「一般社団法人 健康長寿(東京都渋谷区)」は、全国の眼科医を対象に「子どもの視力」に関する調査を実施した。子供の視力低下の原因といわれる「ブルーライト」をカットする眼鏡について、回答した眼科医の7割が「悪影響あり」と指摘している。

新型コロナウイルスの影響で学校に行けない子供が多くなる中、在宅での学習でパソコンを使用する機会が増え、デジタル機器の多様化によって早い時期から目を酷使する環境になってきている。文科省も子供の視力が低下傾向にあるデータを公表し、問題提起している。

眼科医が考える子供の視力低下の原因については、「スマートフォン・携帯ゲーム機(49.3%)」が最も多く、「ブルーライト(20.9%)」、「テレビ・テレビゲーム(19.2%)」、「部屋の明るさ(6.0%)」、「悪い姿勢(4.3%)」と回答。上位3つはデジタル機器による影響が大きいとわかった。頻繁に手にするデジタル機器から発せられるブルーライトと子供の視力への影響に関して、約半数の眼科医が「目の疲れ(49.8%)」、「視力低下(45.7%)」と指摘。「網膜へのダメージ(37.2%)」「肩・首のこり(24.1%)」「自律神経の乱れ(20.5%)」「体内リズムへの影響(19.2%)」「睡眠サイクルの乱れ(15.5%)」「腰痛(13.4%)」と続き、目だけでなく心身にも影響があることを懸念している結果になった。

ブルーライトへの対策として、市販のブルーライトカット眼鏡を使用することについて、73.5%の眼科医が「悪影響がある」と答えた。さらに、「子供の発育にどんな影響があるか」を聞いたところ、「自然光との割合が崩れ、かえってダメージになる可能性」「幼少期にカットしすぎると、光の調整を覚えられない」「子供の成長期に必要な紫外線を取り入れられなくなる可能性」「色の認識、睡眠障害を起こす可能性」などを指摘した。調査によれば、約半分の眼科医は「視力が完成する(定まる)年齢」を7~10歳(小学校低学年~中学年)と回答しており、成長を考えて10歳以降にブルーライト対策を行う方が良さそうだ。

子供の習慣で視力低下に繋がる恐れのあるものについて聞いたところ、「至近距離で物を見る(46.4%)」、「暗い部屋でのテレビ・スマートフォン・読書・ゲーム・勉強(45.4%)」「悪い姿勢で長時間物を見る(41.9%)」、「寝る直前までのスマートフォンの操作 [目の酷使](23.9%)」となった。

視力低下予防のために積極的に摂取すべき食べ物(成分)について最も多い回答を寄せられたのが「ブルーベリーやイチゴ [アントシアニン](47.3%)」で、次いで「ほうれん草やケール [ルテイン](32.7%)」「小松菜やカボチャ [β-カロテン](23.6%)」「しじみ [ビタミンB1](23.6%)」「ブロッコリーやキウイ [ビタミンC](20.7%)」と続いた。

なお本調査結果は、5月21日~22日に実施したインターネット調査で全国の眼科医1005人が回答したもの。全アンケート結果は以下の通り。

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編集部