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2022.10.05
サプリメンテーション
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研究者と学ぶ、第7の栄養素「コラーゲンペプチド」 #02
真野博、君羅好史(城西大学) 文・構成:編集部

コラーゲンとゼラチンの違いは? 生活の中に溶け込む2つの物質

みなさんは、テレビCMや買い物をした時に「コラーゲン」を目にしたり、耳にしたりすることがあると思いますが、料理で使われたり、質感を表したりする「ゼラチン」との違いを知っていますか。

ゼラチンは食品学、コラーゲンは生化学・解剖学の用語として使用される言葉ですが、呼び方は違えど基本的には同じ物です。前回解説した三重らせん構造のコラーゲンが、熱や酸・アルカリでほどけて溶解された物がゼラチンになります。縄がほどけただけなので、アミノ酸配列に変化はなく、用途によって使い分けされています(図1)

私たちは生物を食して命をつないでいるわけですが、生物も人間同様、体を作るのに適したコラーゲンが必要なので、牛や豚、魚介類など生物の多くに含まれています。

それらを食材として料理に使用した場合、フカヒレ、豚の角煮などは、プルプルとした質感が見て取れると思います。これは、鮫のヒレ、豚肉に含まれるコラーゲンが加熱されることによって、3重らせん構造がほどけてゼラチンに変わり、独特の見た目と食感を作り出しているのです。

また、アワビやフグ、ヒラメの刺身は、硬いわけではないけれど、若干噛み切りにくい。でも、煮たり焼いたりすることですごく柔らかくなりますよね。これは、冷えると固まり、熱を通すと柔らかくなる(溶けやすい)コラーゲンの特徴そのものといっていいでしょう。

ソーセージの皮にもコラーゲンは使われていて、もともと動物の腸(天然ケーシング)を原料としていましたが、コスト面や加工技術の発達によって、動物性タンパク質を原料化し、加工した物(コラーゲンケーシング)が使用されています。

さらに、コンビニエンスストアの弁当でタレや汁がゼリー状になっているのを見たことがあると思います。あれは、タレなどをゼラチンで固めて、持ち運ぶ時に垂れないように工夫されているのです。

食べる以外の用途でいえば、肌との親和性が高いコラーゲンは、コスメ業界で化粧品原料として使用されています。他には、にかわや接着剤、のり、カラーフィルムのコーティング剤、薬のカプセルなどは、ゼラチンを原料としています(図1)。 このように、コラーゲン・ゼラチンは私たちの生活の中で割と身近に存在しており、さまざまなシーンでお世話になっているのです。

吸収の最効率化を図って開発された「コラーゲンペプチド(コラペプ)」

コラーゲンとゼラチンの関係については整理できたと思いますが、さらに「コラーゲンペプチド」という物があります。私たちが「第7の栄養素」としての価値を見出そうと、研究し続けている物質です。

コラーゲンは3重らせん構造によって、しなやかさ、柔らかさ、強度を保っていますが、消化されにくいタンパク質でもあります。加熱などによって構造をほぐし、ゼラチンにすることでさまざまな用途で使われるようになりました。そこから、さらに利便性を高めて開発されたのがコラーゲンペプチドなのです。

コラーゲンペプチドは、工業的にコラーゲンを分解する酵素(コラーゲナーゼなど)を使って、細かくしていきます。図2のように、約1000個のアミノ酸を分割して小さく(低分子化)することで、体に吸収しやすくなるように加工されています。

これは、コラーゲンを取り扱う多くの原料サプライヤー(原料供給メーカー)が、商品の多様化に伴って独自の技術を駆使し、さまざまなタイプのコラーゲンペプチドを研究・開発し、市場に流通させた成果といえるでしょう。

ペプチドにもいろいろと種類(図3)があって、1000個のアミノ酸を2~10個くらいに分割した「オリゴペプチド」、10個以上のアミノ酸を分割した「ポリペプチド」があります。近年では、2個のアミノ酸に分割した「ジペプチド」、3個のアミノ酸に分割した「トリペプチド」などがあり、体への吸収性を高めるドリンク形状にも対応できるような原料開発が進んでいます。

