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2021.07.03
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すぽとり週刊ニュースヘッドライン【2021年6月26日~7月2日】
すぽとり編集部

すぽとりと親和性の高い話題(スポーツ、スポーツニュートリション、食品・栄養、健康、生産分野ほか)について、1週間分の気になるニュース、研究動向などを厳選し、記事にまとめました(2021年6月26日~7月2日)。

 

【開催機運は徐々に醸成、「日本の国際的評価が上がる」が急上昇 五輪世論調査Week4~Week5:6月28日】

Week1~Week3までの動向

調査研究機関「日本リサーチセンター」は「東京五輪が開催された場合の日本への影響」について世論調査を実施。今回は6月9日週(Week4)、6月16日週(Week5)を追加した調査結果を発表した。同機関は、東京五輪開催まで動向を定期的に公表していく。

「今年東京五輪が開催された場合、日本の国としてどのような影響があると思うか」という質問に対し、最も多かったのは前回に続いて「経済効果が期待できる」。Week5時点で19.5%の人が回答している。「国民のスポーツに対する関心が高まる」はWeek1から15.0%→15.7%→13.3%→16.4%→13.7%と推移している。東京2020大会の意義といえる部分「国民に一体感が生まれる」と回答した割合はWeek3から9.5%→11.2%→12.6%と上昇傾向に転じている。また、「日本のアスリートのレベルが向上する」もweek3から8.6%→11.2%→12.6%と上昇傾向になっている。最も顕著な上昇傾向を示したのが「日本の国際的評価が上がる」で、Week4までは7~8%を推移していたものの、プレイブック第3版発行に伴って目に見える対策が内外に周知されたのが影響したか、week5時点で11.6%まで上昇した。五輪が近づくに従って総じて上昇傾向を示しているが、今後五輪運営側がいかにして開催機運を盛り上げたかが数字に表れてくる。

 

【東京五輪、キッズたちは無観客開催を希望!?:6月30日】

ネットサービスプロバイダー「ニフティ㈱(東京都新宿区)」は、同社運営の子供向けサイト「キッズ@nifty」にて、「東京五輪・パラリンピックの開催」に関する調査を実施。開催に向けて準備が進んでいるにもかかわらず、中止、または延期が8割に上り、開催する場合は無観客などが望ましいとする意見が大勢を占めた。

「中止、延期するべき」と回答した子供たちからは、「学校行事が中止になっている状況の中での開催は納得がいかない」などの意見が寄せられた。「開催するべき」と回答した子供たちからは、「選手たちは練習してきたのにできないのは悲しすぎる」と選手に寄り添ったり、「中止にすると経済的に破綻してしまい、医療費などの必要なお金に影響する」と冷静に分析する回答などがあった。

コロナ禍で五輪を開催するにはどんなアイデアがあるかを聞いたところ、「リモート・オンライン・無観客」が全体の75%に上り、「オリンピック初のリモート開催」「各国の競技場で大会を行い、観客はオンラインで観戦するのがよいのでは」といった意見が出た。本調査の集計期間は5月14日~5月31日で、有効回答数は290件。

 

【グリシン含有食品が口腔衛生状態の改善に寄与する可能性 ファイン・九州歯科大学:6月30日】

健康食品などを製造・販売する「㈱ファイン(大阪市)」は、九州歯科大学歯学部・秋房住郎教授と共同し、口腔内細菌に及ぼすグリシン含有食品の影響についての研究を実施した。高齢者を対象にした試験の結果から、口腔衛生状態が改善する可能性が示唆された。アミノ酸の一種であるグリシンは、細菌の増殖を抑制することで知られている。
試験は、介護保険施設5施設に入所する高齢者者49人を対象として、グリシン3gを含有した食品を摂取する群(介入群)と、プラセボ食品を摂取する群(対照群)を無作為に分け、試験食品を1週間、就寝前に摂取させた。介入群と対照群は、介入1カ月後、それぞれの群を入れ替えて(介入群→対照群、対照群→介入群)、再度試験食品を摂取させた。細菌カウンターによって口腔総細菌数を、ADCHECK (R)により歯周病原性細菌由来のトリプシン様活性を、Tongue Coat Index(TCI)によって舌苔の付着度を測定・評価した。
試験の結果、介入前後で両群ともに総細菌数、ADCHECK (R)スコアに変化は認められなかったものの、TCIは介入群で介入後に有意に低下した。また、介入後では、介入群は対照群に比べて有意に低下した。ADCHECK (R)スコアがベースライン時に3以上の人(歯周病原性細菌の活動度が高い)では、介入群で介入後に有意に低下していたが、対照群では変化がなかった。一方、介入群、対照群ともに総細菌数に変化は認められなかった。これらの結果から、グリシン含有食品が舌苔を改善するとともに、病原性細菌の活動のみを低下させる可能性があることが示唆された。

