、思わず目を引く綺麗なお菓子やお弁当、世界各国の料理など、買い物に行くとさまざまな食べ物を欲しいときに手に入れることができます。食べたい、美味しそう、安い、健康のため、自分に合っているなど、買う基準は人それぞれです。

今回のテーマは「安全・安心のルール」ですが、どんな話だろうと思われている方もいるかもしれません。私たち消費者が購入するすべての物に、食品の情報を伝える役割を果たす「食品表示」があります。その内容は法律によってさまざまなルールがあり、それに準じて情報が表示されています。

いつも食べているあの食品がどんなものからできているのか、皆さんは答えることができるでしょうか。食品表示を読み解き、食べている物を知ることは健康増進の一歩となります。

食品表示とは

はじめに、皆さんは冒頭で述べた食品表示を目にしたことがあるでしょうか。

食品表示は、見た目だけではわからない食品に関する説明書のようなものです。まず、大きく2つに分類されます。①菓子、弁当、調味料などの加工食品に表示されるもの、②野菜、肉、魚、卵などの加工しない食品に表示されるものです。今回は、加工食品の表示をいくつか見ていきましょう。

添加物とはどんなもの?

食品表示には食品に含まれる添加物も表示されています。添加物と聞くと難しい名前が多く、その正体がどんなものなのかイメージが湧かず、何となく「余計なものが入っている」と考えてしまいがちです。本当に余計なものであれば、添加物の全く入っていないものを選ぶことが安全なのでしょうか。

そもそも、添加物はいつから使われてきたのでしょう。歴史をたどると、古くは紀元前から利用されてきました。例えば、食品を酢に漬け込んだり、煙でいぶしたり、岩塩に塩漬けにしたりすることで食品を日持ちさせていたそうです。

他にも、にがりを使って豆乳を凝固させ豆腐を作る、かんすいを使って麺を作るなど、先人の知恵は今でも生き続けています。添加物というと、着色料や保存料など人工的なものと思われがちですが、実は塩やにがりも添加物の一種なのです。

このように食品添加物は、私たちの食生活を豊かにするものも多々あり、一概に「余計なもの」ではないことがわかりますね。

そして、さまざまなおいしい食べ物をすぐに腐敗する心配なく、安全に食べられるのは保存料のおかげでもあるのです。ただ、おいしく安全な物を販売したいがゆえに、添加物を重複して使用したり、摂りすぎると身体に影響を及ぼす物があったりすることも事実です。

現状では私たち消費者が知識を持ち、自分にとって必要のないものは選ばない、ということが求められているのではないでしょうか。

自分に合った物を見つけよう!

春の訪れとともに、「鼻水が止まらない」と花粉症で悩む人が増えてきました。アレルギー疾患を抱える人の数は年々増加傾向にあり、食品によるアレルギー(食物アレルギー)も例外ではありません。

そこで、食物アレルギーを抱える人が、アレルギー症状を引き起こす食材を間違って口にすることがないように、アレルギー表示が義務づけられています。表示には、子どもも理解しやすいイラスト付きのものもあり、誤食防止に繋がるとてもいいアイデアです。

また、栄養成分は①熱量(エネルギー)②タンパク質③脂質④炭水化物⑤ナトリウム(塩分相当量)の5つを必ず表示しなければいけません。近年ではこの5つの項目以外にも、カルシウムや鉄分、食物繊維など商品のアピールになる栄養素が書かれることが増えてきました。

カルシウム強化のソーセージや、高たんぱく質ヨーグルト、鉄分が配合されたビスケットなど、栄養素が強化された商品はスーパーやコンビニ、ドラッグストアで手軽に買うことができ、自分が摂取したい栄養素を美味しく、無理なく摂取できるようになってきましたね。

健康維持・増進のために、健康的な食品を選びたいと誰もが思うことです。栄養成分表示を見ることで、摂れる栄養素の量を確かめた上でご自身に合う食品を選ぶことができます。

まとめ

「食品表示」といってもたくさんの情報がありました。なかなかすべてを覚えることは大変ですね。

まずは家にあるお菓子や飲み物、調味料などを手に取って、実際の表示ラベルを見てみましょう。いつも食べている食品の表示にはどんなことが書いてあるでしょうか。

食品表示を読み解き、食品の情報を知ると新たな発見はもちろん、いつもの食品にもっと親しみが持てるはずです。

次回は生鮮食品の表示についてお伝えします。

㈱ミールケア 食育開発部