サプリメントや化粧品などコラーゲン関連商品は限りなく販売されていますが、そのほとんどはコラーゲンペプチドを原料にしているといっていいと思います。例えば、サプリの原料に分子の大きいコラーゲンそのものを使用した場合、体への吸収性や摂取効果が得られにくいので、体への浸透性がより高いコラーゲンペプチドが原料として使用されるわけです。化粧品も同様の理由ですね。

さらにいえば、ゼラチンを原料とした物でも、コラーゲンペプチドを原料とした物でも「コラーゲン」と銘打たれています。これはマーケティングが大いに関係しています。

コラーゲンをめぐってはこれまで、多くの研究成果が得られています。そのため、コラーゲン=健康にいいイメージがみなさんの中で定着しているのではないでしょうか。販売サイドから考えると、商品パッケージなどに「ゼラチン配合」ではなく、「コラーゲン配合」「コラーゲンペプチド配合」と表記した方が手に取ってもらいやすいという側面もあります。説明している通り、2つは同じ物なのでこの表記にウソ・偽りはありません。

研究者の中には、「コラーゲン」を「ゼラチン」、「コラーゲンペプチド」を「ゼラチンペプチド」と呼ぶケースもあり、実は定義というのは存在せず、いまだに論争の種になっています。ただ、世の中ではコラーゲン、またはコラーゲンペプチドが一般的で普及している現実があります。

今回の話題をまとめると、コラーゲンとゼラチンは同じ物で、3重らせん構造をほぐしたゼラチン、コラーゲンを工業的・身体的にさらに使いやすくした物がコラーゲンペプチドということになります。この違いがわかっていれば、生活の中で役立つ機会が増えるはずです。

みなさんがコラーゲン関連商品を見た時、「体に吸収されやすいコラーゲンペプチドが使われているんだな」と頭に思い浮かべば、少しずつ理解が深まり、関心が高まっている証拠といえるかもしれませんね。

Dr.Kimiraのコラペプちょいバナ② ゼラチンとカラギーナン、2つのゼリー物語

1970年代後半までゼリーの原料といえばゼラチンでしたが、現在ではカラギーナンが主流になっています。カラギーナンは海藻が持つネバネバ成分(増粘多糖類)で、原料として多くの商品に添加されています。

ゼラチンは液状の物を固められますが、常温になると溶けやすい“欠点”があり、カラギーナンはゼリーに近い食感ながら常温になっても溶けにくい性質があります。時代の流れから、コンビニなどの増加で販売流通網が拡大したことで、食品原料には味や食感以外にも輸送面でも配慮する必要性が高まりました。

その結果、ゼラチンに比べて型崩れしにくいカラギーナンゼリーがゼラチンゼリーに取って変わった背景があります。ちなみに、ゼラチンゼリーは、輸送の必要がなく、すぐに食べられる家庭用・贈答用などで変わらず使用されています。

今でもゼリーがゼラチンからできていると思っている人は、「ゼリーを食べておけばコラーゲンが摂れる」と勘違いしそうですが、実はカラギーナンゼリーなので、コラーゲンが持つ摂取効果は見込めないということを覚えておきましょう。ただ、カラギーナンは食物繊維なので、「おなかの調子を整える」、消化・吸収に時間がかかるため、満腹感が続いて「ダイエットにもいい」という別の作用が見込めます。

ですから、2つのゼリーを使い分けて、生活に生かすことを考えてもいいかもしれません。例えば、スポーツ時に使用する場合、運動前に家でエネルギー補給のためにカラギーナンゼリーを食べて、運動後のリカバリにゼラチンゼリーを食べるといったような。これは結構いい案だと思いますよ。はい、今回は2つのゼリーにまつわるお話でした。

次回は、コラーゲン・コラーゲンペプチドの研究史について解説していきます。<<次回へ続く>>

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真野博、君羅好史(城西大学) 文・構成:編集部

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