USハイブッシュブルーベリー協会(USHBC、本部:米国・カリフォルニア州フォルサム)は、高年層の女性に対しておこなった10年以上にわたる追跡調査から、ブルーベリーの摂取が加齢黄斑変性(AMD)のリスク低減に関連することを示す新たな研究結果を発表した。

AMDは、クリアな視界を保つために必要な黄斑が障害され、ゆがみが生じたり、物が見えづらくなったりする症状。車の運転、テレビの視聴、文字を読むといった日常生活に大きな影響を与える可能性がある。

今回の研究では、被験者の食事パターンとブルーベリーの摂取量・頻度(生、冷凍、缶詰の別を問わない)、白内障やAMDなどの健康状態を調査。AMDと白内障の症状があると回答した平均年齢は、それぞれ54.5歳と53.9歳だった。

ブルーベリーの摂取量・頻度ついて、被験者のうち10.5%がブルーベリーを週1回以上摂取し、平均総アントシアニン摂取量は11.2g/日だった。ブルーベリーを摂取しない女性と比較して、週 1 回以上摂取する女性では、総 AMDが約28%有意に減少していることがわかった。ブルーベリーに含まれるアントシアニン摂取量の増加とAMDの関連は認められなかったが、白内障との関連はわずかに認められた。

結果を受けて、ハーバード大学医学部予防医学科、ハワード・セッソ博士は、「女性におけるブルーベリー摂取の効果と加齢黄斑変性症との関連を評価した初めての研究。ブルーベリーは、多くの健康上の利点に関連するいくつかの生理活性物質の供給源であり、この研究は、ブルーベリーが目の健康にも重要である可能性を示唆している」とコメントしている。

アメリカでは、65歳以上の視力低下と失明の主な原因になっており、社会問題化している。農務省(USDA)が公表した資料によると、近年ラズベリーやブルーベリーなどアントシアニンが含まれるベリー系果物の消費量は、他の生鮮果物と比較して顕著に増加しているという。

加齢黄斑変性(AMD)
スポトリ

編集部