フルボ酸の原料販売などを手掛ける「日本オーガニックミネラル㈱(東京都渋谷区)」は、フルボ酸の健康効果に関する臨床研究を実施。アルブミン、HDLコレステロールの上昇など健康に寄与する作用を確認した。

フルボ酸は土壌や河川などから抽出される有機酸の一種で、ユーラシア大陸などの古い地層から豊富に産出される。米・ユタ州の約7000万年前〜1億年前の古代植物堆積層「ヒューミックシェール」からは約70種類の天然ミネラルが含まれたフルボ酸が発見されている。ネイティブ・アメリカンは、ヒューミックシェールから採取した土の作用を理解し、薬として使っていたとされている。

フルボ酸は分子量が小さく、体内への吸収がよいことが特徴。過去の基礎研究や動物実験では「皮膚のコラーゲン増加」「殺菌効果」「慢性炎症や糖尿病への効果」などが確認されている一方、ヒト試験による効果検証は限定的だった。

試験は35〜65歳の女性36人を対象に行われ、フルボ酸1000mg摂取群、プラセボ(偽薬)群に分けて12週にわたって毎日摂取させた。試験開始前と12週間後に、①血液検査、②体組成検査、③酸化度試験、④糖化度試験、⑤重金属ミネラル検査、⑥腸内フローラの変化の検査を行った。結果、以下のことが確認された。

1) フルボ酸摂取群では、カルシウムや亜鉛、酵素などと結合して体内で運搬したり、毒素と結合して血中毒素濃度を減らす役割のある「アルブミン」が有意に上昇した(血液検査)。
2) フルボ酸摂取群では、動脈硬化を防ぐ役割を持つHDLコレステロール(善玉コレステロール)が有意に上昇した(血液検査)。
3) フルボ酸摂取群では、体重に減少傾向がみられた(体組成検査、郡間比較)。

この結果により、フルボ酸がヒト生体に対して好影響を及ぼす可能性が示唆された。研究を実施した同社は、フルボ酸の機能性を明らかにするための過程として意義あるものとして今後研究を進め、フルボ酸の健康価値を追求することにしている。

スポトリ

編集部