食品・飲料大手「カゴメ㈱ (愛知県名古屋市)」 は、京漬物「すぐき」から発見された植物性乳酸菌「ラブレ菌(Lactobacillus brevis KB290)」の継続摂取によって肌の潤いを保持できることを明らかにした。また、ラブレ菌が腸内環境を改善することで効果を発揮していることが示唆された。

■試験モデル
【試験1】乾燥肌を自覚する健常な女性(平均20.2歳)を無作為に2群に分け、一方の群(ラブレ菌群)にはラブレ菌を35億個/本以上含む飲料を、もう一方の群(プラセボ群)にはラブレ菌を含まない飲料を、1日1本、4週間摂取させた。摂取前後に、肌の潤いの指標とされる「角層水分量」と、腸内菌叢の代替として「糞便内菌叢」の変化を調査した。

【試験2】ラブレ菌の効果が若年層に限定的でないことを確かめるため、乾燥肌を自覚する健常な女性(平均42.4歳)を2群に分け、ラブレ菌群にはラブレ菌を14億個/本以上含む飲料を、プラセボ群にはラブレ菌を含まない飲料を、1日1本、8週間摂取させた。摂取前、摂取4週間後、8週間後に、「角層水分量」を調査した。

■結果
【試験1】64名を対象に、角層水分量、糞便内菌叢について摂取前後での変化量をラブレ菌群とプラセボ群との間で比較した。秋季から冬季という肌の乾燥が進む時期に実施したため、プラセボ群においては、前腕部、頚背部(首すじ)ともに摂取前後の変化量が大きく負の値を示したが、ラブレ菌群ではプラセボ群と比較して有意に高い値を示した(図1)。すなわち、ラブレ菌摂取により肌の潤いが守られたことが明らかになりました。また、糞便内菌叢についても、善玉菌の一つ「Bifidobacterium属(ビフィズス菌)」や、内臓脂肪と負の相関があるとされる「Blautia属」が高値を示すなど(図2)、さまざまな細菌について群間で有意な差が認められた。したがって、ラブレ菌摂取により肌の潤いが守られたと同時に、腸内菌叢が変化したことが確認できた。

【試験2】94名を対象に、摂取前から摂取4週間後、8週間後の角層水分量の変化量を群間比較した。その結果、試験1で効果が認められた前腕部に加え、頬部の角層水分量においても、摂取4、8週間後ともにプラセボ群と比較しラブレ菌群で有意に高い値を示した(図3)。したがって、試験1で認められたラブレ菌の肌の潤いを守る効果は、より幅広い年齢で認められること、身体のさまざまな部位で発揮されることが示された。