「季節感(食材の旬)」「好相性の食材を組み合わせて相乗効果を図る」「強化目的」――この3点を踏まえたスポーツ食を提案する「スポーツ食マッチング」。第5回目は「疲労対策編 ①」です。
本企画は神戸女子大学 健康スポーツ栄養学科 坂元ゼミとのコラボ企画で、栄養解説は坂元美子先生、レシピ作成&調理は坂元先生監修の下、壽栞里さん(4回生)が担当しました。
Z世代のスポーツ選手を想定して献立を作成していますが、自炊しているスポーツ選手、部活のマネジャー、スポーツ習慣のある成人の方などにもご活用いただけます。簡単、かつ栄養価の高い献立になっています。
Z世代(成長期)のスポーツ選手にとって、試合やトレーニングで消費したエネルギーをできるだけ早く補充することが疲労の回復につながってくる。成人やスポーツをしていない人にとっても、日常生活の中でおこる肉体的な疲労や精神的な疲労を蓄積させないことにもなり、心身の健康に保つことになる。
特にスポーツ中の筋活動や、脳のエネルギー源として体内に貯蔵されているグリコーゲンの材料となる炭水化物と、筋肉やそのほか体の修復に使われるたんぱく質はしっかり摂る。
炭水化物とたんぱく質を運動後2時間以内に3:1の割合でとると効率良く、より早くグリコーゲンと体の回復ができるといわれている。さらに、クエン酸を一緒に摂ることでグリコーゲンの回復効率がさらに良くなることが分かっている。
トレーニングをたくさんした人、試合でエネルギーを多く消費するようなスポーツ選手、日常的にハードワークを行っている人、精神的な疲労が蓄積しやすい人は、摂取タイミングも考えて取って炭水化物とたんぱく質を組み合わせて摂取したい。
疲労対策のために組み合わせたい食材は、ライ麦パンとハム、オレンジ。
ライ麦パンは炭水化物だが、運動で使ったエネルギーと同時に必要量が増えるビタミンB1も多い。ハムはたんぱく質をとることができる。材料である豚肉はビタミンB1を豊富に含んでいるため、この組み合わせがお勧め。
さらに、同時にクエン酸を摂ることで、運動によって使用したエネルギー源のグリコーゲンを、素早く回復させることができる。クエン酸を多く含むオレンジは、国産物の場合1~3月が、輸入物はバレンシアオレンジが4~10月、ネーブルオレンジは11~3月が旬。ビタミンCも多く、ストレス対策にも期待できる。
ライ麦パンのほかに、玄米や胚芽米、全粉粒の小麦粉などは炭水化物ではあるものの、一緒にビタミンB1も摂れる。
運動後やエネルギーをたくさん使ってから2時間以内。この時間帯にグリコーゲンの回復が活発に行われるので、組み合わせとタイミングを考える。
<材料(1人分)>
・ライ麦パン:6枚切り×2枚
・粒マスタード:5g
・スライスチーズ:36g
・ハム(ロース):26g
・レタス:40g
・たまねぎ:25g
・トマト:40g
・マヨネーズ:15g
・塩・こしょう:少々
・オレンジ:100g
<手順>
(下準備)
・たまねぎ:薄切りにして、水にさらしておく
・トマト:厚さ約5mm~1cmに輪切りする
・レタス:食べやすい大きさに切る(ちぎってもOK)
・オレンジ(デザート):くし切りにする
参考動画:くし切りをマスターしよう!
① パンを焼く(約3分)
② 片面にマスタードを塗る
③ チーズ、ハムの順でのせる
④ ③の上にレタスを全体にのせ、マヨネーズを塗る
⑤ 塩、こしょうをふる
⑥ たまねぎを全体にのせる
⑦ トマトをのせて、パンで挟む
⑧ サンドイッチを食品用ラップで包む。この時、強めに包んだ方が形を崩さずきれいに切れる
⑨真ん中で切って、でき上がり