 

 

【肉に似せた大豆ミート、環境問題への配慮・味の改善などで市場は拡大傾向:6月30日】
 
㈱日本能率協会総合研究所(JMAR:東京都港区)」は大豆ミート市場を調査し、今後の市場規模を推計した。調査によれば、2025年度の大豆ミート国内市場は40億円となる見込み。 
 
大豆ミートとは、大豆を主原料に使用し、食感や味、香りなどを動物性肉に似せた食品で、広義では代替肉の一種に分類される。本調査では、大豆ミートを用いて作ったハンバーグやハムカツ、ソーセージのような加工食品を対象とし、市場規模は国内におけるメーカー出荷金額を対象に算出した。

大豆ミートは大豆を主原料とすることから、動物性肉よりも低カロリー・低脂質という特徴があり、健康意識の高まりを背景に需要が拡大している。筋トレやダイエットといった肉体改造において、たんぱく質を多く含む食品の有効性が注目されており、大豆ミートは植物性タンパク質を豊富に含むという点でも健康的な食品として受け入れられている。

また、家畜の飼育、食肉の生産においては、大量の水と飼料が必要になることや温室効果ガスの排出といった環境への悪影響が問題視されており、環境問題を意識して食品を選ぶという文化が浸透している欧米では、環境への配慮意識も代替肉の購入動機の一つとなっている。

大豆ミートをはじめとした代替肉へのニーズが高まっていることを受けて、多くの企業が大豆ミート商品を開発、発売しており、商品数は増加している。以前は大豆ミートについて、「味や食感に満足できない」「独特の大豆臭が気になる」という声も聞かれたが、食品メーカーの研究・商品開発の進展により、匂いや味、食感が改良され、消費者の評価も高まりつつある。今後も大豆ミート商品を発売する企業は増加する見込みであることや、消費者の認知度・購買意欲の高まりから、大豆ミートの市場は拡大が予想される。

【スポーツ選手にSDGsなどの社会課題解決を期待、ユーグレナが「サステナブルアスリート」を提唱:7月1日】

上段左から高橋侑子(トライアスロン)、高原直泰(サッカー)、角山貴之(陸上・三段跳び)、下段左から長谷川円香(ゴルフ)、本玉真唯(テニス)、清水亜久里(ノルディックスキー複合)

「㈱ユーグレナ(東京都港区)」のスポーツ飲料ブランド「SPURT(スパート)」は、スポーツ選手が持続可能な競技生活を送るためのスポーツ分野における理念として「サステナブルアスリート」を提唱し、東京五輪トライアスロン女子日本代表・高橋侑子、サッカー元日本代表・高原直泰らが応援パートナーに決定したことを発表した。今後、応援パートナーは増えていく見通し。

スパートが提唱するサステナブルアスリートとは、現役の競技生活の中で「自身の健康維持」「地球の健康への配慮」「途上国への健康支援」の3つの「健康」視点で無理のない持続可能な活動を実践し、競技生活から離れた後も健康を継続維持し、セカンドキャリアを歩んでいくことを目指すスポーツ選手を意味する。この理念は、ユーグレナ社のフィロソフィーである「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」にも通じている。

スポーツ選手は自身の成績・成果と、そこから生じる知名度や影響力から、情報発信やリーダーシップを通じて、SDGsなどの社会課題解決の推進力となりうるポテンシャルを秘めている。応援パートナーは、スポーツ分野におけるサステナビリティについて正しく認識し、自らが無理のない持続可能な競技生活を送っていくとともに、選手活動、SNSやフィールドワーク等さまざまな機会を通じて、プロアマ問わず幅広いスポーツ選手、次世代のスポーツ選手に対して、ユーグレナ社とともにサステナブルアスリートの啓蒙活動を推進していく。

すぽとり編集部